第23話
★ツカサ
祝福を受けてから一か月後
僕はいつもの朝の行動をしようと目覚めると異変が起きた。突如知らない情報が頭を駆け巡ったのだ。
『拡散』『収束』『???』
この二つの情報が頭を駆け巡り僕は一瞬混乱した。だがこれがなんであるのかをすぐに理解した。これは祝福の名前だということを理解した。人から聞いたことがある。祝福の名前は突如頭にひらめくということを聞いた。これがそうなのだろう。そして、予想通り二つ以上の祝福を受けていた。だが、一つ祝福の名前を確認することが出来ない。こんなことはあるのだろうか?そう考えていると神父の話を思い出した。
「祝福というのは与えられるものだけではありません。人によっては自身の力で取得するものもいます。そのものは祝福の名前が伏せられていることもあるのです。気を付けてくださいね。名前が分からないのは正常なことなので焦る必要はありません」
そう言っていたのを思い出した。その言葉が本当なら僕は自身を鍛えることでも祝福を得ることが出来るということだ。だが、それよりも今は名前が判明している二つの祝福を鍛えていこうと考えていた。だが今はこのことを伝えないといけない人物がいる。それは、
「フレイ!僕の祝福が判明したよ」
「おぉ、やっとか」
フレイは安堵した表情でそういった。フレイは随分と心配をかけたものだ。一時期は僕は祝福を受けられなかったと思われて学園の先生や生徒からは冷たい目で見られることが多々あった。だがそんな時に支えてくれたのがこのフレイだ。僕の代わりに周りの相手と戦ってくれたのだ。祝福を持たない僕が戦おうものならすごい反発が起き、いじめを加速していただろう。貴族にとって祝福を受けるというのはそれだけ重大なことだった。そのことをフレイに感謝すると
「いいってことよ。戦う相手には困らなくなったからこれもwin-winの関係ってやつだろ」
そう言って返事をしていたが僕のことを心配してくれての返事だとわかっていたのでとても感謝していた。
祝福が判明した僕はようやく一段階研究を進めることが出来るようになった。これからは自分の魔力と祝福のことを研究し、どうやって使用すれば戦いに応用できるのかの研究に入る。これからは忙しくなるぞ。僕には未知の祝福もあることだし、時間をかけてでも自分を強くするために頑張らないといけないな。そう考え僕は研究に今以上に力を入れた。
随分と時間がたち今は卒業式の季節だ。
「ツカサ、もう卒業式の季節か。時間がたつのは早いな」
「そうだね。僕たちも随分と強くなったよね」
僕たちは祝福を受けてから自分を強くすることだけに力を入れてきた。それも、生徒会長と副会長を倒すためだ。
「生徒会長はフレイが戦いたいんだよね」
「そうだ。だから、お前は副会長な」
「了解」
僕たちはそういう会話をしながらある場所に向かっていた。それは生徒会室だ。この場所に二人はいるだろう。この学園の生徒会は卒業式が終わってから決まる。なぜなら、在学している中で最強を決める必要があるからだ。この学園を去る人間が生徒会長になってしまったら眼も当てられない。それゆえに三年生が卒業後に生徒会長を決める大会が開かれる。だが、それでは現生徒会長と副会長とは戦えない。今が戦うラストチャンスでもあるんだ。それゆえに今から僕たちは二人に宣戦布告しに行くことに決めたんだ。そうして、僕たちは生徒会室に到着し、フレイと行くことを確認すると扉を開けた。
扉を開けるとそこには会長が腕を組み座り、副会長はその右隣に立っていた。
「来ると思っていたよ、二人とも」
会長はそう言った。二人は僕たちが来ることを予想していたのだろう。それゆえに準備も万全と感じた。これから僕たちはどれだけ強くなったのかを二人に見せつけてやる。
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