第16話 私が本当にしたい事は演技ではなく、アイドルとしての活動。
『あんた、最低だよ』
文字に起こすとずっと最低さが滲み出ている気がする。
国光無二は俳優寄りのアイドルとして活動している。
私が担当する役柄は、DVを受けた主人公の信頼できる友人役の杉野理香役だ。
ドラマに出演するのは、今回で3回目だ。
ブルージーニアスとして活動し始めてから、国光無二という存在がファンやドラマの視聴者にどういう風に見られているか気になってきた。
人気があると嫉妬や比較もされる。
でも私は誰かに優しくされるより、対等に話してくれて、そして私のことを嫌いになってくれている方がずっと楽だ。
出版社から私がアイドルになるまでの話を本にしないかと提案されたが、断った。
なぜなら、本になるぐらい自分を話題にしたくないからだ。
でも、他のメンバーは話題を踏み台にして自分の名前を売り出そうとするだろうな。
それくらい仕事が欲しいし、印税も少しいただきたいんだと思う。
でも、私が欲しいのは富や名声でもない。
個人としての活躍ではなく、チームとしての活動をもっとしたいのだ。
私個人が売れても意味がない。
ブルージーニアスというアイドルグループを知ってもらわなければ、アイドルをしている意味が無いと私は思う。
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