第54話 職人探し
元魔王のエルフマクティスに完敗したロッサは修行をしながら村を開拓していくことになった。
先ず初めにロッサが行ったのは職人を探すこと、とりあえず職人が村に来てくれれば建築も衣服も鍛冶も盛んになると思っていたロッサ。
「職人と言ったらドルガリンでしょ!」
そう言うとロッサはドワーフの国ドルガリンに転移して行った。ドルガリンに着くと早速ガジル王に会いに行って事情を説明してみるとガジル王はこう言った。
「ふむ。職人を探しているとな・・・。うーむ。職人を紹介しても良いがこの国から出て行く者がおるかどうか・・・。」
「難しそうですか?」
ガジル王は暫く考えた後ハッとしてロッサに言った。
「おお!一人いるぞ!ちと正確に難があるがこの国から出たがっている奴が!おい。早急にあやつを連れてこい!」
そう言うとドルガリンの兵士が走ってその職人の所へ向かって行った。
ロッサはどういう職人なのかガジル王に尋ねた。
「どういう職人さんなんですか?」
「うむ。そやつの名はバーゼルと言ってな、鍛冶・被服・建築等色々な物づくりのエキスパートと言った所だな。わが国でくすぶっているのだ。」
ロッサ達は職人の話をしていると遠くから中々荒々しい声が聞こえてきた。
「なんでぇなんでぇ!王様直々に用ってのは!」
鍛冶服の様な格好をしているドワーフが一人ガジル王とロッサの前に現れた。
「うむ。よく来たなバーゼルよ。」
やって来た男はバーゼルと言う名の先程話していた職人だったのだ。
「この俺に用とはなんでぇ!」
ガジル王はロッサを紹介すると訳を説明してロッサの村の開拓を手伝って欲しいことを伝えてみた。するとバーゼルはこう言った。
「まあ、いいだろうよ!この国でやれることはもう何もねぇと思っていた所だ!この俺の腕が振れるってんなら使ってくれ!」
ロッサは迫力あるバーゼルに押されながらロッサも改めて自己紹介をした。自己紹介を済ますと早速バーゼルを自分の村に連れてきた。
「おお!ここがロッサの村かぁ!中々良い場所じゃねぇかぁ!やりがいがあるってもんだぜ!」
ロッサはマクティスに村にやってきたバーゼルを紹介した。マクティスは一言挨拶をすると去って行った。
するとバーゼルが早速やる気に満ち溢れた感じでロッサに言った。
「さあ何をする?家か?服か?武器か?何でも言ってくれ!」
「とりあえず家かな・・・。もうちょっと頑丈な家を作りたいな。」
「任せとけ!それじゃあちょっと人を集めて来るからなぁ!」
そう言うとバーゼルは村の中に入っていくと男手をかき集めに行った。ロッサはバーゼルが戻ってくるまで待っていたがマクティスがやって来てこう言った。
「さあ、修行の時間ですよ。」
ロッサはいきなりそう言われたものだから驚いた。
「い、今ですか?」
「えぇ、今ですよ。時間が出来たと思いますので。」
そう言うとマクティスは魔法で空間を作り出すとその中に入れというのだ。
「この中で何を?」
「この中で何をするのかは自分次第ですよ。ただこの中では重力がこの星の五倍で気温が上下激しく移り変わり生半可な覚悟ではすぐに死んでしまいますよ。」
ロッサはゴクリと息を飲み呼吸を整える。
「ふぅ、よし!行きます!」
ロッサは空間の中に入ると空間の入り口が塞がれようとしていた瞬間にマクティスに言われた。
「その中の一時間ははこちらでは一分ですから楽しんできてくださいね。時間になったら呼びますので。」
突然言われたので聞き返そうとするロッサ。
「え、ちょっ!」
空間の入り口が閉じられた瞬間重力が重くのしかかる。
「おぉ、これが五倍の重力かぁ。きっついなぁ。」
そしてロッサはバーゼルが準備を終わらせる間に無の空間で修行をし始めたのだった。
「大変そうだなぁ。」
次回へ続く・・・。
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