第30話 対峙

「では、作戦通りJ-3とJ-4で先行して敵を炙り出してくれ。J-2敵を見つけ次第攻撃を許可する」


「了解」「わかった」「了解した」


先行する2機は早々に敵と遭遇した。


「見つけたぜ、日本の機体!」


『ローマ皇国』の『イシュタル』が2機を襲う。


「アロルド!例のヤツ」


「了解!姉御!!」


後方の『イシュタル』が上空に弾を打ち上げるその弾は瞬時に炸裂した。


「拡散弾!?」


「回避よ、J-4」


「あぁ……ってこれは回避無理だろ」


炸裂した弾は『クリエイト』の会場全域に広がった。


(これは………そうか狙いは)


「J-2。狙撃をやめろ」


「いいのか?」


「これは回避不可能だ。それに『イシュタル』にたいした影響は無い」


「………これは【コンタクト弾】」


「敵味方問わず通信が丸聞こえになった訳だ」


「ローマめ余計なことを」


「いや、僕の『イシュタル』の特性上は好都合だよ」


「なんだと!?」


「J-2………」


(接触回線を使うだと?……………!?)


「普段競い合うライバルに手の内見せるのは嫌なんだけどね」


「いいのか?あの2人は」


「まあ国の礎になれるなら彼等も本望じゃない?」


「まぁいいその案乗った。」


「じゃあそういうことでよろしく〜」



「その機体。やっぱり新か!」


「エルサ·ベッキア………」


「おいおい新つれないな〜一夜をあかした仲じゃないか?」


「なっ」「!?」


「エル姐って呼んでもいいんだぞ新。」


「誰が呼ぶか!アバズレ」


「………あら、聞きづてならないね。悪い子には御仕置だよ。お前達もう1機は抑えておけ、こいつは私の獲物だ」


「了解だぜ姉御!さぁ嬢ちゃんは俺達と遊ぼうぜ」


「邪魔だ。どけ!」


「そんな近接特化の装備で俺達を殺れると思うなよ」


分断される2機。


(流石エースと言われるだけ荒々しいけど強い)


(隠し短刀か、見たところ武装無いし舐めてるのかと思ったが、近接特化で殴って殺しにくるのか………面白れ〜)


「やるじゃないか新」


「あんたもな」


「昨日はあんなに甘えてきたのに、可愛くないヤツ」


「なっ!?誰が甘えるか」


「お姉ちゃん〜だなんて」


「ぜってーない」


「あんなにベロベロでホントにそう言い切れるのか?」


「それは………」


「覚えてないんだろ、昨夜のことはほとんど!」


「クッ」


「大丈夫だよ新。昨夜なにがあったか、あんなことやこんなことまでじっくり教えてあげるからさ」


「!!デマカセを………」


(馬鹿。相手のペースに乗せられてるんじゃないわよ)


「嬢ちゃんそんな単調な攻撃じゃ、俺達は殺れないぜ」


「それともなんだ、お前の男が姐さんと一夜過ごした事に我慢ならないか?」


「!?勝手に決めつけるな!」


「おー怖。ストレスはお肌によくないぜ。お嬢さん」


(落ち着け、これは奴らの罠だ。そんなことで乱されるな)


「それよりもあっちばかり気にして大丈夫かよ、この状況お嬢さんも相当ヤバいと思うけど」


「あんたたちなんて瞬殺よ」


「まだ、傷1つついてないけどな〜ハハハァ」


「…………」


「まぁ先に逝って大事な彼のこと待ってろや!姐さんがすぐにそっちに送ってくれるからよ」


3機の『イシュタル』が一斉に襲いかかる。


ズキューン


一発の弾丸がその内の1機の頭部を破壊する。


「グォ〜イテー頭が………頭が」


「なんだ!?なにが起きた」


陣形を保ちながら接近してくる4機の『イシュタル』


「大丈夫ですか?真緒さん」


「アーサーさん」


『ローマ皇国』の2機の前に『ブリタニア王国』が立ちはだかった。




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