【十二】ライトノベルを読み始めた理由

 おはようございます。お久しぶりです、沙崎あやしです。皆様お元気でしたでしょうか? 私は微妙に元気では無い生活を送っております。いや病気ではありません。なんか怠い。怠さと眠気が強く、なかなか作業が捗りません。運動不足なんでしょうか? それとも(逆に)寝過ぎ? どちらにせよちょっと困ってます。いやーゼルダで遊んでいる時は元気いっぱいなんですけどねえ……(遠い目。





 ライトノベルというジャンルが勃興したのは、三〜四十年前辺りかと思います。西暦で言えば八〜九十年代ですね。ソノラマ文庫やロードス島戦記を筆頭とするファンタジー系小説。その手前であるなら、アニメをノベライズした作品が多く出版されていたと記憶してます。この辺りが、気がつけば「ライトノベル」というジャンルになった訳ですね。

 ご存じの通りライトノベルは人気を博し、一時代を築いた訳ですが、どうして人気が出たのか? あくまで個人的な所感ではありますが、当時私がライトノベルを読んでいた理由をつらつらと思い出してみると、以下のような感じになります。





 1.エンタメ要素が強い。

 この辺りは純文学等との比較になりますね。青少年時代となれば、刺激的な娯楽に飢えている世代です。特に当時はスマホやネットなんてありませんからね。テレビ、ラジオ、小説、漫画が娯楽の主役でありました。小説でいえば、時代劇小説や純文学なんかがありましたが、青少年の娯楽としては回りくどい。そこへズバッと娯楽性重視の小説が「分かりやすい形で」出てきた。そこがウケたのだと感じております。




 2.表紙絵、挿絵が綺麗だった。

 これはライトノベルの特徴の一つでありますが、特に当時の他者と比較して「綺麗だった」というのは一つ、大きい部分かと思っています。イラスト系の娯楽でいえば漫画とアニメがありますが、当時で比較した場合、ライトノベルの表紙絵・挿絵はクオリティの面で高かった。まあ漫画であれば十数ページ描かないといけない部分を、ライトノベルの挿絵であれば数枚で済むわけですから。しかもカラーイラストというのは、中々目にする機会が無い。これは当時のイラスト作成がアナログ・人力であったことが大きく作用していると思います。


 つまり当時、綺麗なイラストを見たかったらライトノベルを見るのが一番だった訳ですね。もちろん当時の漫画やアニメで高クオリティのものはありましたが、先のアナログ・人力による制限もあり、そう数が多くなかった。青少年の消費速度というのはそれはもう速いものですから、質もそうですが量も無いと行けない。そういう意味では、ライトノベルの挿絵というのはバランスが取れていたんだと思います。


 なお現代においては、その辺りの事情は大きく変わりました。デジタル化、執筆環境の高解像度化、ネットの普及、PCゲーム・スマホゲームの発達もあり、イラストを楽しむという点においてライトノベルが持っていた優位性というのはほぼ無いといっていいでしょう。この辺りの優位性は、今は漫画やゲームが有しているのではないでしょうか。




 3.安く、速かった。

 これは物語の量に対するコストのお話しです。例えば映画一本分の物語を楽しむ場合、小説(ライトノベル)であればざっくり一冊分でありましょう。漫画だと二〜三冊ぐらいでしょうか。漫画はイラストであり、そのメリットもありますが、物語の進捗が遅いというのが不満でもありました。青春は短いのです。





 4.他の媒体では無い(珍しい)ジャンルの作品が読めたから

 これはファンタジーやSFなんかですね。漫画やアニメでもありましたが、どうしても一般化されて物足りない部分があったんですね。そういう意味では、純ファンタジー世界観から始まったバスタードは物珍しく「ついにジャンプでもファンタジー作品が!」と感動したものです。逆に言えば「濃い作品」というのは、ライトノベルとかマイナー雑誌でしか読めなかったのです。





 ……まあこんなところでしょうか。

 ラノベ衰退論が盛んに論じられる昨今、じゃあなぜ当時私はラノベを読んでいたのか? というう点を思い出してみました。個人的には、ここ二十年間のイラスト技術の大躍進は大きい点だと思うのですが、あと思うところとしては「ラインナップにドラマが感じられない」という点でしょうか。


 他ジャンルになりますが、デジタル機器において、Appleと他社を比べてみると、何となく分かっていただけるのではないかーと思います。マーケティングの勝負は、商品を購入する前から始まっていて、勝敗は戦う前についているとするなせらば、製品ラインナップの見せ方で既に勝敗は決しているのかも知れません。


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