第29話 三次審査、ダンス•ボーカル•ラップ審査の幕開け
そして、評価の日がやってきた。
僕ら2人は練習室で待っていると、ゾロゾロと社長そしてマネージャーそしてブルージーニアスの4人が来た。
そして、社長が言った。
『2人とも練習お疲れ様でした。じゃあ、まず才優雅くんよろしくね』
僕はマイクスタンドの前で、マイクを取り言った。
『才優雅です。よろしくお願いします。ふー』
そして音楽が流れた。
『いつも僕らは2人で一緒にいたはずなのに、どうしてあなたは僕を置いて行ってしまうの。なあ、お願いだから僕の方を向いてよ』と力強くそして悲しみを込めて歌った。
歌い終わると真っ先にマネージャーが泣いていた。
社長はマネージャーのその様子を見ながら、才くんに言った。
『悲しみの中に力強さを入れていて、引き込まれるパフォーマンスだったよ。完璧に君の持ち歌みたいだったよ。こないだより成長しているね。次の課題は後で轟ぐるん君の評価が終わった後に発表するから待っていてね。それじゃあ、轟くん良いかな?』
『もちろんです。それではよろしくお願いします。』
そしてヒップホップ調の音楽が流れ出すとぐるん自身が作詞したラップを披露した。
『you know, I can't speak English.あー俺英語出来ません。みんなは俺が爽やかイケメンとかほざくけど、イケメンってカテゴライズに飽き飽き。俺が練習生になった意味?考えるほど出てくるのは、楽しそうだから。でも、実際なってみて苦しいばかりで練習生って何なんだよ。歌が上手い?ダンスが上手?ラップできてえらいか?そんなわけ無いじゃん。全部出来てなきゃブルージーニアス先輩みたいには羽ばたけないんだからさ。俺はもっともっと上手くなりたいよ。だから、もっと俺を褒めてよ』とラップをした。
そして、最後にぐるんくんは言った。
『ありがとうございました』
社長は拍手して言った。
『初めてにしては上出来で上手いよ。ラッパー向いてるんじゃないかな。ラッパーにならない?』
『嫌です。俺はあくまでも俳優志望なんで』
『そうか、残念だな。じゃあ、ラッパーと俳優の二刀流はどうかな?』
『それなら、いいですよ。やります』
『じゃあ、決まりだな。三次審査をやります。これは、私とマネージャー、そしてブルージーニアスと決めたことだ。三次審査はグループバトルをしたいと思います。君たちの他に4人の練習生がいるから後で紹介するね。三次審査は3対3のチーム戦です。ボーカルとラップとダンスを組み込んで練習してもらう。そして、四次審査はまだ未定だけど、五次で最終だから。三次審査からテレビで放送することになってるから、明日公開していなかった練習生4人と対面するからよろしくね。テレビ取材も受けるから粗相の無いようにしてね』
そう言って、社長とマネージャーとブルージーニアス先輩は出て行った。
帰り際にマネージャーが僕らに言った。
『緊張しなくてもいいからね、彼らも緊張してるから。それから、なぜ評価の場に他の4人がいないのかっていうと、彼らは評価するまでに結構大変だったんだ。スカウトの子もいればオーディションの子もいるんだけど、原石を光らせる為には何回も磨かなければいけなかった。やっと紹介できるなんて私はとても嬉しい限りだよ。それじゃあ、また明日』
僕はぐるんと一緒に人がいなくなった練習室で大の字で仰向けになりながら、話した。
『誰なんだろうね。もしかして、ぐるんくんよりイケメンでダンスが出来る子かな?』
『はっ⁈そんなわけあってたまるかよ。リアルに有り得るとしたら、歌が上手いやつかもな。考えても仕方ないけど、俺らがTVに映るのは嬉しいな』
『なんでよ?』
『だって、練習生で有名になったら、もしデビュー出来なくても、その後はあの練習生だって分かるだろ。そしたら、ファンがつく。それって、TVデビューはすごく良いことじゃないかな』
『えっ!やだよ。ぐるんが事務所去る時は僕も一緒だよ。事務所がもし辞めないでって言っても、僕はぐるんと辞めるから』
『お前、面白いなあ。三次審査チーム一緒になれたらいいな』
『そうだね...』
僕らはいつの間にか練習を通して仲良くなっていた。
明日になったら、僕ら以外の誰が練習生なのか気になってばかりだった。
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