023 転生者、美少女地獄にハマる


 魔の森の拠点、その寝室で俺が目覚めたら尻が目の前にあった。股間からはぐちゅぐちゅと粘ついた音。

「ああ、なんだ。天国か」

 俺の実家よりも余程高位の、伯爵家の令嬢の尻が目の前でふるふると揺れていた。最高である。

 ガラス窓からは、朝の爽やかな光が入ってくる。そんな中、俺は巨大ベッドの上で、貴族令嬢たちが作り出した女体の海に朝から埋まっていた。

 発端はシエラを学園に行かせてからすぐのことだ。

 シエラから提案があった。

 貴族学園を卒業後に自分の父親ぐらいの年齢の変態貴族相手の側室や妾としての婚約が決まっていて、結婚したあとは殴られながら強姦されたり、息子やペットの性欲処理の相手をしたり、部下の兵士の慰安のために身体を差し出すなどで、自殺するぐらいしかこの世に救いがないみたいな令嬢たちの婚約を破棄するために金を出してくれという提案だ。

 だから、倉庫のミスリル貨をいくらでも持っていっていいと言ってやったのだ。

 俺自身はシエラがそんなことをしている間に、拠点として購入した王都屋敷の整備をして、あとはメイドたちに一旦王都の外から入ってもらって王都への入都申請をさせたりしていた。

 転移魔法でいくらでも出入りできるのに、わざわざ王都の入都記録を作るのは、拠点から直接転移で出入りするとどこから入り込んだかわからないメイドが王都内に多数存在することになって、何かがあったときに尋問されたら厄介だったからだ。

 そのあとは屋敷の照明やスマホのためにLED魔道具を作ろうと四苦八苦した――いい感じの光魔法を付与したゴーレムでならいくらでも簡単に作れるが、魔道具化だとまずどうやって作るのかを考えるところから始めなければならない――り、固有スキル『料理』スキル持ちのメイドのエミリーが、魔の森で手に入るステータスが上がる食材で、腹いっぱい食べると1レベル分ステータスが上がる料理のレシピを作り出すのを手伝ったり、あとはそろそろ奴隷に手を出していいか婆さんに聞けば「まだだよ! 奴隷上がりに文字教えて礼儀作法教えて、旦那様あんたに手を出されるありがたみを実感させてからじゃないと、お嬢様や妾の連中が軽く扱われるようになるからね!」と注意されて渋々我慢して、シエラとレイラばかりを相手にするから彼女を妊娠させてしまっていた。

 シエラが全ての婚約破棄を纏めたのはそのあたりの頃で、そして先日シエラとレイラがきゃいきゃいと嬉しげにはしゃぐ令嬢たちを連れて、王都から魔の森の拠点に戻ってきた。

 それは美女美少女が揃った、なんとも素晴らしい眺めだった。自尊心がくすぐられる。しかも彼女たちは実家から、手を出しても問題ない美人メイドも連れてきていた。最高が更新される。

 聞けば、ミスリル貨で令嬢たちの婚約を破棄させて、ついでにそういう相手に嫁がせるしかできなかった令嬢たちの実家にも金を握らせて、縁を切らせてきたとのことである。

 加えて令嬢たちはシエラと同じように魔の森や王都の拠点から学園に通わせて、ちゃんと卒業させて学歴を得させて、シエラが作る商会で働いてもらうとのことだった。

 もちろん俺に彼女たちの将来をどうこうする考えはなかったので快諾した。

 そうして館に招き入れ、俺が手を出してもいい娘たちだとシエラがいうので、ハーレム内の修羅場防止のための淫紋を刻んでから貴族令嬢二十四名+そのメイド二十四名、合計四十八人の美少女との連日連夜の淫猥なるパーティーを開催した。


 ――最高だった。シエラに感謝を。


 それから数日経過したのが今日だ。

 セーレという青い髪の元伯爵令嬢が俺の上で淫猥に俺を楽しませている中、俺は「あー。君ら学園は?」と聞けば「今日は学園は休みでーす」と隣からまた別の令嬢が声を掛けてくる。

「なのでレオンハルト様と今日は一日中遊びまーす」

 きゃっきゃと少女たちが楽しげに言いながら俺の腕やら足を舐め回してくる。

 気持ちよくなってきたので、俺も性魔法の『強制絶頂』を連発して、令嬢たちをイカせまくりながらハッスルした。


                ◇◆◇◆◇


 令嬢たちが率先して俺と楽しげなことをしてくれるのは、気持ち良いだけじゃなくレベルが上がるからでもある。

 セックス中は快楽バフか何かを俺に付与している設定になっているせいか、俺が魔の森に展開しているゴーレムから得ている経験値が令嬢たちにも流れ込むのだ。

 そういうわけですぐに令嬢たちはレベル100になったのでレベルを50捧げさせて健康や幸運を付与させた。

 そして、令嬢たちはセックスばっかりやっていたわけではなかった。

 その発端は俺とセックスして固有スキルに『建築学』や『審美眼』『造形魔術』などのスキルが発生した令嬢たちが館のあちこちにケチを付け出したことから始まった。

「館がダサイです。レオンハルト様」

「壁も、もうちょっと綺麗な白さとか出せません?」

「旦那様が作る魔道具って、なんか偏ってますよね。明かりに拘ってないで先に上下水道の整備しましょうよ」

 なんて言ってくる始末である。

「じゃあ、拠点の整備計画書出せよ。それに沿って拠点を改築するゴーレム作るから」

 言えば、わかりましたー! と令嬢たちは楽しげに作業を始めていく。

 言われて考えてみれば、人数が一気に増えたために拠点もちょっと手狭かもしれなかった。拡張するか?

 四十八人の令嬢に加え、王都に訪れたことで奴隷もたくさん購入していた。

 なお、この拠点に男は俺以外存在しない、美女と美少女が百人以上の楽園だ。

 ただ、購入時に一回しか会っていない美少女獣人奴隷なんかもいるはずで、その辺りも考えなきゃならないんだが。

「拠点の拡張はしてもいいんだが、ううむ、早く奴隷教育終わらんかな……」

 獣人美少女抱いてみてぇ。どんな抱き心地なんだろうな。

 ただ、婆さんが言うには、主人が軽率に奴隷を顔をあわせないことも、奴隷の心を守ることに繋がるそうだ。

 俺が冗談で言ったことすらも奴隷は真面目に捉えてしまうから、それなりに教育して、この拠点での様々なことを学ばせて自信と余裕を与えないと心が潰れてしまうらしい。あと最初は手を出されても深刻に考えない娘を用意するとのこと。

 今の所、まだまだ新鮮に楽しめる令嬢たちがいるし、据え膳をしてくれるというのなら従うばかりである。最低な心持ちだが男とはそういうものだ。

(そもそも俺に難しいことはわかんねーしな)

 獣人奴隷とセックスして、孕ませてたくさん子供産ませてーじゃダメなんか。ダメなんだろうな。なんて思いながら俺は、拠点拡張するか、と館の外に出るべく移動するのだった。

 そんな俺の欲望が女! セックス! 女! の性欲猿になっているのは、単純にこの世界に娯楽が少ないからである。

 貴族に蔓延る戦闘スキル至上主義のせいで、戦闘スキルが尊重され、生産スキルは下に見られ、そのせいで生活系はともかく娯楽系の文化レベルが低く、現代日本ほど手軽に娯楽作品が手に入らないのだ。


                ◇◆◇◆◇


「レオンハルト様!」

 庭先に出れば、庭園を整備しているメイドと、シエラが連れてきた令嬢の一人であるカナリアに出会った。

 カナリア・ツインハートは花の世話が似合う地味めの美少女だ。俺を見て小走りに寄ってきて実にかわいい。

 会ったばかりの頃のカナリアはお金持ちで高レベルの俺に対して緊張しきりだった娘だが、実家の男爵家から離れられたのは俺のおかげだとシエラが徹底して教え込んだうえに初夜に快楽落ちさせたために今は俺に懐きに懐いている少女である。

 そんなカナリアの父親であるツインハート男爵は亡き正妻の子であるカナリアを冷遇し、愛妾の娘を超優遇していた貴族的に見てもどうなの? みたいな糞親であった。

 聞けばカナリアは実家ではいじめられまくっていて、乳母姉妹のメイド以外は信頼できる味方がいなかったのだと言う。そんな全包囲信用できません的な不幸美少女が懐いてくれるのは優越感を覚えて実に素晴らしいことである。

「おー、カナリアじゃん。元気?」

「はい! お陰様で!」

 淫紋効果による家族化バフがあるため、拠点の令嬢たちは姉妹同然に仲が良い。

 今では令嬢たちに末っ子のように今では可愛がられているというカナリアを見れば、その手は土で汚れていた。

「あ、その、庭園の整備をしようと準備していたところでして」

 ダメでしたか? と聞かれるので好きにすればいいと答えれば、ありがとうございます、とにこにこ笑ってくる。機嫌の良いカナリアに彼女が実家から連れてきたメイドもニコニコだ、とここで俺はちょっと待てと言い直す。

 作業を止められて不安そうなカナリアに彼女の考えをもっとうまくいかせられる方法を話す。

「あー、いや。先にちょっと拠点の改造計画してる連中がいるから、連中に話し通した方がいいな。庭園もちゃんと区割り決めた方がいいんだろ? 俺はそういうのよく知らんけど。あと商売担当どもに苗とか種とか買ってくるように頼んでいいぞ。金はカナリアの自由に使える金じゃなくて、屋敷の整備費から出していいよ」

「ありがとうございます! レオンハルト様!」

 拠点計画を頼んだ令嬢の名前をメイドに告げれば、カナリア付きのメイドは俺に頭を下げてから話をしに向かっていく。先触れという奴だな。

 そんなカナリアのメイドは、カナリアと姉妹同然に育ってきた抱き心地の良いメイドだ。

 今晩カナリアと一緒に呼んで楽しんでやろう、と下衆な思考を巡らせていれば、手についた土汚れを洗ったカナリアが、てこてこと小動物のように寄ってきて、にこにこ笑って期待した視線を向けてきた。

「レオンハルト様」

 嬉しそうに俺の名前を呼ぶカナリアを俺は抱きしめてやるのだった。


                ◇◆◇◆◇


 カナリアの相手をしてから館内を移動し、倉庫にたどり着く。倉庫が手狭だと陳情があったからだ。

 そこでふと疑問が湧いたのでそこにいた少女に問いかける。

「この、ミスリル貨ってさ」

「はい? なんでしょうか?」

 俺の質問に応えたのは令嬢の一人であるエクレア・シュガーシュガーだ。

 彼女はゴーレムと美少女メイドと美少女奴隷を指揮して倉庫内の整理作業をしていた。

「ええと、なんだったか、そうそう」

 エクレアは侯爵家の七女という子沢山高位貴族の令嬢だ。

 教会が与えた神授スキルは『統率』。レベルで手に入った固有スキルは『受け流し』。

 神授スキルの『統率』ともなれば千人規模での統率も可能だが、まぁここではあまり使いみちがない。

 とはいえスキルコネクトでこの『統率』を借り受けたことで俺のゴーレム操作も効率がよくなっている。

 そんなエクレアは、七女ともなると侯爵家の中であっても冷遇されるらしく、嫁ぎ先は今にも死にそうな老人貴族だったらしい。

 しかもその老人はボケて癇癪持ちのうえ、高レベル高魔力持ちらしく、今までに何人も妾を殺していることで有名な老人貴族だった。

 ゆえに、このままでは殺されかねないと判断したエクレアはシエラの令嬢募集を受け、俺の拠点へとやってきている。

「今回の件もそうだけど、仕入れとかで王国内に大量にミスリル貨をばらまいてるけど、価値下がらないのか?」

 なお、人が増えたので早々に転移魔法陣の魔道具化と、それに接続する魔力供給魔導具の設置は終わらせている。

 俺やレイラが転移魔法を使って人間を王都に運ぶのはめんどくさいからな。

 自分の好きなタイミングで王都に行けるようになった令嬢たちは魔の森で大量に産出される魔石を使って転移魔法陣を利用し、学園に登校したり、王都で資材を購入しているようだった。

 なお俺がセックスしたくてたまらない美少女奴隷ちゃんたちはそんな令嬢の買い物の荷物持ちとして利用されている。

 令嬢に勝手に奴隷使われてる? 特に理由もなく美少女ってだけで買って増やしてる奴隷だから、別にいいよ。

 令嬢たちが奴隷に仕事を与えてくれるならそれはそれでヨシである。暇死されたら困るし――閑話休題。

 さて、そんな俺のミスリル貨についての質問に、ええと、とふわふわとした金髪をしたぽわぽわ令嬢であるエクレアは「問題ないですよ」と断言・・した。おやおや?

「王国で流通するダンジョン通貨は、もともとダンジョンの施設で利用するためのものですし。ミスリル貨が王国内に大量に出回ったところですぐに利用されて消費されますので」

「ダンジョン通貨? そういやなんで通貨がドロップするんだっけか」

 ダンジョン通貨は人型モンスターが持っていたり、宝箱からのドロップが基本だ。俺はリポップしたデスレックスの討伐宝箱や固定宝箱からそんな通貨を大量に得ている。

 つかデスレックス以外にもユニークボスや普通のボスがいそうだけど、今ちょっと美少女地獄を楽しんでいて、魔の森を探索する暇がないんだよな。魔法使い用の装備ほしいし、そのうち探索しよう。

「ダンジョンにショップがあってそこで使えるんですよ。私たちが婚約破棄できたのもミスリル貨での支払いだったからですねー。普通はお金だけじゃ無理があるので。旦那様が超強くて助かりました」

「ミスリル貨なら婚約破棄が楽?」

「はい。ダンジョンショップのミスリル貨から買える購入アイテムの中に『若返りの水』っていう一年ぐらい若返ることのできるアイテムがあるんで、それ目当てに私の婚約破棄は成立しました。セーレさんも同じですね。彼女の婚約相手も美女より寿命を取ったみたいです」

 言われて俺も納得する。目先の美少女より、生きる時間が増えた方が権力者も嬉しいだろう。

 一定以上の強さや権力があれば、金なんかいくらでも手に入る。

 それに土地持ち貴族なら美少女ぐらい領内で生まれるだろう。

 そんな俺の納得を理解したのかしてないのか。エクレアは倉庫内のアイテムを紙に書き出しながら「Sランクダンジョンのドロップはすごいですね~。これだけのミスリル貨があれば王国中の美女美少女が買い漁れますよ」と言ってくる。

「まぁ、露骨なのはあんまりな? 別に幸せカップルを破局させてまで美少女が欲しいわけじゃないし俺も」

 そうですか~、とにこにこしたエクレアは「話は変わりますけど、ちょっとおもしろい噂を聞いたので~」とそれを話しだした。


                ◇◆◇◆◇


 TIPS:エクレア・シュガーシュガー


 ふわふわとした金髪をしたぽわぽわ令嬢 年齢は16。侯爵家七女。

 神授スキルは『統率』

 固有スキルは『受け流し』

 武力系ステータス値が低いものの、統率スキルのおかげで序盤に仲間にできるユニットの中では数少ない将軍適正を所持するため、ゲームでは戦乱パート序盤の将軍ユニットとして重宝される。

 固有スキルの受け流しを部隊に適応することで防御効果がちょぴっとあがる。


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