あの夜をもう一度

プロローグ

僕らは誓った。―――クリスマスの夜、灯りで輝くツリーの下で。












『またいつか会おうね』













こんな約束、ただの子供同士のやり取りにしか過ぎない。

それでも、この時だけは信じていた。

この約束は絶対に実現するはずだと。



そう、信じている、、はず、だった。

しかし、小さな頃の儚い願いはむなしく、信じる心はあっけなく消え去ってしまった。

この約束が実現するはずがない。


だから、僕は……忘れたことにしようと思う。

だから、私は……信じないでおこうと思う。


忘れた事にした僕と信じない私はその時が来るまで忘れている/信じていない。

そして、その時が来ることも確かでない。

0.0000……001%の確率で起こる奇跡と99.9999……999%の確率で起こらない奇跡。

貴方ならどちらを信じる?

僕と私の無意識下で行われることがこの奇跡をも変えてしまう重要な鍵となる事をまだ僕たちは知らなかった。

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