第7話 オタク目線でラビットボーイに会いたい

黒羽花鈴と別れた後に、携帯を確認した。

国光無二、こう見えてオタクである。

メールにはコンサートに行けない文字が並んでいた。

国光無二には推しがいた。

歌手になったのは、その推しに会えるかなと少しの希望を賭けていた。

国光無二が推していたのはクリエイターズのラビットボーイだった。

ラビットボーイはピンク色の髪をしていて、肌が白い、そして歌が凄く上手い子だった。

年齢は私と変わらない19歳だった。

ラビットボーイは必ずお客さんにコンサートの始まりに言う言葉があった。

それが何かというと。

『みんな、僕らの声で溺れる準備は出来ているかい。これから、僕らがみんなを声で惑わすよ』

それが、国光無二は生で聞きたかった。

クリエイターズのコンサートは30倍だから当たるなんてことは、ほとんどないから余計に悔しくなる。

でも、クリエイターズと仲良くなったとしても、絶対に関係者席で見たいとは思えない。

だって、ファンはやっぱり自分の手でコンサートを当てたいからね。

あゝ、ラビットボーイさんに会いたいな。

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