第6話 捕まる
三人はすぐにスマートリアリティ社に向かうことに決めた。元から向かう予定であったが、元会長の三葉が元凶であることが明白になり、俄然赴く必要が増したからだ。
倉庫から出ようとする明智たちの肩を宮水が叩く。
「ぼくはミヤッチに服や帽子を買ってからいくよ。流石にこんなにメカニックなロボットが街をうろついていたら、不審に思う人もいるでしょ」
「ミヤッチ?」
「今名前を考えたんだ。呼びにくいでしょ」
「ああ… というか俺らも付いてくよ」
「いや、さっき言ったように、勅使河原先生を助けることにも繋がるから早く手掛かりを見つけたほうが良い。だから、名探偵とロボット博士には先に行って調査して貰いたいんだ。僕もすぐ向かうから」
おだてられて満更でもない二人は、宮水より先にスマートリアリティ社に向かうことにした。
とはいったものの、大企業のスマートリアリティ社にはもちろん厳重な警備が敷いてあり、忍び込むのは容易ではない。
二人で話し合った結果、どうしても社会見学をしたい学生を演じて無理やり入り込むという、杜撰な方法をとることにした。
会社入り口にいる警備員に和戸が話しかける。
「御社の製品にとても感銘を受けまして、とくにディティールのつくりが〜」
和戸は捲し立てるように、熱意を伝え始めた。
(コイツ、本当に入りたいだけなんじゃ…)と明智は呆れた。
しかし、警備員はにべもなく、無理やり入ろうとする二人を怒鳴って追い払った。当然の結果である。
しかたなく、一時撤退して、人気のない路地裏で作戦を練り直す話し合いを行うことにする。
だが、路地裏に入った瞬間に二人は首元に何かかが突き刺さったのを感じ、そして猛烈な眠気に襲われて倒れ込んでしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます