三ノ巻~藤堂高虎~
私、
すると、大谷さんの放った蝶々が戻ってきた。大谷さんの周りを一週した瞬間、その蝶々は消えていった。大谷さんは「来たか」と言うと、小屋のドアをぶち壊してきた。普通に開ければ良いのでは? と思っていると、小屋の中に
「何故女がここにいる!ここは戦場だぞ!女が来る場所じゃない!」
「好きでここにいる訳じゃないですよ!!」
「どういう意味だ?」
藍色の着物の男性は「意味が分からん」というと、大谷さんが私の事情を話してくれた。すると、私の事情を知った藍色の着物の男性は「すまなかった」と謝ってきた。私は、何て言えば良いのか分からず慌てていると、大谷さんが「慌てるな」と頭を撫でてきた。
「姫巫女様でしたか、先ほどの無礼!失礼いたしました」
「様なんて……莉菜で良いですよ。本当に姫巫女の生まれ変わりなのかも分からないですし……あと、敬語もなしでお願いします」
「わ、分かった。俺は、
「分かりました!よろしくお願いします!大谷さん!高虎さん!」
私は、二人に笑顔で言うと、高虎さんは嬉しそうに「巫女様から頼まれ事を……」と何故か感激しているし、大谷さんはひたすら私の頭を撫でている。私は大谷さんに「楽しいですか?」と聞くと、「楽しい」と即答で言われた。楽しいんだ……。
そして、私たちは
しばらくすると、城が見えてきた。さっきいた小屋から差ほど遠くはないらしくすぐに城に着いた。門のなかを通り馬を降りると、赤色の着物を着て、その上から白色の羽織りを羽織っている、大谷さんよりかは短いロングヘアーの茶髪の男性が、仁王門立ちで待っていた。
すると、大谷さんが茶髪の男性に声をかけ、近寄って行き、私と高虎さんも大谷さんに着いていった。
「遅くなった」
「そのようだな吉継」
「あぁ。長政様はどちらに」
「長政様は大広間で御待ちだ」
「お前も着いてくるのだろう?三成」
大谷さん、今なんと仰いましたか? 私は思わず二人の会話の邪魔をしてしまった。
「三成……」
「何だその女は?吉継いつの間に……」
「違う」
「じゃあ、高虎……」
「馬鹿か。この方あの姫巫女様の生まれ変わりなんだぞ!」
「……本当か?」
三成と呼ばれている男性は、私に姫巫女なのか? と聞いてきた。私は、自分でも分からないと答えると、「どういう意味だ」と言われた。すると、大谷さんが「三成にも話しては貰えないか?」と頼まれたので、全て話した。
話し終えると、三成? は表情を変えず「俺には関係ない」と言った。その言葉を聞いた私は、少なくともじゃあこの時間を返してくれーと思った。大谷さんは私に「あいつは何時もあんな感じだから気にするな」と言ってきた。私は、大谷さんの言うことを信じ、大広間へと向かったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます