第10話

★フレイ

 副会長の魔法は鎧を身に着けているものだった。その魔法で手にするのは強大な防御力だ。それを象徴とするように副会長の両腕には大きな盾を装備していた。その盾は2つを合わせることで1つの大きな盾に変化するだけでなく地面に突き刺すことで地面を強化することによって自身を動かなくする、まさしく不動の構えというやつだった。その防御力に自身があるからこその構えなのだろう。だからこそ俺は一点突破のこの技を使い防御を打破する。


 「こい、フェニックス」

俺はフェニックスと体を密着する。それによって俺は身体能力を上昇させることができる。それ以外にもフェニックスにより再生を行われることにより無駄な魔力の消費を抑えられる。さらにフェニックスが持つ魔力を使用することができる。だがその反面これを使用すれば体が力に耐えられず破壊されてしまう。それをフェニックスの再生で補っているというため、長時間戦うことには向いていない。だが、今この状況に限りこの戦い方は副会長を倒せる可能性がある戦い方だ。俺の魔力はこの一撃でなくなるという状況だからこそ放つことのできる攻撃だ。俺とフェニックスの魔力を右手に集める。だがこれでは副会長の防御を突破できないことが想像できる。故に集めた魔力を圧縮させる。

「グッ・・・はァァァァァァ」

やはりこの状態では激痛が走るのが問題だな。


だが、そんなことはお構いなしというようにフレイは右手に集めた魔力を圧縮させていた。拳の10倍ほどの大きさの魔力が拳の大きさにまで圧縮されていた。この状態であの副会長に殴るそれがこの俺の最後の技だ。


「いくぞ!」

俺は最後の攻撃を放つことを副会長に宣言した。俺はただ正面からあいつの防御を崩したいという気持ちが強く宣言してしまった。

「こい!」

その気持ちは相手にも伝わったのであろう。副会長も絶対に防ぎ切ってみせるという気合の声色で宣言をしていた。


 俺は走り副会長の場所まで助走を付けて盾を殴ろうとした。俺はこの一撃は今までで一番いいパンチに仕上がったと思う。それほどまでに強い火力を持ったと思う。俺の拳と副会長の盾が触れる直前、2つの魔力が反発するように弾き飛ばそうとしていた。その力に吹き飛ばされそうになるが何とか耐えていたが副会長は余裕そうに耐えていた。それもそのはずだ。副会長は盾を地面に刺しているおかげでこの反発の力を弱めていたからだ。だが俺はそんなことお構いなしに盾に触れた。その瞬間頭に強い衝撃を受けた。俺はそれを理解することが出来ずに気を失った。



 フレイは自身の出せる最高の攻撃を放つことができた。だが、相手が悪かった。副会長はその一撃を防ぎ切ることは出来ないと瞬時に判断を下した。そして、盾を2つの状態に盾を持ち上げた。さらにこの時にはフレイは気が付いていなかったが反発の力は弱まっていた。それを利用し左の盾に触れたとき反発の力で少し下がることと攻撃を受け流すことをしてのけた。そして、受け流した力を利用し右手の盾でフレイの頭に強打した。つまりは、カウンターが決まっただけだ。だが、このカウンターはタイミングを逃せば倒れているのは逆だっただろう。そんな状況のものにも関わらず戦いの一瞬でこの行動をすることを決めた副会長はフレイよりも遥かに多くの経験を得ていたことを伺える。この戦いによってフレイは何を得るのかはまだ誰にも分からなかった。

ツカサもこの勝負を目にしたことで自身の実力が不足していることを痛感しさらに自身を鍛え上げることを決意した。

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