第30話 葉鶴→ダンス15歳。ルイラー→歌16歳。 ひなた→ダンス22歳。東良→ラップ24歳。4人の新練習生

優雅とぐるんは次の日練習室に行くと見知らぬ同い年かそれよりも年上の男の子が4人いた。

マネージャーは早足でドアを開けて入ってくると言った。

『才くんと轟くんに挨拶して!じゃあ、葉鶴くんからね』

そう言ってさっきまで音楽を聴いていたのか、イヤホンを外して挨拶をした。

『葉鶴(はずる)です。15歳です。12歳から14歳までは色んなアイドルのキッズバックダンサーとして活動してました。ダンスが得意です。よろしくお願いします』

合いの手を入れるようにマネージャーは言った。

『じゃあ、次はルイラーの番だよ。ルイラー!』

彼はまるっきり日本人みたいだった。

ただ一つ違うとすればすごくコミニュケーション力が高くて相手との距離が異様に近かったことだ。

『ルイラーです。フィリピンとのハーフです。16歳です。半分日本人だけど、半分は外国の血が流れています。歌がとっても大好きで歌うのが得意です。フィリピンの歌の大会で1位になって、日本に来て日本語の歌をYouTubeにアップしてたら、この事務所に誘われて今に至ります。よろしくお願いします』

間髪入れずに名刺を渡してきた練習生がいた。

そこにはカッコよく映った青年がいた。

彼は僕らを見るなり言った。

『ひなたって言います。22歳です。本業はダンサーなんですけど、それだけじゃ食っていけなくて、バイトでホストしてたんですけど、いつの間にかホストが本業になってしまってそのうちホストでNo.2まで上り詰めちゃって、これはまずいと思ってホストの仕事セーブしてオーディション受けたら受かって、これが最後の挑戦だと思って頑張るのでよろしくお願いします』

そして、マネージャーが最後の子を紹介しようと隅にいた暗い感じの子に声をかけて、無理矢理挨拶させた。

『東良(とうら)です。24歳です。ラッパーやってます。18歳から23歳まではアイドルグループのモンスター6で踊ったり歌ったりしてたけど、基本はラップ書いてました。よろしく』

一通り自己紹介が終わり、僕らは1人ずつ名前と顔を一致させる作業をしていた。

葉鶴→ダンス15歳。ルイラー→歌16歳。

ひなた→ダンス22歳。東良→ラップ24歳。

僕らも挨拶したけれど、挨拶した先の話題がなくてシーンしてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る