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「相葉さんのご職業は大学の先生なんですよね?」
と緑葉は言った。
「はい。大学で学生に勉強を教えています。専門は数学です」と幹さんはいう。
「……数学。相葉さんはとても頭がいいんですね」
「そんなことはありませんよ」とにっこりと笑って幹さんは言った。
「緑葉さんは数学はお好きですか?」
「えっと、……残念ながら、苦手です」と恥ずかしそうにしながら緑葉は正直にそう言った。(するとくすっと幹さんは子供っぽい表情で笑った)
幹さんはこの国で一番頭のいい大学の卒業生で、(高校もこの国で一番と言われている男子高校の出身だった。つまりとても頭がいいのだ)仕事をしている大学も、やっぱり、同じ大学だった。
お姉ちゃんの青葉が通っていた歴史ある古い名門のお嬢様学校と同じ学校に通っている緑葉はそれなりに勉強はできたほうなのだけど、幹さんと比べるとその違いは明らかだった。
そこで二人の会話はまた止まった。
「気分転換に少し庭を歩きませんか?」
そんなことを幹さんが言った。
「はい。そうしましょう」
と緊張しながら、緑葉は言った。(移動するとき、緑葉は足が痺れてしまっていて、立ち上がるのに少し時間がかかってしまった。幹さんはそんな緑葉の様子に気がつかないふりをしてゆっくりと行動をしてくれた)
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