第49話 再戦
魔王ノーティカとの戦いを終えてデリオールの城で一晩休んだロッサ達。一晩休むと改めて魚人の剣豪に挨拶するとロッサ達は颯爽とデリオールを出て行こうといしていた。するとアリスが駄々をこねはじめた。
「なんでなのだ!もっとここにいるのだ!」
ロッサは少し困りながらアリスに言った。
「そうはいかないよ。ここに居たら魔王ノーティカにこの国が狙われるかもしれないからね。何せ僕はきっと恨まれているだろうから。」
ロッサはそう言うとその場を後にした。デリオールから出たロッサ達は今後どうするか考えていた。
「どうしようかなぁ。魔王ノーティカを倒したは良いもののあの魔王のことだから相当恨んでるだろうなぁ。襲ってきたらどうしよう。」
するとマナが簡単な話だとロッサに言った。
「なぁに。また来たら倒せばいいのよ。」
「ま、そうだね。」
ロッサは魔王ノーティカと戦い気付いたことが一つある。魔王ノーティカは魔王最弱と言われていた魔王ロックハートよりも弱いと感じていたのだ。
「なんでだろう。魔王ロックハートの方が強いんだけどなぁ」
魔王ロックハートとの修行の中でロッサの中で何かが動き始めていた。魔王の素質が開花しつつあったのだ。何かのきっかけがあればいつでも魔王に覚醒するだろう。
「堕落しすぎなんだろう魔王ノーティカは。」
アリッサがそう言うとロッサ達が進んでいた道の目の前に雷が落ちてきたのであった。落ちてきた雷の先には居たのはなんと魔王ノーティカだった。懲りずにロッサを倒す為に追いかけてきたのである。
「見つけたぞぉ!貴様らぁ!」
魔王ノーティカは怒りに満ち溢れていて全身の毛という毛が逆立っていた。目は赤くなり全身からゆらゆらオーラが揺らめいている。明らかに前回の魔王ノーティカとはオーラが違った。
「すごいなぁ。怒りの力でここまで強くなれるなんて。」
「ちょっと!こいつ正気じゃないんじゃない?大丈夫?」
「わ、私とボロクソ言ったから怒って・・・。」
「それはねぇよ。」
グローリはアリッサに軽くツッコむ。
すると魔王ノーティカは見境なくロッサに攻撃してきた。
「おらぁ!」
魔王ノーティカは素手で猛烈な連打をして来た。ロッサはギリギリだがそれを受け止める。ロッサは魔王ノーティカの連打を受けながらこう言っていた。
「これも良い修行だな!」
「何言ってんのよ!早くやっちゃいなさいよ!」
「まあいいじゃねぇか!アイツが本気を出すところを見れるかもよ?」
ロッサは猛烈な連打の隙をかいくぐり反撃する。魔王ノーティカの一瞬のその隙に渾身で本気のパンチを一撃腹に食らわせたのだった。
「ぐほぉ!こ、こしゃくな!」
そう言うとロッサの顔面に魔王ノーティカの一撃が当たって魔王ノーティカは喜んでいた。
「はっはっは!食らったな我の本気の一撃を!」
しかしロッサにダメージが入ったもののそれ程効いていなかった。
「あまり人間を舐めてちゃいけないよ!」
そう言うとロッサは物凄い速さで魔王ノーティカに連打の攻撃を仕掛けて行った。一発一発が重くて速くその攻撃をもろに食らい続けた魔王ノーティカはボロボロになっていた。
「ぐあぁ、おぉ。」
攻撃をまともに食らい続けた魔王ノーティカから殺気に満ちた怒りのオーラは消えており以前の普通の状態に戻っていた。ロッサは最後の一撃を魔王ノーティカに食らわせる。
「これで終わりだよ!」
棒立ちの魔王ノーティカの顔面に思い切りパンチを浴びせるロッサ。魔王ノーティカはたまらずその場に膝をつき倒れた。
「やったわ!ロッサがまた勝ったのよ!」
「これが今のロッサの実力かぁ。とんでもねぇな。」
「末恐ろしい・・・。」
ロッサは自分の強さに手応えを感じていたがまだまだだと改めて思った。皆を守るためにはもっと強くならねばと。
その場に倒れた魔王ノーティカをどうするか悩んでいたロッサは魔王ゾールに丸投げしようと空間転移で魔王ゾールの元へ転移した。
「はっはっはっ!また会ったなロッサよ!私と戦え!」
「あ!ちょっとこの魔王どうにかしといて!それじゃ!」
すぐさま逃げるように転移をして行ったロッサだった。
「えっ?何この状況・・・。」
目の前には白目を向いた魔王ノーティカが横たわっているのである。魔王ゾールは何とも言えないこの状況に困惑していた。すると近くに居た魔王ゾールの側近が魔王ゾールに言った。
「とりあえず魔王ノーティカ様を海底都市アクアに送り届けましょう。」
「ロッサめぇ!今度会ったら絶対に戦うからなぁ!」
魔王ゾールの元から帰ってきたロッサは一段落して改めて思った。
(多分だけど本気のゾールに今戦っても敵わないんだよなぁ。どうしようか。)
とりあえず旅を再開させるロッサ達はまた強くなるために模索し続けるのであった。
「強くなることは簡単じゃないんだなぁ。」
次回へ続く・・・。
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