第17話 己の未熟

「あいつら、軍人だったのか」


あまりの衝撃に指定された待機場所でも動揺が隠せない3人。


「『クリエイト』に参加する人達は皆『カウサ』だと思っていました」


「正直私も驚いている」


「『クリエイト』参加経験豊富な山内すら知らないことなのか」


「他国の人間と交流するのは先程のが始めてよ」


「でも、僕忘れてました。」


「忘れてた?」


「僕達、幕僚長とかゲンさんとか良い人達に巡り合って。新さんや山内さんや野崎さんといった人達と親しくなって『カルケル』の中に充実感というか居場所を見つけた気がしてました。でも僕達って『カウサ』………『犯罪者』なんですよね」


「…………。」


「だからどうした?」


「新さん………」


「俺達だって、自分の過ちを受け入れ。その償いをしている。その償いの方法として、国に命を差し出す『クリエイト』に参加している。向こうの価値観で俺達の行動を否定される筋合いは無い」


忘れ去ろうとした現実は新の前向きな言葉でも彼等が抱いた罪悪感を払拭するには力不足であった。


そんな重い空気の中、新は腹を決め自らの過ちを口にした。


「俺は人を殺した」


かつて一度聞いた言葉であったがコンは自ら再びそれを語る新に驚く。


「貴方人を殺したの?」


「そうだ」


「なんで?」


「助けたい人がいた。助けるのに必死になった結果助けたい相手の親しい人を殺していた」


淡々と過去を語る新に息を飲む2人


「…………貴方はその事を後悔してる?」


「後悔はしてる。でも多分2人の思っている後悔とは少し違う」


「というと?」


「俺はその相手を殺したことに後悔はしてない。むしろ[殺すことでしか助けたい人を守れなかった己の非力さ]に後悔している」


「理解できないわね。その自己暫定はなに?罪を受け入れるどころかなんで正当化しようとしてるのよ」


「それは………そうなんだよな」


「なにそれ。結局は貴方も自分第一の他の連中と変わらないのね。」


「山内さん待って、新さんもっと詳しく………」


「失望したわ」


「!?」「…………だよな」


「この『クリエイト』終わったら、金輪際話しかけ無いで」


「そうだよな」


仲間を気を紛らわせるつもりで話した己の罪は、より自分達の首を苦しめた。





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