第18話 討伐の精算
そこからは、あるだけ食い物を食べながら色々と話して盛り上がった。
結果としては、野盗のアジトを潰した大成果を上げたわけだしな。
普段はダンジョン街を拠点にしていて、実は今回依頼を受けたのは偶然だったということ。(付き合いのある商人の護衛で来て、報告後に頼まれたとか)
この街、ヨンキーファが属する国は『トレフェンフィーハ』という名前で、ダンジョンで賑わっているため比較的経済が安定していること。
逆に、野盗たちが流れてきたお隣の国『ルーデミリュ』は、治安も悪化してるらしいこと。
余談だが、『ルーデミリュ』では、
ナイスガイの討伐について
それは単純な
それゆえ、『ルーデミリュ』のギルドランクはこの国のランクと比べて実質的に1つ上のものと見る傾向がある。
「まあ、その分だけ向こうじゃ死んだり怪我で引退する冒険者が多いらしいけどな」
「ダンジョンに入る
「そもそもが、無資格でやってた頃にあまりに
なるほどね、ダンジョンありきでギルドが立ち上がったというのは面白い話だ。
そういや、こっちに来てから魔物ってのを見ていないが、そういった被害はないのだろうか?
「ダンジョン外での『
「あー、そこいらの兎や猪を倒しても無駄だぞ。魔物はダンジョンにしか出ねえからな」
「伝説級の昔の昔、魔物が出現する森とか魔王のいる島があって、そいつらを倒すことで『成長』した記録はある」
「勇者ってのが現れて全てを倒し、平和な世界になったっていう
「なるほど、それじゃ外に魔物はいないんですね……」
道理で森から街までエンカウントがなかったわけだ。あ、世紀末とはエンカウントしたか。
「例外といえば
「でも、魔物を見かけて討伐していったら未発見のダンジョンがあって、その褒賞でその辺りの領主になったって話はありやしたね」
「カスティヨ・デ・ロカ。大陸の東端にある国リトスビアの大都市」
へー、ダンジョン発見で統治権が与えられるとか面白いな。
実際は国から押し付けられたのかもわからないけど、溢れた魔物を倒せる実力があったなら相当強いんだろうし、ダンジョン素材で村を発展とかなかなか異世界チート感ある響きだ。
◇◆◇
「それじゃ、
「うん、また明日よろしくね」
「また明日」
その
それからは、昨日と同じ宿が空いていたので部屋を借り、風呂場で湯を浴びてすぐに寝てしまった。
気付いたら既に朝。窓からの光がまぶしい。ステータスオープンで見てみれば、時刻は
まあ、色々とあった1日だけに、疲れも溜まっていたのかもしれないが、相当な爆睡度合いだった。
冒険者ギルドではギルドマスター案件ではあったが、ほぼ
俺は『身の程知らずの
とはいえ、困った人を助けるのもまた冒険者だとは諭されたので、穏便に済ませてもらった。
その後は精算となったが、
報酬としては、残念ながら賞金首はいなかったので、野盗1人あたり
この金は、全て
あの場で下手に分ける話になると『
前日の打ち合わせ時点で、
ちなみに、野盗たちは犯罪奴隷として売られるそうだ。この褒賞と運搬作業した冒険者たちへの報酬など諸々に、冒険者ギルドの作業料、捕虜や被害者たちへの補填が上乗せされた金額で。
そんなこんなで、1ヶ月後にまた精算のために寄るらしいが、
連絡は冒険者ギルド経由で割と取れるらしいので、何かあれば連絡してこいと軽い感じで、あっさりとした別れだった。
まあ、そんなに遠くないらしいしな。ダンジョン街。
◇◆◇
「……やば」
屋台などが並ぶ道を歩きながら、ひと段落したなと思って今後を考えた時、2つのことを思い出して立ち止まってしまった。
1つは、捕虜として助けられた2人について身元を確認したかったこと。特にクレリック。
元々は、彼女経由で蘇生持ちを紹介してもらえないかという下心もあって探していたのだ。
もちろん、知り合ってしまった人がみすみす死ぬのは寝覚めが悪い、という気持ちでやったのは決して嘘ではなかったが。
もっとも、こちらは別に今すぐ知りたいものでは無いので、そこまで重要ではなかった。
問題なのは、もう1つの方。
……ナイスガイの書いていたレポート、提出するのも
全然中身は見てないけど、世紀末たちの言っていた『貴族に頼まれた』だとか、あの貴族かぶれの伝令だとかの情報と組み合わせると、『
……
とりあえず商業ギルド行って、『マズそうな書類っぽかったんで、他の人の目に触れないようにしときやしたー!(キリッ)』とばかりにボスに渡して、知らぬ存ぜぬを通すことにしよう。うん。
ちなみに、あの伝令とナイスガイと飄々の話してた内容は、言い訳の都合上カットされたので、報告には上がってない。
『自分はただ怪しい羊皮紙を届けただけで、詳しいことは何もわからないっすわー。あとは領主さんとか国の偉い人とかと相談して
ワタシはあくまで
さあ、そうとなればとっとと商業ギルドに届けて、改めて
◇◆◇
「……あっさり、だったな」
いや、本当にあっさりボスに会えて、あっさり事情が受け入れられて、あっさり
ちなみに、昨日の森に向かう前に入れていた連絡で、すぐに冒険者ギルドへ
そのため、
確かに、
それに、
相手が魔道具持ってたり、それこそ盾や前衛には見えないのに状態異常耐性持ちだったりとかな。
……ま、まあ、アレだよな。地道に経験を積んでいくのが一番だってことだよな。
よし、まずは
ちょうど
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