おまけ1

 僕と朱理は高校を卒業して大学生になった。

 大学生になっても僕と朱理は仲良しだ。

 いつも朱理の家でイチャイチャしている。


 今日も僕は朱理の家でイチャイチャしていた。


「祐二くんっ、ギュッとしていい?」

「うん、いいよ。おいで」


 僕はそう言って両腕を広げると、朱理がギュッと抱きしめてきた。

 豊満な胸が僕の胸板に当たってムニュっと形を変える。

 僕も彼女の背中に手を回して抱き返した。 

 すると、朱理は「えへへ」と嬉しそうな笑顔を咲かせる。


「やっぱり、祐二くんとギュッとするの好きだなぁ~。ずっとこうしてたいよっ~」

「僕も朱理とギュッとすんの大好きだっ。おっぱい当たって最高~」

「……」


 僕の言葉に朱理は「はぁ……」とため息を吐く。

 呆れている様子だった。


 朱理がジト目で僕のことを睨んできた。


「君は本当にエッチなことが好きだね……」

「朱理だってエッチなこと大好きなくせに」

「そ、そんなことないもんっ。アタシ、エッチなこと好きじゃないし……」

「ふーん、朱理は僕とエッチすんの嫌いなんだ。じゃあもう朱理とはエッチしないよっ」


 僕の言葉を聞いて、朱理は慌てて口を開いた。


「う、嘘ですっ!! そ、その……アタシも祐二くんとエッチぃことすんの大好きっ。だから、これからもアタシのこと求めてっ、お願いっ」

「ははっ、相変わらず朱理はエッチだなぁ」

「うぅぅぅっ……アタシがエッチな子になったのは祐二くんのせいだよ? 分かってる?」

「え? そうなの?」

「そうだよっ、アタシが淫乱魔女になったのは祐二くんのせいだもんっ。君がいつもあんなことしてくるからアタシはエッチぃことが大好きになったんだよ?」

「はは、そっか。なら、ちゃんと責任は取るよ」

「え? 責任……? それって結婚してくれるってこと?」

「ああ、絶対に結婚しような、朱理」

「うんっ、絶対だよっ。祐二くんっ」




 ◇◇◇



【朱理 視点】


 

 今日も祐二くんとベッドの上で愛し合った。

 祐二くんとすんの凄く気持ち良かったなぁ。

 もっと祐二くんとしたいよっ。

 もっと祐二くんの肌を感じたいよ。


 祐二くんっ、祐二くんっ、祐二くんっ。


 祐二くんのことを想像すると、頭の中が真っ白になる。

 彼のことしか考えられなくなる。


 アタシ、どんどん祐二くんのことが好きになってるっ。

 もう祐二くんがいない生活なんて考えられない。

 

「ねぇお姉ちゃん」


 祐二くんのことを考えていると、横から女の子の声が聞こえてきた。

 横を振り向くと、妹の姿が視界に入る。

 この子の名前は篠宮瑞波。

 アタシの妹だ。

 

「どうしたの、瑞波?」

「お姉ちゃん、今日も彼氏とエッチしてたでしょ?」

「ふぇっ!?」


 瑞波の言葉にアタシは変な声を出してしまう。

 アタシは慌てて口を開いた。


「な、ななな、何言ってんのっ!? え、エッチなんてしてないよっ!?」

「嘘ついても無駄だよ。ずっとお姉ちゃんの部屋から変な声聞こえてきたもん。お姉ちゃん、『祐二くんっ、もっとアタシのこと気持ち良くしてっ』って叫んでたでしょ?」

「っ~~~」


 アタシの顔はカッと熱くなる。

 恥ずかしそうにしているアタシを見て、瑞波はニヤリと笑みを浮かべる。


「やっぱり彼氏とシてたんだ」

「う、うん……」

「ちゃんと避妊してんの?」

「それはその……今日は生でシましたっ」

「え? はぁぁ!? な、生でしたの!?」

「う、うんっ……」


 アタシの返事に瑞波は目を見開く。

 驚きすぎて口をポカンと開けていた。


「もし赤ちゃんできたらどうすんの?」

「その時はちゃんと産むよ」

「え? マジで? 産むの?」

「当たり前じゃん。大好きな人の赤ちゃん産んで一生懸命育てるよ」

「そ、そうっすか……。お姉ちゃん、本当に彼氏のこと好きなんだね」

「うんっ! 大好きだよっ!」




 ◇◇◇





【祐二 視点】 



 僕と朱理は結婚した。

 結婚のキッカケは朱理の妊娠だ。

 朱理が『妊娠したかもしれない』と言ってきた時はビックリしたよ。

 それと同時に『まぁヤることヤッてるからな』と納得した。

 

 それを朱理の親に報告すると、凄く喜んでくれた。


 一年後、子供が産まれた。

 名前は坂田夕穂さかたゆうほ

 女の子だ。


 夕穂は朱理に似ており、凄く可愛い。

 将来、美人になるだろうなぁ。しかも、夕穂はパパっ子なんだ。

 いつも『パパっ! パパっ!』と僕に甘えてくる。

 ヨシヨシと頭を撫でると、夕穂は「えへへ〜」と蕩けた笑顔を咲かせる。

 こういうところは朱理にそっくりだなぁ。

 




 ◇◇◇

 






【篠宮朱理 視点】


 アタシと祐二くんの子供が生まれた。

 その子の名前は坂田夕穂。

 女の子だ。


 夕穂はパパっ子だ。いつも『パパ! パパ!』と祐二くんに甘えている。


「パパっ! 大好きっ!」

「僕も夕穂のこと大好きだよ!」


 祐二くんはそう言って夕穂の頬にチュッチュッとキスする。

 すると、夕穂は「えへへ」と嬉しそうな笑顔を浮かべる。

 凄く幸せそうだった。


 夕穂は祐二くんにベタベタだ。

 昔、『パパとママ、どっちが好き?』と究極の質問をしてみると、夕穂は『パパが大好きっ!』と即答した。


 アレは凄くショックだったなぁ……。

 お腹を痛めて産んだのに、夕穂は全然アタシに甘えてくれない……。

 祐二くんが家にいないと大泣きして、彼が帰ってくるとすぐに泣き止む。


 祐二くんもアタシじゃなくて夕穂にベタベタだ。

 昔は祐二くんから『エッチしよう』と誘ってきたけど、最近は全くアタシを求めてくれない。

 もう祐二くんはアタシのこと好きじゃないのかな……?

 アタシの身体に飽きちゃったのかな?

 そう思うと、ネガティブな気持ちになってしまう。

 

 アタシの友達は旦那さんが嫌いらしい。

 

『子供が産まれてから旦那が嫌いになった』

『子供がいなかったら絶対に離婚してる』

 

 と、いつも旦那さんの悪口を言っている。

 本当に旦那さんのことが嫌いんなんだろう。

 アタシは違う。

 アタシは今も祐二くんのことが大好きだっ。

 彼を愛している。

 けど、祐二くんはアタシに愛を向けてくれない。

 夕穂にベタベタだ。


 はぁ……。


「ねぇ祐二くん」

「ん? どうした?」

「夕穂のこと好き?」

「ああ、大好きだよ」


 祐二くんの言葉にチクチクと胸が痛む。

 娘に嫉妬してしまう。

 なんでアタシは娘に嫉妬してんだろう?

 最近のアタシは凄く変だ。


「じゃあアタシのことは……?」

「え?」

「アタシのことは好き? それとも嫌い?」

「大好きに決まってんだろ」


 彼に『大好き』と言われた瞬間、胸の奥がキュンキュンってなる。

 ジワジワと身体が熱くなり、祐二くんのことが欲しくなる。

 本能が祐二くんを渇望しているのだ。


「じゃあどうしてアタシのこと求めてくれないの?」

「へ……?」

「昔みたいにアタシのこと求めてよ……たくさん愛を注いでよ」

「えーっと……朱理は僕とエッチしたいのか?」


 祐二くんの言葉にアタシはコクリと頷く。

 久しぶりに彼とエッチしたい。

 昔みたいにベッドの上でアタシのことを可愛がってほしい。

 甘い声で『朱理、大好きだよ』と囁いてほしい。

 無数の欲望が渦巻く。


「もうアタシの身体に飽きた……?」

「いやいや、そんなわけないだろ。今も朱理は魅力的だよ」

「ほんと……?」

「ああ、本当だ」


 祐二くんはアタシの肩を掴んで、ちょっと強引に唇を奪ってきた。

 ただ唇を合わせるだけのキスじゃない。舌を絡め合うディープなキスだ。

 祐二くんとキスしていると、心がポカポカする。

 全身が幸せに包まれて、ストレスが霧散する。

 本当に幸せだ。


 そっと顔を離すと、アタシと祐二くんの唇の間に透明な糸が引いていた。


「朱理……いいか?」

「うん……きて」


 



 ◇◇◇




【祐二 視点】


 

 横を振り向くと、裸の朱理が視界に入る。

 もちろん僕も裸だ。

 朱理の首筋や背中にはキスマークがついている。

 行為中に僕がつけたんだ。


「なんでアタシのことジッと見てるの?」

「朱理は美人さんだな、と思って」

「っ……そ、そうかな?」

「うん、凄く綺麗だよ」

「えへへ、ありがとう」


 今も朱理は美人だ。

 腰辺りまで伸びた亜麻色の髪。

 クッキリとした大きな瞳。

 筋の通った鼻。

 赤い果実のような唇。

 テレビに出てるアイドルよりも可愛い気がする。

 それだけじゃない。朱理はスタイルも抜群なんだ。


 僕の顔よりも大きい豊満な胸。

 キュッと引き締まった腰回り。

 白桃のような大きなお尻。

 メリハリのある彼女の身体は本当に魅力的だった。

 なんで僕はこんな可愛い子と結婚できたんだろう?

 これは本当に現実なのか?


「ねぇ祐二くん」

「ん? なに?」

「アタシのこと好き?」

「ああ、大好きだよ」


 僕はそう言って朱理の唇にチュッとキスする。

 すると、彼女は「えへへ」とはにかんだ笑顔を浮かべる。

 

「朱理は僕のこと好き?」

「うんっ、大好きだよっ、愛してる」

「はは、そっか。ありがとうな」


 僕たちは顔を近づけてチュッとキスする。

 すぐに唇を離して朱理を見つめる。


「アタシ……凄く不安だったんだよ」

「え?」


 朱理の言葉に僕は小首をかしげる。

 視線で『どういう意味だ』と問うと、朱理は答えてくれた。


「最近の祐二くん、夕穂にベタベタで……全然アタシの相手してくれないから凄く不安だったんだ。もうアタシのこと嫌いなのかな? アタシの身体に飽きちゃったのかな? ってネガティブなことばっかり考えちゃって……」


 確かに、最近の僕は夕穂にベタベタで、朱理の相手をしてなかった。

 そのせいで、朱理は不安になっていたのか。

 僕は朱理の背中に手を回して、ギュッと抱きしめる。

 彼女も抱き返してくれた。


「今も朱理のこと大好きだよ」

「ほんと……?」

「ああ、本当だ」


 僕はそう言って朱理の唇を奪う。

 相変わらず、朱理の唇は柔らかいなぁ。


 何十秒もキスしていた僕たちは唇を離す。

 朱理の表情は蕩けており、目の奥にハートマークが浮かんでいた。

 完全にスイッチが入ってるなぁ。


「祐二くんっ……もう我慢できないよっ」

「僕も我慢できないっ。朱理、もう一回いいか?」

「うんっ、きて……」

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