第9話そして私は…
すごい真相を聞いてしまった私は、これから自分はどうしたらいいのか考えた。
考えて…
考えて…
知恵熱が出た。
さっぱり、分からなかった。
そりゃ、そーだ。こんなスケールの大きな問
題、25の小娘にどうこう出来る訳がなく…
考えた結果、
何もしないことにした。今もみんなでお茶を
のんびり飲んでる。
幸いな事に、穢れは今のところ出てない。
女神様の所に直談判しに行こうかとも思った
けど、 「気配が薄くなっていて、私には捉
えられなくなっている。」
と、ザナが言ったので、諦めた。
さて、どうするか。
「ミナミ、胃腸に効く薬草が切れかかってる
から、取ってきておくれ。」
相変わらずこき使う老女。
「あ、そうだおばーちゃん。もう名前くらい
教えてくれてもいいんじゃない?」
「あ?もういいだろうらババアで。」
「私、ババアって言ってない!それはグラン
やくーちゃんでしょ!」
「俺はいーの。だって旦那さんだもん。」
出た!また爆弾発言!!
「えぇー!グランはおばあちゃんの旦那さん
だったのー!?」
「そ。でもなかなかツレなくてねぇ。俺の愛
がちゃんと伝わってないのさ。」
フン!と鼻を鳴らして、おばあちゃんは薬草
の調合室へ入っていってしまった。
「前言ってた “一途“ っておばあちゃんに対
しての事だったんだぁ………」
ふふっと美艶的な笑顔のグラン。
「では、私はミナミの夫という事だな。」
「ザナ、では じゃないよ。どんな脈絡?」
「片翼は時渡りを愛する。それは魂の元か
ら。」
「ーーー何か、そうしなきゃならないって、
使命感のように聞こえる……」
ムッ とした。何となく。
「それは違うよミナミ。俺も最初はそう思っ
たけど、……分かるんだ。この気持ちは作ら
れたものなんかじゃないってね。先輩が言う
んだから、間違いないよ。」
「グランが言うと、ウソくさい……」
「あはは、手厳しいな。」
肩をひょいっと上げ、おどけて笑って、お茶
のおかわりを取りに行った。
片翼は、時渡りを愛する
その方が都合がいいから、って思っちゃう。
だからザナの私への態度が、妙に冷えて見え
る。
作られた気持ちなんか、絶対にイヤなんだか
ら!!
異世界テンプレ、いりません bebop @bebop26s
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