第13話 成果

「こちらイースト5。敵機2機ポイント8で補足」


「了解だ。やはりあの場から動いていないのか」


「ということは」


「イースト5の仮説は正しい可能性があるな。司令部へウラン濃度に変化は」


「こちら司令部。減少傾向にありますが、以前危険値を計測しています。」


「了解。イースト4どうだ?行けるか」


「『ニュートロン·アクセラレータ』一時機能停止処置完了。いつでも行けます」


「よし。では行くぞ」




「来ませんね。奴ら」


「油断するな」


「攻撃部隊がやられたのが痛かったですね。チャンスで追撃出来ていれば」


「うむ」


「隊長どうします?どうせならウラン粒子散布しまくって自爆を狙いますか?」


「貴様が動けなくなるであろうが」


「別にいいですよ、誰か1人最後に立ってればいいんですから」


「貴様のような若い者をこんなことで死なせる訳にはいかんだろう」


「勿体ないお言葉どうも………!!レーダーに反応」


「腹を括ったか日本人達」


シールドを持った『高麗公国』の『イシュタル』へ砲撃が飛ぶ


「ふんこの強化シールドにそんな豆鉄砲が通じるとでも………!」


『イシュタル』が1機突撃をしてくる。


「隊長!1機近づいて来ました。使いましょう」


「よし『イプチャ·バーム』起動………」


「なっなんだ!隊長1機体そっちに行った」


「なに!?」


上空から剣を携えた『イシュタル』が降って来る


「馬鹿な飛んできたのか!?」




「イースト1、両腕破損。」


「頼んだぞ!イースト4」


「何をこの『イプチャ·バーム』を起動すれば」


背面のタービンが起動する。


「…………なに!?機能停止しないだと?」


(動きが鈍い。まさかコイツも『ニュートロン·アクセラレータ』の機能を止めたのか)


「くそ出力20%ってこんなに鈍いのかよ」


(しかも動き方次第では稼働時間が3分行く前に止まってしまうんだろ)


初撃を交わされたイースト4の『イシュタル』、振り回す剣はギリギリのところで空を切る。


交わされたところへ『高麗公国』の『イシュタル』の銃口がイースト4の『イシュタル』へ向けられる


「しまっ………」


ギューン


「なに!ここで電源切れだと」


「当たれー」


ギューン


刃はコックピットを………貫いた。


「よし」


「隊長ー」


最後の1機が電源の落ちた『イシュタル』に迫る


「ぐぁ、足が」


イースト5の狙撃が左足に直撃。倒れる『高麗公国』の『イシュタル』ゆっくり近づくイースト2の『イシュタル』




『竹島クリエイト』終了。勝者日本国


AIの音声が戦場に響く。


「皆お疲れ様。よくやってくれたわ」


「これもイースト3の尊い犠牲があったからです」


「…………。」


「幕僚長の労いの言葉は素直に受け止めんか!」


「大島三佐。いいの私の配慮が足りなかったわ申し訳ない」


「!?すみません幕僚長」


「今救助隊を送っています。貴方達はゆっくり休んで」


数時間後。改めて司令部で労いを受け『カルケル』に戻った3人。


「野崎さん。解散後早かったですね」


「戦友の死が堪えているんだろう。お前は大丈夫なのか?山内」


「彼女とはそんなに接点無いし『クリエイト』やってればよくあることよ」


「切り替え早いな」


「なにか?」


「いや別に」


「あんたも危なかったわね」


「ギリギリコックピットに刺さったからな、ありがとう山内。お前の剣のおかげだ」


「そう。あまり運だよりの戦術は考えたり志願しないことを薦めるわじゃあね」


「ったく感謝の気持ちくらい素直に受けろっての………コン?」


「…………」


「コン!」


「はっはい!」


「どうした?」


「……生き残れたんだって実感がなくて」


「生き残ったんだよ俺もお前も、それにお互いなかなかの活躍だったんじゃないか?」


「新さんに比べたら僕なんて全然ですよ」


「そんなことはないぜ、コンの分析力のお陰で相手に攻められる前に反撃出来たんだ。初めてでは上出来だろ」


「そうですかね…………」


「コン?」


「でも緑川さんが」


「知り合ってまだ間もない相手にも涙を流せるのか………やっぱお前はいいヤツだよコン」


コンが泣き止むまで、新はずっと側にいることにした。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る