第2話馬券場の置き引き犯✰過失致死犯
昨今、歓楽街で置き引き犯が多発しており、県警でも、これがたむろしている不良らだったら10課にお呼びは掛からないのだが、傷害に発展する事も考え、即効の対策強化の為、10課にも要請が来た。先に課長が県警に赴き協力し、何故か優秀なスリ常習犯が、技能の衰え、加齢の為、置き引き犯に鞍替えしたと、ポイントが絞られ、犯人の捜査が行われる運びとなった。
僕は、馬場刑事と担当を共にする事になったが、犯人が競馬好きだと聴くと、馬場刑事は持ち場を離れ、勝手に競馬場へと向かった。僕は、慌てて後を追ったが、
案の上他の刑事も居て、
運よくその場で、先にホシを見付け、逮捕したので、事無きを得た。
もちろんその後は、僕任せだった。
別の日、金貸しのヤクザが借金者を逆に殺害し、たぶん正当防衛だとおもうが、逃亡した。立ち寄り先の張り込みに、僕は泪刑事と行くように言い渡された。最初、羽振りがよいので、囲って居る28才の派手な女のマンションへ赴いた。若い女だけ合って、ケンモホロロだった。すると泪刑事は「ダメだな」と一言呟いた。僕は(気が強いからダメなのかな)とおもった。
すると、それをきいていた馬場刑事は、泪はそんなつもりでいったんじゃない、といった。
張り込み先が替わって、容疑者と一番付き合いの長い、30才半ば過ぎの、スナック勤めのような女のところになった。女に尋ねると、別れてどれ位立つとおもってるんだと、迷惑だと逆ギレされた。古女房は情が厚いというが、どうかと、僕がおもっていると、泪刑事は「難しいな」といった。(これは若くはないが、おもいの外、気が強いので、難しいといったのか)と合点がいった。
それをきいていた馬場刑事は、僕に感性が鈍いな、といった。
張り込みは、数日続き、ある日、僕は腹を壊してしまい、泪刑事に断わって持ち場を離れた。すると間もなく容疑者逮捕の一報が入った。僕は喜んで、泪刑事の元に駆け付けたが、泪刑事は、張り込み先の女性の、セーターとスカートを、捲し上げているところだった。
容疑者はやはり古女房のところに立ち寄り、連絡を取ろうとしたが、連絡が取れず、外をウロウロしているところを確保されたらしい。
馬場刑事はそれをきくと、泪刑事にとって、ダメは若過ぎて,タイプじゃない。難しいはおとすのに時間が掛かる、ということだと、説明された。
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