第6話 捕まる

 三人はすぐにスマートリアリティ社に向かうことに決めた。元から向かう予定であったが、元会長の三葉が元凶であることが明白になり、俄然赴く必要が増したからだ。


 倉庫から出ようとする明智たちの肩を宮水が叩く。


「ぼくはミヤッチに服や帽子を買ってからいくよ。流石にこんなにメカニックなロボットが街をうろついていたら、不審に思う人もいるでしょ」

「ミヤッチ?」

「今名前を考えたんだ。呼びにくいでしょ」

「ああ… というか俺らも付いてくよ」

「いや、さっき言ったように、勅使河原先生を助けることにも繋がるから早く手掛かりを見つけたほうが良い。だから、名探偵とロボット博士には先に行って調査して貰いたいんだ。僕もすぐ向かうから」


 おだてられて満更でもない二人は、宮水より先にスマートリアリティ社に向かうことにした。


 とはいったものの、大企業のスマートリアリティ社にはもちろん厳重な警備が敷いてあり、忍び込むのは容易ではない。


 二人で話し合った結果、どうしても社会見学をしたい学生を演じて無理やり入り込むという、杜撰な方法をとることにした。


 会社入り口にいる警備員に和戸が話しかける。


「御社の製品にとても感銘を受けまして、とくにディティールのつくりが〜」

和戸は捲し立てるように、熱意を伝え始めた。


 (コイツ、本当に入りたいだけなんじゃ…)と明智は呆れた。


 しかし、警備員はにべもなく、無理やり入ろうとする二人を怒鳴って追い払った。当然の結果である。


 しかたなく、一時撤退して、人気のない路地裏で作戦を練り直す話し合いを行うことにする。


 だが、路地裏に入った瞬間に二人は首元に何かかが突き刺さったのを感じ、そして猛烈な眠気に襲われて倒れ込んでしまった。

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