第十四話:冷たい食事なんていらない



「ここよ」


 そう言われた時にはもう完全に落ち着いていた。気持ち悪さも罪悪感も飲み込めている。

 目の前の真っ白い外壁のマンションは四階建てで、エントランスの自動ドアを挟んで左右対称にそれぞれ部屋が広がっているようだ。一辺は左右それぞれ五枚窓が続いて壁が現れ、また窓が五枚並んでいる。


 凪沙が入っていくエントランスの壁にはマンション名とその下にAコートと書かれた金属製の表札が埋め込まれていた。近くに建っている似た外観の六棟も同じ系列なんだろう。


 俺も自動ドアをくぐって風除室に入るとそこは電球色の灯に照らされていた。内装は木と艶のある白い壁の二色でシックにまとまっていた。左右の壁に郵便受けと大きめの受け渡しロッカーがそれぞれ八個ずつ埋め込まれたようについている。正面には少し離れてもう一枚、木とガラスで出来たドアとそのすぐ右手にオートロックの操作盤がある。


 凪沙は慣れた手つきで操作盤に取り出した鍵を差し込んでドアを開けるとさらに中へと進んでいく。無言の彼女に着いていくと、すぐ目の前にあったエレベーターの手前でもう一度凪沙は操作ボタンの下にある穴に鍵を差し込んでからエレベーターを呼んだ。二重のオートロックらしい。


 降りてきたエレベーターに乗り込むと、鍵と連動しているのかすでに四階のボタンが押されていて自動的に動き出す。最上階で降りた凪沙は左手奥の通路に進んで壁沿いに一つだけあった玄関のドアを開けた。


 入った玄関は思ったよりも殺風景だった。例えば壺だとか観葉植物など置物は特になく、白い扉付きの靴箱があるだけで、出ている靴は凪沙のものと今から俺が脱ぐ靴だけ。砂埃などの汚れも全くなく、ほとんど人の出入りがないことが伺える。


「スリッパはそれ使って」


「うん」


 何気なく差し出された履き物に足を入れて室内に踏み込む。

 直後、凪沙によってつけられた電気によって現れたリビングに思わずうわぁ、とため息が漏れた。


 世界が違った。そこは普段行っている教室より広く感じるほどだった。

 一面真っ白い壁と薄茶色のフローリングが広々とした室内の枠を作っている。一般家庭で見慣れたシーリングライトもエアコンもこの部屋にはない。壁と同じく白い天井は部屋を四分割するように四つの長方形に凹んでいてその側面に細長いライトが横向きについている。その凹みのうち二つの中心に業務用のエアコンが収まっていた。


 さらに奥の壁には遠くから見ても分かる大型のテレビがかかっていて、正面には黒い四人がけくらいのソファが置かれている。驚いたのはテレビの周りだけではなくソファの後ろにもスピーカーが置かれていることだった。映画を見るとさぞ没入感が凄いのだろう。


 あまり家具を置いていない事もあって余計に広く、そしてあまり生活感がないように見えてしまう部屋だった。

 全体的に規模が大きくて自分が小さくなった気がしてくる。なんとなく鹿の頭とかが壁に掛かっていないだけ安心していた。


「凪沙もピアノ弾くの?」


 その中でテレビより手前側に置いてあるアップライトピアノが気になった。少ない家具の中で生活必需品でもないものが場違いに感じた。

 凪沙は首を横に振った。


「昔、役作りのためって言ってあの人が買ったの。結局一度も弾かなかったみたいだけど」


「なるほど」


 言うまでもなく凪沙の母親だろう。そんな風にピアノ一台を買うことが出来てしまうのが入月家らしい。改めて住む世界の違いを見せつけられる。

 同時にこんなところに凪沙は一人で暮らしているのかと思うと一抹の寂しさを覚えた。


「それより早く荷物置いて。簡単に部屋を案内するわ。トイレとか分からないと大変だろうし」


 その言葉に、右手側にあったダイニングテーブルに買ったものを置いて凪沙の後についていく。連れられたトイレは自分の家にあるトイレの二倍は広かったり、一度折れた廊下に沿って三つ並んだ部屋の内の一つは来客用だったりと室内の広さは止まらなかった。


 極めつけは洗面所の水道、なぜか二個並んで着いていた。困惑しながら凪沙と並んで手を洗ってリビングに戻った。

 そういえばまだキッチンを見ていないと思っていたら「こっち」と買い物袋をもった凪沙がダイニングテーブルの奥の壁の隅にあった扉に向かった。


 引き戸の先はまた景色が変わった。白い四十センチほどの正方形が敷き詰められた床に、光沢のある黒色がメインのシステムキッチンだった。六畳ほどの長方形の部屋は長辺が丸々調理台になっている。その下には食洗機やオーブンも収まっていた。


 この広い空間で今からカレーを作るらしい。キッチンの異質感とカレーという馴染みのある料理に何か歪なものを感じながらも食材を出し始めた凪沙の隣に並ぶ。


「鍋や包丁はどこにある?」


「それはここ」


 しゃがんだ凪沙は足下の扉を開けて鍋とまな板二枚を取り出し、扉の内側に収まっていた包丁を二本抜いて調理台に置いたまな板の上に重ねた。


「そういえば始める前にこれ着ないと」


 そう言って調理台とは反対側の壁にある棚の扉を開けると凪沙は二着のエプロンを取り出した。

 紺色のシンプルな方を俺に渡すと、自分は薄ピンクのものを制服の上から着て後ろ手に髪を一つに結った。捲った袖から見える白い肌が灯の下にさらされる。

 その新鮮な姿に目が奪われた。素直に可愛いと思えた。


「どうかした?」


「いや、似合っていて可愛いなと思って」


「そう」


 相変わらず特に気にしないように頷いた凪沙は野菜を洗い始めた。

 初めて目にする家庭的な姿は様になっていて、とても料理は慣れていないと言った人とは別人みたいだった。もしかしたらただの謙遜だったのかもしれない。

 また少しだけ見つめてしまっていると凪沙が手を動かしたまま言った。


「史仁君も手伝って」


「あぁごめん」


 とりあえず鍋はコンロに置いて、重なったままのまな板を二枚並べ直して俺も野菜を洗い始めた。

 あの後選んだのはジャガイモとにんじん、タマネギ、そして牛のバラ肉。シンプルなもので構わないという凪沙の要求の通りにした。


 まだ凪沙の手をつけていないタマネギを取って薄皮を剥いていく。皮がなくなったら洗い茎と根を包丁の角を使って取り除いてくし切りにしていく。そうすることで煮込んでいる間にバラバラになって固さも大きさも食べやすくなってくれる。


 それにしても包丁の切れ味がとても良い。全く力を入れなくてもストンストンと刃が通ってタマネギを小さくしていく。切ると言うよりは間にタマネギを挟みながらまな板に向かって刃を落とす感覚に近い。切り込みを入れる場所を決めるだけで後は自動で切れていくようだった。


 二人分という量もあって一個のタマネギはすぐに切り終えてしまった。

 隣を見ると凪沙がにんじんを切りにかかっている。俺は凪沙が皮まで剥いてくれたジャガイモ二個を一口大に切ることにした。


 時々気になる芽を取りつつこちらも軽い力で今回は乱切りにする。一つを縦半分に、出来たものも同じく縦半分に切って四等分にする。その内の一つを横向きに置いて右から斜めに三つに切り分ける。最初に四等分したものの残りと、もう一個丸々残ったジャガイモにも同じように包丁を入れれば完了。ジャガイモの準備も出来た。


 後はにんじんだけだと隣のまな板を見た俺は「えっ」と声を出してしまった。その声に気付いたのか、凪沙はにんじんを切っていた手を止めて肩をすぼめた。


「慣れてないって言ったわ、私は」


「まだ何も言ってないけど」


「言うつもりよね」


「……まぁね」


 ばつの悪そうに目を背ける凪沙の手元には大きさがバラバラのにんじんがいくらか横たわっていた。どうやったのか切り込む角度も異なっているみたいで切り口が色んな方向を向いている。まるで適当にいくらか掴んだ将棋の駒を盤の上に振り投げたみたいな光景だ。


 小気味良い音は聞こえてこなかったから苦労しているのかとは思っていたけれど、まさかここまで苦戦しているとは思わなかった。

 そんな凪沙の料理下手な一面を知って笑いがこみ上げてきた。皮をむくところまではスマートに進んでいたからなおさら落差が面白さに拍車をかける。


「なんというか、バラエティに富んだにんじんだな。俺は嫌いじゃないよ」


 笑うのを堪えた声は少し震えてしまった。


「馬鹿にしないで。初めてだから慣れてないだけなの」


「それなら仕方ないね。とりあえず大きさはもう少し揃えられるものだけ揃えるか」


「……うん」


 小さく頷いた凪沙は残ったにんじんのうち比較的大きいものに包丁を入れようとするも、その手つきは見ていて危なっかしかった。特に切れ味が良すぎる分心配だ。

 たまらず「ちょっと待って」と止めて後ろから彼女の両手を支える。


「包丁を握る手に力入りすぎだし、切ろうしているにんじんもそんな力入れて支えないで。安定しなくて怖いなら切り口を下にすればいいから」


「あぅ、ん」


 か細い声をすぐ近くに聞きながらオレンジ色の身に包丁を入れていく。身長が対して変わらないせいで後ろからだと高い位置にある肩口から覗き込まなきゃいけなくなって見えづらかった。だからこそより気を使って凪沙の手を動かす。

 

 凪沙も凪沙で素直に俺に動かされながらにんじんの大きさを整えていく。ついでにまだ切りきっていなかった残りにも手をつけて全てを切り終えた。

 そこまでやって安心して凪沙から離れた。


「これで整ったと思うけどよさそう?」


「う、うん。ありがとう」


 俯いたままの凪沙は消え入るような声で言った。一つに髪が結われたことで露わになった耳はさっきまで握っていた手よりも明らかに赤くなっていた。

 今更ながらやり過ぎたと気付く。完全に子供相手のつもりでやっていたけれど凪沙からすれば同級生に後ろから抱きつかれたようなものだった。俺に対してそこまで好意がなかったとしても気にしてしまうのは無理もない。逆の立場だったらきっと俺もドギマギしていた。


「あっ、ごめん。あんまり考えてなかった」


「い、いぇ、私が慣れていなかっただけだから、気にしないで」


「そっか。それにしてもこんなに不器用だとは思わなかったよ。可愛いところあるんだな」


「か、可愛、い……」


 凪沙は両手を調理台に置いたままいつもは伸びている背筋をさらに丸めた。

 なんだよその反応、と声に出さずに突っ込む。


 話題を逸らそうとした上で可愛いという言葉を出してしまったのは悪かったかもしれないけれど、いつもはなんの反応もせずに受け流していただろ。さっきだって何も思っていなさそうだっただろ。なのにどうして今ばかりそんな恥ずかしがるんだよ。


 凪沙がなんの可愛いに照れて、照れないのかその基準がいまいちよく分からない。

 気まずさを誤魔化すように口と体を動かす。


「とりあえず続きやっていこう。まずはタマネギ炒めるか」


 鍋を火にかけてサラダ油を引く。


「うん」


 小さく頷いた凪沙の顔は逸らされたまま見えなかったけれど依然赤い耳がその内心をしっかりと代弁していた。

 そんな凪沙は普通の女の子であることには変わりないんだと思えた。例えどれだけ豪勢な家に住んでいようとも、中身はただの不器用な女子高生だ。




 切ることさえ乗り越えてしまえば後は特に躓くところもなくカレーは完成した。苦手なのは切る事だけだったようだ。あく取りも最初は何を掬えばいいのか分かっていなさそうだったけれど教えるとすぐに理解したし、どれだけ炒めればいいのか不安そうにしながらも横から少し声をかければなるほどと言って上手くやっていた。


 料理自体が下手というわけではなく手先が不器用なところが問題だったらしい。

 そうやって出来たカレーはというと。


「うん、美味しいな」


「そうね」


 四人がけのダイニングテーブルに向かい合って座る凪沙と頷き合った。次々にスプーンでカレーを口に運んでいく彼女は髪を下ろしてすっかりいつもの調子に戻っていた。


 具材も具材と言うこともあってか味は無難なカレー。カレーと言えばこの味だよなと思えるくらいのちゃんとした普通のカレーだった。

 それでも満足なのか凪沙は心なしか嬉しそうな気がした。


「思っていたよりも美味しいわ」


「それはよかったな。手伝った甲斐があったよ」


「カレーは下手に作る方が難しいって本当なのね」


「変に格好つけて隠し味を入れ込もうとしなければ味は外れないからな。時々不思議なにんじんが出てくるだけで」


 掬ったスプーンにオレンジ色のやけに鋭利な三角錐が乗っているのを見ながら言うと、凪沙は少しだけ睨みを利かせてきた。


「史仁君が整えてくれたやつよ、きっと」


「ここまで尖ったのに関与した覚えはないよ」


「……味は変わらないからいいの」


「間違いない」


 揶揄うようにスプーンを掲げると凪沙は「意地悪ね」不満そうに視線を逸らしてカレーを口に運んだ。その仕草が面白くてついまた笑う。どれだけ経っても薄い反応ながら拗ねたような凪沙は初めて見た。

 こんな不器用なところを見ると今まで何でも出来ると思っていたことが馬鹿らしくなってくる。


「でもこんな調子だと学校の調理実習の時はどうしてたの?」


 中学では授業で調理実習はあったはずだ。花村や他にも同じ中学だった人はいるはずなのに彼女は不器用なことを全く知らずに何でも出来る凪沙に嫉妬していた。それが少し不思議だ。あの包丁捌きを見ればそんなイメージはすぐに崩れているはずだ。

 凪沙はいつもの調子で言った。


「私は皮剥いてばかりいたから、ピーラーで」


「なるほど」


 それなら芯まで削り取らない限りは失敗も不手際も見せることはない。今日もそこまでの手際が良かったのはそういうことか。


「でも、どうしてピーラー係なんかに? 切ったりするのも順番でやりそうなものだけど」


「皮を剥くのが一番楽だったからよ。何か話をしなきゃいけない事が出てくるわけではないし、誰かに何かを聞く必要がある作業でもないでしょ。だからピーラーは誰にも譲らなかったの。そうしていると、皮むきはやって貰ったからって切る作業からは外されてきたのよ」


「そっか」


 基本的に他人の事を好いていない凪沙だからそれも仕方なかったのかもしれない。ついでに自分の不得手を隠すことも同時に行っていたのは凪沙の上手いところだ。


「それより史仁君が料理に慣れている方が少し驚いた。普段からするの?」


「まぁ、時々簡単なものくらいはね」


「そう。意外と史仁君も料理に興味あったのね」


「そういうわけじゃないよ。必要に迫られたらやっていたってだけ。もう最近はしていなかったし」


 一人暮らしをしていれば作る時も出てきただけだ。安い食材をかき集めて相性考えずにひとまとめの野菜炒めにするか、名前もなさそうな腹を満たすための料理を仕上げるくらいしかなかったけれど。


 そう考えると食べるものにこだわっていなかったという点では、手間の差はあっても凪沙とあまり変わらなかったのかもしれない。とりあえずお腹を満たして命を持続していればいい。そのくらいしか考えていなかったのだから。

 そうやって食に対する関心がなくなることも自殺の前兆になるのかもしれない。要らない発見だ。


「逆に凪沙はなんで食事が嫌いなの?」


 買い物の最中、凪沙はそう言っていた。食事が嫌いだから食べるものにはこだわらずにエナジーバーと野菜ジュース、そしてサプリに頼っている。そもそもの嫌いになる原因はなんなのだろう。食事自体の好き嫌いである以上、自殺を考え始めたからその食生活を始めた、という順序ではなさそうだ。

 凪沙は動かしていた手を止めてうつむき、フォークをカレーに浸して静かに言った。


「昔はずっとお弁当だったの」


「弁当?」


「そう、お弁当。小学生の時は朝起きたら毎日このテーブルに二つ、どこかで買ったお弁当が置いてあった。その時はまだ、二人のどちらかは夜遅くなっても家には帰ってきていたから。そして次の日の私のご飯を置いてまたいつの間にかいなくなっていた。二人なりのこだわりなのかは分からないけれど、コンビニの弁当はなかったわね。別にそんなものどうでもよかったのに。私はそれを朝と夜、温め直して食べていた。もちろん一人でね」


 話をする凪沙は懐かしむ様子もなくただ言葉を並べていく。


「そうして一人で黙々と食べていると途中から味気なくなってくるの。決まって用意されているものをただ食べるだけの毎日に飽きたのね。そしてこれは餌なんだなって思い至った」


 両親からすれば出来るなりのことをやっていたのかもしれないけれど、その気持ちは小学生の凪沙には届かなかったということか。


「中学になると学校の給食がなくなったから、置いてある弁当は三つに増えたわ。最初はそのまま学校に持って行っちゃたけれど、それだと目立つからすぐにお弁当箱に移し替えて持って行くようにもなった。でも中学二年になってからはテーブルの上には弁当は置かれなくなった。代わりに私の為に用意された通帳とカードを渡されて、これで何か食べてって」


 自嘲気味に凪沙が口元を歪めた。その目は笑ってはいない。


「いきなりそんなこと言われても困ったわ。だっていつも用意されていたものがどこに売っているのか分からないし、自分で食べるものを決めろと言われても何がいいのかなんて分からなかったから。最初はコンビニやスーパーでお弁当を買っていたのだけれど、何を食べても味気ないのは変わらなかったの。そんなことを続けていたら食べることが嫌になってきた。美味しくもないものを義務的に口にしなきゃいけない時間が苦痛になってきたの。だから私は食事が嫌いになった。好きになれるはずないから。単純な話よね?」


「……エナジーバーばかりの理由もそれか」


「そう。無理してたくさん食べるよりエナジーバーと野菜ジュース、サプリにした方が楽だって気が付いたから」


 食事の時間そのものが苦痛になっているからそれを極端に短くしたい。そのために効率性を求めてたどり着いたのが今のスタイル。とても合理的で可哀想な答えだった。


「でも今日は違うの」


 凪沙は顔を上げて笑った。慣れていないみたいな笑顔だけれどちゃんと目元も緩んでいた。


「ちゃんと味を感じて、美味しいって思えている。だからきっと私は少しくらいは…………カレーを好きになれそう」


 凪沙は何かを言いかけた口を一度止めて、手元のカレーに目を落として囁いた。笑みをたたえながらもどこか寂しげに見えた。

 彼女の口の奥に戻っていた言葉がなんなのか俺には想像も出来ない。それでもその言葉を薄めたものがカレーを好きになれそう、という気持ちだということは伝わってきた。


「それならよかった」


 俺はできるだけ誠実そうに見えるように笑って頷いた。

 凪沙が何を言おうとしたのか、その疑問は好きになれそうと言われたカレーと共に飲み込んだ。言葉を濁された以上、自分から話す気がないのはよく分かっている。これも俺が考えなければならないことなのだろう。


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