第51話 幸せとは

最近、ここ3ヶ月くらいずっとアマリリスの彼女に会う度聞いていることがある。

「幸せってなに?どういうこと?」

大抵彼女はご飯を食べてる時!と元気よく答えるが、私には分からなかった。

たしかに美味しいご飯を食べている時間は幸せだ。

でもいつか食べ進めていたら食べ終わってしまう。

幸せだと感じていた時間も長続きはしない、必ず終わりが来てしまう。

一時(いっとき)の終わりなのかはたまた、永遠の終わりなのか。それは神様にしか分からないのだけれど


「君にとっての幸せってなにかな、今楽しいって思うことってなんですか?」

そうよく聞かれる。今後の学校生活について先生から話があった時も、病院で医師と話している時も、友達からも。

答えは決まってひとつ、わからないとしか言えなかった

幸せだったことはある。

演奏し終わったあとのキラキラ輝いた客席を見る瞬間

夕日に見守れながら冷たい彼女の手を温めながら歩く瞬間

好きな人と一緒にいるとき、街灯に照らされる横顔を眺めている瞬間。

話している時


でもどれも長続きしない。

幸せな時間が長続きすればいいのに。

して欲しいと願うのに何故長続きしてくれないの

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