四ノ巻~浅井家~
私、
「成る程……。それでそなたはこの先どうするのだ?そのそなたに不老不死の力を授けた少女が消えたのであれば、元のいた時代には戻ることはできないだろう」
私は、浅井長政の言う通り、平成時代はもう戻れない。私と似た少女がもうこの世にはいないし、仮にあの少女が存在していたら帰る方法も分かっただろうな……。聞いておくべきだった……。私はそう後悔していると、推しである
「長政様ご提案がございます」
「三成か、どうした?」
「この月城莉菜という
「はい!?」
私は思わず叫んでしまった。すると、大谷さんがクスクスと笑いだした。皆、大谷さんが笑っているところをみて驚いた表情を見せていた。
「やはりお前は面白いな、莉菜」
「お、大谷さん!?」
「長政様。戦に出すのは好きにしてください。ですが、俺と共に行動させる事を条件として、莉菜を浅井に置いてください」
「俺からもお願いします!長政様!」
大谷さんと高虎さんが浅井長政に交渉をし始めた。私は、どうすれば……。
「おい」
「い、石田さん!?」
突然、石田三成が私に声をかけてきた。推しに声をかけられたびっくりしていると、何故かデコピンをされた。籠手が地味に痛い……。
「貴様、俺が貴様を浅井に置きたいと思ったから長政様にご提案したんだぞ。貴様はどうしたい?貴様は俺を守るんじゃないのか?」
石田三成は、私にそう言った。そうだ、私はこの人を守りたいと日々願っていたんだ。それが今、実現しようとしている。この機会を逃してしまったら、もう二度とこの人には会えなくなる。だったら、姫巫女の生まれ変わりとして、戦場に立ち戦おう。命をかけて。
「浅井さん!いや、長政様!私をこの浅井家に置いてください!戦場に立ち、命をかけ、長政様を皆をお守りいたします!用済みになったそのときは、不老不死ですが!私に切腹命令を出してください!」
私は長政様にそう言いながら土下座をした。しばらく沈黙が続いた。
だが、その沈黙を破ったのは、他でもない長政様本人だった。
「よろしく頼むぞ!莉菜!」
長政様は、私を認めてくださった。私は、嬉しすぎて泣き出してしまった。すると、石田三成は私の頭を少し力強く撫でた。推しに頭を撫でられ、またそれで泣いてしまい、その日は一日中私は、泣いてばかりいたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます