第9話 自分達のカラーで無二は青、花鈴は紅色、ラビットボーイはピンク。

ブルージーニアスは個性の集まりに近かった。

3人はクリエイターズが所属するラッキーモンスターズ事務所の練習室に集まった。

無二が来た時には、黒羽さんもラビットボーイくんももういた。

黒羽さんは私を見るなり言った。

『むにー、私無二のお陰でアイドルとしてより羽ばたけるよ。ありがとう』

そう言ってぎゅっとハグをされて、気味が悪かった。

その様子を見ていたラビットボーイくんが近寄ってきて言った。

『いいな。僕も君とハグしたいな。僕、ラビットボーイよろしくね』

無二は黒羽さんからのハグよりもラビットボーイからハグされたかった。

追いかけていた人がそばにいる。

尊敬して推しだったグループのメンバーがここにいる、それが信じられないほどに無二は嬉しかった。

無二はラビットボーイに言った。

『私はあなたのファンでした。あなたとグループになれて嬉しかったです。これからよろしくお願いします』

『こちらこそ、僕は君のこと知ってたよ。歌もダンスも上手い子って注目してた。これからよろしくね』

そんな挨拶が終わったぐらいの頃に、ラッキーモンスターズの事務所の1番偉い人が来た。

1番偉いかは分からないが、偉そうだったから。

多分偉いと思う。

その人はいろんな色の布を持って現れた。

その後ろにいた人をラビットボーイくんは『田崎さん!』と呼んでいた。

その田崎さんは私たちに向けて言った。

『みなさん、こんにちは。ラッキーモンスターズでクリエイターズのマネージャーをしています。田崎と言います。そして、こちらは副社長の浅野さんです。みなさんには、自分のカラーを決めてもらいます。ただ、ラビットくんはもう決まっているよね』

『はい!僕のカラーはピンクです』

『そうだよね。他の2人は何色が良いかな。自分の中でこれにしたいとかある?黒羽さんはどうかな、何色が良いとかある?』

『私はアイドルグループでは黒色でした。でも、本当は赤がいいです』

『うん、良いかもね。紅色に近い赤、君にピッタリだね。じゃあ、国光さんは何色がいい?』

『私は、何色でもいい。染まれる色があれば自分をより良く魅せられるから』

『じゃあ、黒羽さんとラビットくんに決めてもらおうかな。何色が彼女に似合うと思う。せえので言ってみて。せえーの!』

2人は考えた上で言った。

『『青色』』

無二は即答で言った。

『なんで、青色?』

するとラビットボーイは笑って言った。

『だって僕らの中でいつまでも未完成な歌もダンスも才能に満足せずに求め続けているから。未完成って言うのは良い意味でだよ。それも僕らにとったら、完成なのに君にとっては未完成な感じだよ。君とまだ歌も歌ったこと無いのに、君といると何かを感じるんだ。多分これがオーラなんだと思う。黒羽さんはどう思う?』

黒羽花鈴さんは少し言葉に詰まりながらも言った。

『私は...うん。凄いの一択かな。無二と友達になってから、無二は他の子とは違うって気づいた。でも、ひとつだけ思うのは無二はなんで今までアイドルにならなかったのかって思うくらい。確かに無二はソロ向きだけど、グループで活動しても良いくらい無二は凄いよ。私には、無二より上手くはやっていけないから、本当尊敬しちゃう』

無二は少し照れていた。

そんな姿を見ていた浅野副社長が手を叩き言った。

『シンプルに良いグループになりそうだな。私も応援したくなるよ。無二は青、花鈴は紅色、ラビットボーイはピンク。実に素敵だ。デビューは盛大にやらしてもらうよ。それぞれ活動があるかもしれないが、それを一度中断もしくは休止してもらっても構わないから。ただ、同時並行したいなら何も言わないよ。でも、ブルージーニアスの活動期間は一応決まっていない。ただ目指しているのは伝説のグループになることだ。活動期間を決めるのは私たちではなく、君たちに託す事にした。活動期間を無期限にしてもいいし、売れてから活動期間を決めてもいい、好きにしなさい。ただ、私たち事務所は君たちを全力で売れさせる覚悟と気合いは出来ている。だから、君たちも全力で頑張ってくれ』

すると、ラビットボーイは副社長の見て言った。

『僕にはクリエイターズっていうチームの中でドームのコンサートも何もかも突っ走って来ました。それでも、違うチームのこのブルージーニアスに入ったのは自分の才能を認めてくれた人がいたからだと信じています。でも、ブルージーニアスとして何年活動するかを本人たちで決めろは残酷すぎるんじゃないですか?僕には何年なんて決められません。だって愛着を持ったら、離れられないからです』

黒羽花鈴さんもうんうん。と頷いていた。

だが、国光無二はやはり一味違かった。

無二は口を開き言った。

『他の2人がグループに同情心を抱いているので代わりに私がこのブルージーニアスの活動期間(仮)を決めます。ざっと見積もって7年ですね。7年で伝説に名を残すくらい売れるか朽ち果てるかどちらかですね。まずは7年活動してみてその後は7年目に決めましょう。それでどうですか』

2人はこくん。と頷いた。

その様子に浅野副社長は『活動期間は7年でその後の事は7年目に決める』っとメモに残して副社長は無二に言った。

『無二さん、この先理不尽な事が起こった時に、無二さんならどうする?』

『私だったら、理不尽なやつを徹底的に自分の音楽で復讐する。それがダメなら、共演NGにする』

『そうかい、やはり自由で素敵な人だ。ラビットボーイくんの言っていることも分かるが、決めることは大事な事だ。ブルージーニアスの舵を取るのは1人ではなく3人だということを忘れないでいてほしい』

無二、花鈴、ラビットボーイはその言葉を聞き伝説になるグループになれるよう頑張ろうと3人は誓った。

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