第25話 繋がる

「ここか……」


 現在、僕は朱理の家の前にいた。

 今日もご両親は家にいないらしい。つまり、朱理と二人きりってことだ。

 可愛い朱理彼女と二人きりか……。

 それを意識した途端、ドキドキが加速する。

 やばい、なんか緊張してきた。

 僕は深呼吸をしてからインターホンを押す。

 しばらくして家のドアが開かれる。出てきたのは朱理だった。


 もう冬だというのに、朱理は露出度の高い服を着ていた。シミ一つない雪のような白い肌は本当に美しい。

 

 下はミニスカートだ。ミニスカートから伸びる綺麗な太ももに目が吸い込まれる。

 今日の朱理はマジでエロいなぁ。正直、目のやり場に困る……。


「おはよう、祐二くん♪」

「お、おう……」


 僕の声は震えていた。緊張しているのだ。

 一方、朱理は普段通りだった。


 僕は「お邪魔します」と言って玄関に足を踏み入れる。

 玄関で靴を脱いで、朱理の部屋に移動する。

 彼女の部屋はフルーツのような甘い香りがした。

 

「朱理の部屋、綺麗だなぁ」

「昨日、掃除したからね」

「ふーん」


 朱理はベッドの上に座る。僕は彼女の隣に座った。

 

「ふふっ♪」

「ん? 何笑ってんだよ?」

「今日も祐二くんかっこいいなぁ、と思って」

「っ……」


 朱理の言葉にカッと顔が熱くなる。

 

「そ、そうか……?」

「うんっ! 凄くかっこいいよっ!」

「はは、ありがとうな、朱理」


 僕はそう言って朱理の頬に軽くキスする。

 すると、彼女はプーっと頬を膨らませる。怒っているように見えた。

 ん? なんで怒ってるんだ?


「もうほっぺじゃなくて唇にチューしてよっ」

「はいはい、分かったよ」


 赤い果実のような唇にチュッとキスすると、朱理は「えへへ」と嬉しそうな笑顔を浮かべる。

 ほんと、僕の彼女は可愛いなぁ。

 よしよしと朱理の頭を撫でると、彼女は気持ち良さそうに目を細める。


「ふふ、大好きだよっ、祐二くんっ♪」

「僕もだよ、朱理」


 また僕たちは唇を重ね合う。ただ唇を合わせるだけのキスじゃない。ペロペロとキャンディーを舐めるようにディープなキスを繰り広げる。

 そっと唇を離すと、僕の唇と朱理の唇の間に透明な糸が引いていた。


「朱理……」

「祐二くん……」


 朱理の顔は湯気が出るほど真っ赤になっていた。目の奥はピンク色に染まっており、周囲に妖艶なオーラを解き放っている。

 雌の顔をしている朱理を見て、ゴクリと喉を鳴らす。


 もうダメだ、我慢できないっ……。

 我慢できなくなった僕は、朱理を押し倒す。

 すると、朱理は目を見開く。驚いている様子だった。


「ゆ、祐二くん……?」

「朱理……最後までしよ」

「っ……」


 僕の言葉に朱理は驚愕に満ちた表情になる。

 けど、すぐに彼女は「ふふ」と悪戯な笑みを浮かべる。


「アタシとしたいの?」

「うん、したい……」

「あはは……ほんと、祐二くんはエッチなことが好きだね」

「お前はどうなんだよ? したくないのか?」

「アタシだってしたいよっ……祐二くんと繋がりたいっ」

「じゃあいいか?」

「ちょ、ちょっと待て……アレはどうすんの?」

「アレ?」


 朱理の言葉に僕は小首を傾げる。


「アレってなんだよ?」

「ゴムだよっ、ゴム……」

「なんだ、ゴムのことか」

「さ、流石に生はダメだよ……? まだアタシたち中学生だし」

「分かってるよ」


 僕はレジ袋の中から10個入りの薄いアレを取り出す。

 このアイテムは近くのコンビニで買ったんだ。

 0.01mmの薄いアレを見て、朱理は「は……?」と声を間抜けな声を漏らす。


「なんで持ってんの……?」

「さっきコンビニで買ってきた」


 僕がそう言うと、朱理は「はぁ……」と呆れたため息を吐く。


「この人、やる気満々じゃん……」

「すみません……」

「ううん、別に謝らなくていいよ。アタシも……その、祐二くんとヤりたかったし」

「エッチだな、朱理は」

「祐二くんには言われたくないよ」


 朱理は「ふふ」と笑う。僕もつられて笑った。



 ◇◇◇



 ゆっくりと目を覚ます。

 横を振り向くと、生まれたままの姿の朱理がいた。もちろん、僕も裸だ。

 シングルベッドなので僕と朱理の身体は密着してしまう。


「おはよう、祐二くん」

「どれぐらい寝てた?」

「うーん、30分ぐらいかな?」

「30分か……」

「祐二くんの寝顔、凄く可愛かったよ」

「ははっ……恥ずかしいなぁ」


 僕たちは顔を近づけて、チュッと軽くキスする。

 そっと顔を離して、僕たちは笑い合う。

 今日、僕たちは繋がった。

 心だけじゃなくて体も一つになったのだ。

 あの夢のような出来事を思い出して、身体の一部が熱を帯びる。


「あれ? また元気になってんじゃん」

「朱理が可愛すぎてこんなことになっちゃいました……」

「さっきあれだけしたのに……。祐二くんは本当にエッチだね。お姉さんビックリだよ」

「……」

「もう一回する?」

「え? マジで? いいの……?」

「うん、いいよ……アタシもしたいし」

「やっぱり、朱理はエッチだな」

「エッチなアタシは嫌い……?」

「ううん、嫌いじゃないよ」

「好きってこと?」

「ああ、大好きだ、朱理」

「アタシも大好きだよ、祐二くん……」






 ◇◇◇






【朱理 視点】


 今日、祐二くんと最後までした。彼から『最後までしよう』って言ってきたの。

 ったく、祐二くんはエッチすぎるよ。まぁそういうところも含めて彼のことが大好きだけどね。


「あれがエッチか……」


 凄く痛かったけど、全身が幸せに包まれる。大好きな人に求められる度に、心がポカポカする。

 あの夢のような時間は本当に幸せだった。


 もう一回祐二くんとしたいよっ……。

 もっと彼を喜ばせたいよっ……。

 たくさんアタシを求めてほしいよっ……。


 本能が『もっと祐二くんとしたい』と叫ぶ。アタシの身体が祐二くんを渇望しているのだ。

 アタシ、どんどんエッチな子になってるよ。全部、祐二くんのせいなんだからね……。


 ふと横を振り向くと、祐二くんの姿が目に映る。

 彼はスヤスヤと気持ち良さそうに寝ていた。

 大好きな人の寝顔を見て、自然と頬が緩む。

 ほんと、祐二くんは可愛いなぁ。


 突如、寝ぼけた祐二くんがギュッとアタシを抱きしめてきた。

 アタシも彼を抱きしめて、ヨシヨシと優しく丁寧に頭を撫でる。


「祐二くん、大好きだよ」


 アタシはそう言って祐二くんの唇にチュッとキスした。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る