第11話 私たちは仲間でありライバルだ。

ラビットボーイはクリエイターズとしても今まで通り活動して行くことにしたみたいだ。

黒羽さんはほとんどソロで活動していたから、『ぽわるん』というグループから抜けてソロのアーティストになったそうだ。

黒羽花鈴さんはグループの活動のことを前に無二にこう話していた。

『私は『ぽわるん』の1期生だった。でも、マイクを取って前で踊れるのは私より可愛い子たちばかりだった。どんなに可愛くてもファンからの人気は絶対条件だし、この際辞められるなら清々してる。ありがとう、無二ちゃん』

黒羽さんにとってのアイドル像ってなんだったんだろうって無二は感じたのだった。

さて、話は変わりミュージック・ビデオをどこで撮るかが問題になった。

黒羽花鈴の事務所、ラビットボーイの事務所、国光無二の事務所の3社が集まればそれだけ資金も多く集まる。

よりお金をかけて良い作品にするためにどこで撮るかが重要だった。

だが海外には行けないので、日本で撮ることが決まった。そして、砂漠をモチーフにした結果...鳥取砂丘に決まったのだった。

最初の場面は鳥取で撮り、その後はCGを使う。

結局、お金を集めたのに撮る作品の費用は少なくなりそうだ。

3人は思ってしまった。

この歌売れないかもと...

でも、僕らのデビュー日の12月9日は盛大に宣伝した。

私たちのYouTubeチャンネルも出来た。

名前は『ブルージーニアス』だった。

デビュー曲は20万枚売れた。

YouTube登録者数は30万人。

デビュー曲『牙は愛を描く』は300万回を突破した。

ブルージーニアスとして歌番組に呼ばれることになった。

3人で歌いながら踊るのは正直キツかった。

だけどお互いがお互いを信じていたから、乗り越えられた。

歌う前に3人とも挨拶を考えろと言われていたが、めんどくさいし媚びを売る気はなかったので、全部拒否した結果...

アナウンサーさんが『ブルージーニアスさんです』と紹介すると。

ラビットボーイから挨拶した。

『こんばんは。クリエイターズと兼任しているピンク担当のラビットボーイです。よろしくお願いします』

次に国光無二が挨拶した。

『こんばんは。ソロでも活躍している国光無二です。唯一無二の存在でありながら、群れで行動したくない青色担当がこの私です』

最後に黒羽花鈴が丁寧なお辞儀をして話した。

『こんばんは。血は赤よりも濃い、紅色に全てを染めて見せる黒羽花鈴です。最近、アイドルを辞めてソロでも活動しようと思ってます』

そんな3人の近況報告自己紹介を聞いたアナウンサーは何も聞かずにそうですかといい、デビュー曲へと移った。

ブルージーニアスの曲は踊りが複雑でそう簡単に踊れなくて有名だった。

歌番組を観ていた視聴者はブルージーニアスのメンバーの自己紹介に笑ってしまった。

ブルージーニアス面白すぎると話題になっていた。

そして話題になっている間にデビュー曲と共にソロ曲を発売した。

ブルージーニアス『牙は愛を描く』

ラビットボーイ『ぱうぱうモーニング』

国光無二『明日に届く闇』

黒羽花鈴『血は何を注ぐ』

それぞれが作詞作曲して作ったオリジナルだった。

ラビットボーイは可愛く。

国光無二は強く儚く。

黒羽花鈴は生きるとは何かを全ての五感で紡ぐ。

3人はチームであり、ソロアーティストとして活動を始めた。

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