第2話 吉凶入り乱れ!ツッパリ『凛』と真面目『凛』の日常!!(2)



「照れてんのかよぉ~凛~?」


「あ、あ、あう、あの、頬をつっつくのは~」


「――――――――やめてくれませんかっ!!?」



悠斗君声の大音量で言ったのは、総長代行の特攻服を着た仲間。




「円城寺君。」


「テメー凛道!!瑞希先輩に媚びすぎなんだよっ!!」




そう言ってキレているのは、円城寺大河君。


爆裂弾のボスでもあり、龍星軍と兼業してもらっている。


彼も瑞希お兄ちゃんが大好きなため、僕に対して常に怒っている。


そのため、瑞希お兄ちゃんに関しては、お互い意識している。



「別に僕、お兄ちゃんに媚びてません。甘えてはいますが。」


「真顔で恥ずかしいこと言うな!わかってんなら、瑞希先輩から離れろ凛道!」


「瑞希お兄ちゃん、僕、離れなきゃダメですか?」


「あん?ここは凛の定位置だからいりゃいいだろう?」


「ですよねぇ~よかったぁ~♪」



「つーか、凛のほっぺはマジでやわらかいなぁー?」


「オイィィィィィイイイ!!?」




瑞希お兄ちゃんが僕の頬をマッサージするように触る姿を見て、絶叫する円城寺君。



(なんかちょっと愉快・・・♪)



〔★凜は優越感に、ひたっている★〕



「ちょ!瑞希せんぱぁ~ぃ!リンリンに触りすぎ!」


「うっせーなーオメーは近すぎんだぞー?凛がつぶれるから離れろ。」


「わっ!?ちょ!?チョーあり得なーい!!」



容赦なくちーちゃんを僕から引きはがす瑞希お兄ちゃん。


それでチャラオも不満そうな顔をするけど、僕は幸せ♪



(瑞希お兄ちゃんに1人占めされてる・・・♪)



「おのれ凛道!瑞希先輩をよくも~・・・!!」


「激おこぷんぷん丸なんだけどー!?」


「凛の奴~どんだけブラコンなんだよ!?」


「カ、カンナ、キレすぎじゃねぇーか!?」


「・・・仲良し兄弟は引き離せないか・・・・」



そう、僕達2人の密着度は変わらない。



「すみませーん、真田お兄様!『コーヒー・ジンジャー』のお代わりを頂きたいのですが~?」


「え!?」



瑞希お兄ちゃんへのドリンクのオーダーが入るまでは・・・





「お?もう飲んだのか、関山?じゃあ、用意してやるよ。」



瑞希お兄ちゃんの視線が私から離れる。


彼が見ているのは、きれいな顔の子。



「同じのでいいか?別のを飲むか?」


「う~ん、そう言われちゃいますと、困るんですよねぇ~コーヒーとアイスクリームとシナモン粉とジンジャー・シロップのコラボの『コーヒー・ジンジャー』も美味しかったですが~他も気になっちゃいますね♪まぁ、『コーヒー・ジンジャー』が美味しかったのですから、他も美味しいとわかってので、迷っちゃいますが~わが君である凜道蓮様が飲んでる『カッフェ・ドルゾ』をお願いします。」


「ハハハ!上手いこと言いやがる。待ってろ!美味い『カッフェ・ドルゾ』を入れてやるからなぁ~?」


「はーい、お待ちしてます~」


「じゃあな、凛。」


「え!?ちょ、お兄ちゃん!」



僕の頭を撫でると、キッチンへと移動してしまう。



「あ~瑞希お兄ちゃぁーん!?」


「ふふふ~さすが、ぼっしーのお兄様ですよねぇ~カフェインのお点前が結構で?」


「・・・つなぐ・・・君は・・・」


「可児殿、長政殿、カンナちゃん、そして円城寺殿・・・くっついてる者同士を引き離す『離間の計』とは、このようにして使うのですよ・・・?」


「「「「なるほどな!?」」」」


「って、やっぱりわざとでしたか、つなぐー!?」



悪そうな笑みを浮かべ、僕と瑞希お兄ちゃんを引き離す作戦を遂行したのは関山つなぐ。


元・賞金稼ぎにして、戦国武将・上杉謙信は以下の忍者隊『軒猿』の子孫でもある現代の忍者。


それだけでもすごいのに、半陰陽という症状を持っているため、性別が中間で未定というデリケートな子。


龍星軍では遊撃隊長補佐を任せている。




「ひどいですよ、つなぐ!?」


せっかく、瑞希お兄ちゃんとラブラブしていたのに!




「ご安心を、我が君。あなたが今飲んでいるアイスココアを飲み干して、新しいドリンクを注文すれば、お側に帰ってきてくださいますよ?」


「なるほど!そっか!?」


「そだよな!?そりゃ!一気飲みで~~~~~~!!グッグッグッ・・・ゴック!!瑞希せんぱぁ~~~~い!!俺にもお代わりください!!」


「あ!?円城寺君ズルい!!僕がもらったアドバイス!!」


「ケケケ!!早い者勝ちなんだよ!!」



素早くグラスを空にした円城寺君。



本当に、瑞希お兄ちゃんのこととなると大人げないんだから!



〔★それは凛も同じだ★〕



「はぁ~あ!たく、真田先輩をめぐってなにしてんだか・・・!あたしゃ、頭がガンガンしてきたわ・・・!」


「ウェイウェイウェイ!大好きなリンリンのすべてを受け入れてこそ、リンリンリストでしょー!?頑張るリンリンを撮影~♪」


「俺も俺も~」


「おい、インスタにあげるなよ!凛さんは、ネットにアップされるのを大変嫌っているんだからな!?」


「もちろんわかってるよ~ハゲ君!我が君は、俺のアイフォンの中に閉じ込めて・・・うふふふ!」


「ウェイウェイウェイ!個人で楽しむ系~!」


「きめぇーぞ、オメーら!?凛を変なことに使ってねぇだろうなぁ~!?」


「りんどーのことなんて、ほっとけよカンナ~!」


「瑞希先輩!俺もお代わりっす!」


「お兄ちゃん!僕も僕も!」


「おう、オメーらもか?何にするんだ?」


「「カフェ・スラブ!」」


「じゃあ、2つか。」


「いや、4つです。俺達もお願いします。」


「秀君!?」



そう言って、オーダー数を2倍に訂正したのはのっぽの男。


円城寺君達と同じ爆裂弾のメンバーで、龍星軍の仲間である吾妻秀一君だった。






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