第44話 君と一緒に

好きな人を眺めているのが好きだ。

例えば授業中。たまにこっくりこっくりと夢の世界に羽ばたく瞬間を見た時。

打って変わって問題を解いている真剣な表情の時。

運転をしている時。

同じ映画をみて、涙ぐんでいるのを見かけた時。

夕日に照らされる横顔。


一緒にいたくなってしまう。

殊更バイバイしたあとは強く思う。

何故一緒にいられないのか

四六時中一緒にいることができたらどんなに幸せか

仕事が忙しいのなら構ってなんかくれなくていい、ただ傍で仕事をしているところを眺めさせて欲しい

勉強が忙しいのなら私も向かいで勉強をしたい。

自分が何もすることがなくて相手が忙しそうにしていると、構ってもらえていない訳では無いのに急に寂しくなって、嫌われたかな、別の女の子といるのかなとネガティブ思考に走ってしまう。

向こうが仕事をしているのなら私も仕事をしよう。

向こうが勉強をしているのなら私も勉強をする。

私の忙しさのベクトルを彼以上にすることで自分の寂しさを紛らわすことが出来た。


本当は君と一緒に朝も昼も夜も迎えたい。

おはようと言って朝一緒に準備をして、ただいまと言ったらおかえりと言って貰えて、寝る前にはおやすみと言い合いたい。

会話なんてなくていい。ただ同じ空間にいてくれれば、それで良い。

それでいいのだ。

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