第4話 吉凶入り乱れ!ツッパリ『凛』と真面目『凛』の日常!!(4)



「ほら、飲み物できたぞオメーら!しっかり水分とれよ?」


「わーい、ありがとうございます~」


「ごちになりまーす。ほら、大河。」


「くっ・・・・覚えてろ馬鹿野郎秀この野郎・・・!瑞希先輩、あざーっす!!」



瑞希お兄ちゃんからドリンクをお礼を渡され、受け取っている間もずっと頭を撫でてもらえた。


そんな僕らを見ながらグラス2つを受け取った秀君は、苦笑いしながら円城寺君に視線を向ける。


秀君に見られていることに気付いた円城寺君は、自分を見ている人の悪口を瑞希お兄ちゃんに聞こえないように小声でつぶやいてから、ドリンクを作ってくださったお方へのお感謝を述べる。




ブオー、ブオー!



「あ、時間ですね。」




そのタイミングで、僕の携帯のアラームが鳴る。




「え?もう時間か、凛?」


「はい、残念ですが・・・・」


「え?なに、凛君?今の音?」


「つーか、時間ってなんのことすか、瑞希先輩?」


「ああ、凛が帰る時間をお知らせするメロディーだ。」


「「何でほら貝!?」」


「イメージでこうなりました。」



2人の質問に答えてから、メロディーを消す。



「あ!?なんだよ、凛!もう帰っちまうのか?」


「すみません、カンナさん。帰ります。」


「えー!?リンリン、もうちょっといてよ~!二の国のゲームしようよー!」


「ごめんね、ちーちゃん。今度誘って下さい。」


「アラームをセットしてたと言うことは・・・なにか大事な用事があるんですか、凛さん。」


「大事な用事もなにも・・・僕に限らないことですよ?」


「といいますと?」


「みんなにも関係あるじゃないですか?」


「はあ!?俺らにだぁ~!?知ってるか、大河!?」


「知らねぇよ!どうなんだよ、秀?」


「わからねぇな・・・」


「え!?今日が何の日か、みなさん忘れたんですか!?」


「えっ!?忘れたって我が君・・・・・・失礼ですが、なにかありましたか・・・??」


「そうだぜ、凛?あたしら聞いてないけど・・・なんだよ?」


「え~!?なんだよって・・・しっかりして下さいっ!」



不思議そうにする友達一同に僕は伝えた。





「今日から新学期、県内の中高は始業式の日ですよ!?学校に行く日でしょーうが!?」


「「「「「「「・・・・・・はい・・・・・・?」」」」」」」


「夏休みは昨日でおしまい!みなさん、今日から学校ですよ!サボらないでくださいよ!?なんのために、夏休みの宿題をみんなで頑張ったと思ってるんですか!?くれぐれも忘れないように出してくださいね!?」




ビシッと総長らしき言えば、なぜかみんな間抜けな顔になる。



「「「「「「「・・・・・・・・・・・・。」」」」」」」


「聞いてますか!?」


「・・・・・・学校って、凛、オメー・・・・・・・・」



最初に口を開いたのはカンナさん。




「まさか・・・アラームセットしたのは・・・・学校へ行くためか・・・・?」


「そうですよ!僕は身支度がありますから、早めの準備が必要なのです!カンナさんも、お家に帰って、少し仮眠をとった方がいいですよ!眠れなくても、目をつぶって横になるだけでも疲れはとれるんですからね?」


「おっまえ・・・・!!」


「どうしました?」


「どーこーのーせーかーいーに!!真面目に学校へ行けっていう族の総長がいるんだよボケ!!?」


「ここにいます。」


「そりゃあそうだけさぁー!!」



〔★日本中探しても凛だけだ★〕



「オメ!?マジでどーかしてんぞ!?」


「ヤンキーですからね。」


「そういう意味じゃねぇ!!つーか、そんなヤンキーはいねぇーよ!!」


「カンナさん、僕らは龍星軍ですよ?ほかの不良と同じことをしていては、意味がないのです!半端はだめですよ!」


「なんでオメーはそういうところでズレてんだよ!?真面目なんだよ!?ガチで遅刻しないように学校へ行く気か!?」


「そうです。」



本音は行きたくはないけど・・・



「学生は学業が本分ですからね。暴走族活動ばかり皆勤賞ではいけません。人間、好きなことだけして生きてはいけません。」



自分にも言い聞かせるつもりで伝える。





「意見の合わない者達と合わせて過ごしていくこと、我慢を学ばねばなりません。頑張りましょう!?」


「お、お前な~!!」


「わかりました、凛さん!俺、今日は学校に行きます!」


「可児!?」


「可児君。」


「凛さんのおっしゃる通りっす!!」



渋い顔をするカンナさんとは対照的に、はつらつとした声と笑顔で五分刈り君が同意してくれた。



「新学期なんざ、だるい始業式だけだからサボろうと思ってましたが―――――我慢を学ぶとは!さすが凛さん!!良いことをおっしゃいます!凛さんが行くのでしたら、俺も見習ってサボらずに行きます!」


「よかった~サボるのを考え直してくれて何よりです。」


「ウェイウェイウェイ!俺も俺も!ちーちゃんも、朝から学校に行くよ!?真面目に参加して来る系~!」


「それを聞いて安心しました。遅刻に気をつけて下さいね?」


「我が君!ぼっしぃ~!俺も今日から学校に行きますよ!集会後であっても、始業式に参加するぐらいの余力はありますから♪」


「本当ですか?正直、集会のせいで学校生活へのに影響が出るかと不安でしたが・・・登校してくれるなら大丈夫ですね?」


「オス!」


「ウェ~イ!」


「御意♪」



ホッとしながら聞けば、笑顔で答えてくれるかに君とちーちゃんとつなぐの3人。



「オメーら・・・・!!?」


「いくらりんどーが大好きだからってな~!?」


「ヤンキーが真面目に学校とか・・・どーなんだよ?」


「はぁあ~あ!!凛に影響されやがって!」



一方で、爆裂団のメンバーは不服そうな反応だった。







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