第13話

★ツカサ

これはフレイが目を覚ます前のことだ。僕は不思議な夢をみた。その世界では魔法が存在しない世界だった。だが、魔法は一般的に知られているものでもあった。魔法は創作物の一部として知られていたのだ。そんな世界にも電気が存在していた。電気は魔法によって生み出されるものだと思っていたがこの夢が本当ならどうやらそうではないみたいだ。僕がみた夢はそんな世界で電気に変わる新エネルギーを開発した者の夢だった。


 この夢を見たことで僕は一つひらめいたのだ。魔法を使うためには魔力を必要とする。それが世界の常識だ。そこが盲点となっているのではないかと考えたのだ。つまり、魔力の代わりとなるエネルギーを使うことができれば魔法を使用できるのではないかと。そのことを魔法について教えてくれている先生に聞きに行った。


「そのことを考えたのは君だけじゃないよ。歴史上多くの人たちが考えてきた。結果としては不可能だ。魔力というのはどこにでもあるものだ。だが、魔法を放つ時は自身の魔力を使用しないと放つことができない。だが、唯一の例外が魔石だ。あれを使用すれば自身の魔力を使用せずに魔法を撃てる。こんなところでいいかなツカサ君」


「ありがとうございます、先生」

つまり、自身の魔力を消費せずに魔法を撃つことができると。だが、魔石が必要になる。これは厄介だな。魔石一つで最低でも家が一つ建つくらいには高価なものだ。これを買って手に入れようとすれば何年かかるかわかったものではない。故にそれ以外の方法で手に入れる必要がある。それは魔物討伐だ。魔物討伐はフレイが目覚めてから行くとして、これからどうするか考えているとふと思い出した。


そういえば家にいたとき魔物討伐をしたよな。そのときに不思議な石をもらったはずだ。もしかしてあれが魔石か。急いで自分の部屋の荷物を確認するとそれは見つかった。


「これか!うん、でもなんでだ。この石には魔力なんてなかったはずだろ」

それがどういうことやら少量の魔力が魔石に存在していた。ここから僕は魔石について調べることにした。結局魔石について調べるのはフレイが目覚める日までコツコツとやっていた。フレイが目覚めず不安な日々を過ごして調べ物に集中できないときもあった。だが、調べていてわかったこともある。


 魔石は消耗品とされている。これは誰もが持つ一般常識だ。だが魔石に特別な方法を行えば魔力を貯めることができるようになるというものだ。この手順は魔石の魔力を空にすることにより自分の魔力を充填することができるというものだ。このことを知ったとき僕は魔力がないから関係ないと考えていた。だが、自分の部屋にある魔石はこのことを説明できていない。魔石の魔力を空にすることは僕にとっては簡単なことだ。だが、魔力を充填することができない。なのに魔石には少量の魔力が溜まっていた。これがどういうことを言うのかそれは魔石自身にも魔力を貯める性質ができているということだろう。このことを調べるのに時間がかかるからフレイが目覚めてから行うことにするとしてこの魔力は自然にある魔力だとするなら誰も魔法を撃てない魔石が誕生してしまう。だが、一つ可能性がある。僕の魔力は常に放出されている。この魔力を魔石に貯めれれば僕にも魔法が打てるようになるという方法だ。


この考えのもと研究を行っていこう。そして、僕は新しい力を手にして強くなることをここに新たに決意した。

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