第22話

★ツカサ

 僕とツカサは1年全員で祝福を受けて3日がたった。このころになると学園では、どんな祝福を得たのかという話で盛り上がっている。だが僕は、自分の研究をコツコツとやっている。自分の祝福の内容がいまだにわからないからだ。だが、フレイは祝福が判明したと言っている。なんでも、聖炎というらしい。まさかの自分の魔力と同じ名前だというのは不思議なものだと思った。だが、これも良くあることだという。フレイ曰く、特別な魔力を保持している奴はそういう傾向があるという。俺はこれを少し疑問に感じ魔力と祝福の関係性を少し調べてみることにした。


 それから一週間がたった。今回は疑問から魔力と祝福について調べてみてわかったことがある。祝福は魔力によって作用されることがあるということだ。基本は自分の魔力と同じ力を祝福で得ることが出来る。だが、例外的に特殊な祝福、例えば有名なのでは勇者などがそうだが、例外が一部存在する。それを除けば自身の魔力と同じ祝福を与えられるとみて間違いなかった。今回は学園での聞き取り調査を行い協力してくれた生徒が随分と多かった。おそらく自分の祝福を自慢したい奴らが多かったのだろう。だが、結果としてこちらに有利となったのでそこは我慢しておくことにした。


 この研究から僕は謎が一つ増えていた。僕の祝福だ。これが何なのか祝福を受けてから一週間がたつがいまだにわからないのだ。そこで特殊な祝福かどうかを調べてもらうことにした。困ったときは授かった教会に聞きに行くのだ。

「なるほど。そうですね。こちらでも協力いたしましょう。こちらで少しお待ちいただけますか」

そう言うと神父様は教会の奥に行った。そうして1時間ほどして神父様は帰ってきた。

「随分とお待たせしましたね。あなたの祝福は一般的なもので間違いはないかと思いますよ。現在勇者や聖女などの特別な祝福を受けたものはすでに全員確認されていますので」

「そうですか、ありがとうございます」

その結果を知れただけでも成果があった。すぐに帰ろうとしすると神父様は一言言ってきた。

「あなたはもしかしたら祝福を複数授けられた可能性がありますね。私は用事があるのでこれで」

その言葉は僕は驚愕した。祝福を二つ授けられた。そんなことがあるのかっと疑問に感じたが祝福を確認できるくらいに教会は大きな存在だ。その教会が二つ以上の祝福を持つものを認知しているということだ。これが何かのヒントになると考え僕はフレイに相談に行った。


「ああ、確かに祝福を二つ持っている英雄はいるぞ」

その言葉は衝撃的だった。なぜなら祝福は一つしか持てないと考えていたからだ。確かに魔力には二つ以上の得意魔力を持つものはいる。そう考えたら自然と納得できた。

「そうか魔力に依存するなら魔力の属性の数、祝福を与えられてもおかしくはないのか」

「ツカサがそうならもう少し時間がかかるかもな」

「なんで?」

「二つ以上の祝福を得た奴は祝福が判明するのに時間がかかるらしい。なんでも体に合わせるのに時間がかかるって話だ」

体に合わせる?

そうか同じ祝福でも個人差がある。それは一人一人に調整されているからだ。そう考えると僕は二つの祝福を持っているとすると時間がかかってもしょうがないのか。そうとわかれば僕は研究に力を入れることにするか。

「ありがとう、フレイ。参考になったよ」

「困ったときはお互い様だろう。なんでも聞いて来いよ」


 僕の祝福が分かったのは祝福を受けてから一か月後のことだった。

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