【六】異世界転生とはヤレヤレだぜ

 おはようございます、沙崎あやしです。

いつも応援ありがとうございます。拙作「青い光のエルツ」完結に向けて更新中です。どうぞ宜しくお願いいたします(諦めない宣伝。



 さて。

私事ではありますが、私が「物書き」を始めたのは学生の頃でございます。最初、小説を書くつもりではありませんでした。ゲームのシナリオ作り、それが原点です。


 当時「火吹山の魔法使い」というゲームブックなるものが教室内で大流行しました。ゲームブックはパタグラフ(数字)が刻まれた文章を読み進めていくゲームの一種です。今でいうと、アナログ版のノベルゲームといった方が分かりやすいでしょうか。


 初代ドラゴンクエストの発売二年前です。ファンタジーやRPGというものがまだそれほど馴染みの無かった、マニアたちの物だった時代です。これが、少なくとも私の所属していた教室内で爆発的にヒットしたのです。ちなみに流行らせたのは教師です。今でもそういうことあるんですかね?(笑)


 まったく関係ありませんが、かの伝説的なOVAメガゾーン23を初めて見たのは、技術準備室。これまた教師が持ち込んだものでした。大らかな時代でしたね。





 流行ったはいいが、少年少女たちの消費スピードとは速いものです。あっという間に遊び尽くし、続編を求めますが中々でない。いや結構な速度で続刊は刊行されていたと思うのですが、我々の消費スピードはそれを遙かに凌駕していた。


 飢えた若者たちが何をし始めたかといえば、自作を始めたのです。自分たちでゲームブックを作って遊び始めた。無論そんな大したものではありません。素人ですからね。でも作ることを含めて遊びとして消費し始めたワケです。


 これが私の「物書き」としての原点となります。自己評価するに、自分の作風は世界観・設定偏重の方向性があると自覚しているのですが、恐らくこの時の経験が元になっているからでしょう。

 本格的?な小説を書き始めるのは、もう少し後になります。



 ちなみに私の夢は、第一は「(非課税相当で)5000兆円欲しい」で、第二は「商業出版された自作が書店に並ぶ光景を見たい」です。なに、所詮夢ですから。夢見るだけならタダです。そうですね、出切ればアニメ化、いやいや劇場化してもらったら毎日見に行っちゃうんですかね! まったく想像できませんが。






 「火吹山の魔法使い」ですが、タイタンというファンタジー世界観に含まれる作品です。なんと申しますか、今でいえば非常にダークでハードなファンタジー世界です。イメージ的に近いのは当然「指輪物語」になるのですが、アレから綺麗な要素を全て排除した(※褒め言葉)といえば分かりやすいでしょうか。あまり一般的に受ける感じでは無いですね。


 小説界隈での話であれば、やはり一般的にファンタジーを普及させたのは「ロードス島戦記」になるでしょう。あの世界観が、日本におけるファンタジーの一つの規格として普及したといえるでしょう。


 次の転機は「スレイヤーズ」でしょうか。「ロードス島戦記」の一般的なファンタジーに、必殺技などの少年漫画的な要素を規格化して取り込んだものといえるかと思います。竜破斬と書いてドラグスレイブと読みます。ここテストに出ますよ?(出ません。


 その次としては、私は「SAO」を上げてみたいと思います。同作はVRを題材とした作品ですが、そのVRゲーム内でスキルを採用しました。ソードスキルとかですね。この辺りはMMORPGのゲームシステムが元になっておりますが、そのスキルとその取得方法が、この後に続く異世界転生モノを支える規格の一つと大きな役割を果てしているかと思います。


 MMORPGにおけるスキルとは、「採集」とか「製造」とか「爆炎魔法」とか、それを取得していると使用可能な技術を明文化したものといえると思います。どのスキルを取得しているか、又はそのレベルがどの程度かで操作キャラクタを表現するワケです。


 こういったシステムは昔から存在していました。ただここに、「能力バトル」の概念が導入されて、化けます。


「能力バトル」とはアレです。




おらおらおらおらおらおらおらおらおらッ!


無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!




 そうです。「ジョジョの奇妙な冒険第三部」で登場した画期的概念、スタンド同士の戦いのことです。スタンドだけで充分画期的なのですが、スタンド同士の戦いは「一定のスキルを持った者同士がその制約の中で工夫して勝敗を決める」という、少年漫画におけるバトルシーンに革命をもたらしました。


 登場当初こそ戸惑いを持つ読者も多かったですが、今ではもはや「能力バトル=スタンダード」と言えるぐらい普及しています。スキルを明示し、その制約無いでの戦いの妙を見せる。これも一つの規格化だと思います。


 異世界転生ものにおける「チートスキル」の獲得とその活用におけるドラマの展開は、この流れの中にあるものじゃないかなと思うのです。


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