第14話
★ツカサ
フレイが目覚めるまでの間に多くの知識を得た。それが理由で今のままでは自分には魔法が使えないと理解してしまった。だが同時に魔力というものの研究が進んでいないことがわかった。魔力は神が作った不思議な力として信じられていたため研究を行うのは異端児として扱われていたという。それが丁度100年前の考え方だという。その名残が今も残っており全く研究をされていない。それが逆に僕は怪しく感じた。人間には特殊体質と呼ばれる通常ではありえない能力を持って生まれる人間が存在する。僕とフレイはその一人だ。僕たち2人の能力はどちらも魔力に由来する能力だ。つまり、魔力を解明することが出来れば僕たちは今以上に強くなる方法を探ることができるやもしれない。そう考え魔力についての研究を始めた。フレイが目覚めるまでこれといった進捗は見せなかった。
「フレイ!はぁはぁはぁ。目覚めたんだね」
僕はフレイが目覚めたと聞くと急いで走ってフレイのとこに行った。一週間も寝たきりというのはさすがの僕でも心配した。
「どうしたんだよ、ツカサ。そんなに慌てて」
「だって、一週間だよ。魔力が枯渇したときは基本3日のとこが一週間だよ。流石に心配するよ」
「そうか、あれからそんなに寝てたのか」
そう言いながらフレイは体を確かめるように体を動かしていた。
「ちょっと、もういいの。体を動かしても?」
「うん?ああ。大丈夫そうだ。不思議と戦う前よりも力が溢れている感覚なんだ」
確かに彼が言うとおりに魔力の質が高まっているように感じた。でも、何で寝ただけで魔力が変化したのだろう?このことを考えていたら少し考えすぎたみたいで彼に話しかけられた。
「おい、大丈夫か」
「あっ、ごめん。考え事してた。実はフレイが寝込んでからね魔力について研究することにしたんだ」
そこからフレイに僕の考えを伝えた。
「へ~、面白そうなことをしてるな。オレも協力させろよ」
そこから僕とフレイは魔力の研究を始めることになった。もちろん、学園の授業も真面目に受けた上で研究を行っている。
そんなこんなで僕たちは一ヶ月研究を行った。その成果としては、魔力は個人を判断することができるという仮説が立てられたこと、魔力とは何かを分解してできたものではないかという2つの仮説が立てられた。魔力を調べていくうちに不思議なことがわかった。個人個人の魔法を調べていくうちに同じ魔法でも消費魔力が個人個人で違うという結果になったのだ。学園には個人の魔力量を測る機械が存在している。それを使い魔力量が近い者を数名集めて協力してもらった。方法は簡単だ。同じ魔法を複数回撃って貰うただそれだけだ。その結果、魔法を打てた回数はばらばらだった。近しい魔力量を集めたので1回2回の誤差はあると考えていたが10回以上の差が出るものもいた。それは流石に誤差とは言えないなだろう。その結果から2つの仮説が建てられた。1つは魔法陣の違いによる魔力消費量に差が出たということ。2つ目は、魔力が個人で差があるということ。このことを知るために今度は同じ人物で同じファイアーボールの魔法陣を使用してもらい実験をした。その結果、差は先程よりも縮まったが誤差とは言い切れないほどの差が発生した。その結果から魔力というものは個人によって性能があるという仮説が建てられた。このことは僕たちの研究を進める上で重要な一歩となった。
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