第28話
★フレイ
「『電光石火の一撃!無限に加速する増殖の一撃!喰らえ雷切』」
会長の一撃は意識を吹き飛ばすのには十分な一撃だった。何も対処していなかったらこの攻撃で俺は倒れていただろう。そんなことを考えてしまう攻撃だった。
「フレイ!防御で大切なのは体内をどう守るかだ。外からの攻撃は誰でも受けれるが体内を直接に攻撃されたとき対処できるのは一握りのものだけだ。お前もその一人になれ」
俺は昔親父に言われたことを思い出した。確かに体内を直接攻撃されたんはこれが初めてだ。対処法を知らなければ一撃必殺の攻撃だろう。だが、かろうじて俺は受けきることが出来た。
会長は俺を見て勝ちを確信しているのか何も追撃をしてこない。俺はそれに安心した。これで追撃されようものなら何もできずに受けるしかできないからだ。再生の力で体を回復する時間が出来た。それで回復するのか。否!今は回復をする時ではない!状況をしっかりと見ろ。あの会長は完璧に油断している。あいつに一撃を与えてから回復をしても遅くはない。
与えろ!燃やす一撃を
理解しろ!自分が何をするべきなのか
俺はつぶやくように呪文を唱えていた。
「『燃焼する大いなる一撃』」
俺は今思いついたかのように自然と知らない呪文を唱えていた。そうして起こったのは、自信を体内から燃やし尽くす勢いで体内から再生の炎が漏れていた。そうして起ころうのはこの鎧の特性で再生の炎を燃料として鎧の強化することだ。不自然なほど煙を鎧から出しているが不自然に感じていないようだ。
「うん?何か言ったか」
っというように自然に思っている。だが、さすがの会長も何かを感じ取ったのだろう。
「しまった!『雷鳴の」
会長は俺が攻撃を繰り出すのに気づいたのだろう。そして、その一撃が自身に大きな傷を与えるものであると。
呪文を唱えながら俺に近づいてくるので俺もそれを利用し、重い体を動かし一歩前に出た。そして、拳を会長に向かって突いた。
ドンッ‼
その時会場に響いたのはとても鈍い大きな音だった。その一撃は後ろに衝撃を逃がすことなく会長の体内を破壊した。
「がっ」
会長から漏れ出た声と同時に口から血が出ていた。俺の一撃で体のどこかを壊したのだろう。
「ゆ…だんした。ゆる…さんぞ!」
会長は俺を親の仇のように睨みつけてきた。
「会長、その体じゃあもう戦えないだろう。あきらめろ」
俺はそういいながら体を回復していた。幸いにもこの戦いはこれで幕を閉じるだろう。いくら会長にやる気があると言っても体を動かせないなら戦うことは出来やしないのだから。
「これで終わったと思うな!この俺がこれを使わないといけないとはなぁ」
会長の体は俺の一撃でボロボロのはずなのに気にせずに立ち上がっていた。それはまるで何事もなかったように。俺は気が付いたら後ろに後ずさりしていた。そのことに気が付いた俺は自分が恐怖しているのだとわかった。だが、何を恐怖するっていうんだ。この状況は俺が有利なはずだ。それこそ体を回復させた俺なら攻撃を一発与えるだけであいつは倒れるほど有利だ。それなのに俺は何を恐怖するっていうんだ。
「こんな奴にこれを使わないといけないとはなぁ」
驚くことに会長は雷切を自身の腹に突き刺した。それを見た俺は
「馬鹿なことはよせ!」
「ふっ。何を勘違いしている。これは儀式だよ。力を得るためのなぁ」
そう言いながら雷切から会長の血が流れ出ている。このままでは死んでしまいかねないと考えた俺は助けに出ようと思い切って前に出ようとすると
「『顕現解放』」
感じたこともない強力な圧力を感じながら衝撃波で後ろに吹き飛ばされた。
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