第39話 ロックハートの手下

 次なる目的地へと進み続けていたロッサ達は歩き疲れていた。するとマナは歩きながら言った。


「はぁ。あとどれくらいなのぉ?」


「今五百キロくらいかな歩いたの。」


「三日で五百キロくらいか。先は長いな!」


 アリッサはまだ余裕そうだった。


「な、なんでそんなに疲れていないんだぁ。」


 グローリが疲れながらアリッサに言った。そしてアリッサがグローリにこう言った。


「鍛え方が違うのさ。」


 そんな事を言いながら歩き続けていた。するとロッサが何やら文句を言っていたのだ。


「ゾールの奴。途中に村や町があるとか言いながらないじゃないか!」


 ロッサは魔王ゾールと仲が深まっておりゾールと呼び捨てをするほどの仲になっていた。


「休憩したーーーーい!」


 そう言うマナにロッサは了承する。そろそろ夜にもなるので野営をすることにしたロッサ達。火を起こした後ゆっくりしていたロッサ達は背後から妙な気配を感じていた。その妙な気配が気になりロッサは言った。


「誰だ!そこにいるのは!」


 暗闇の中から現れたのは一人の男だった。そして男はこう言った。


「私は魔王ロックハート様の使いだ。ここで力を試させてもらう!」


 そう言うと男の後ろから三人の手下と思われる人達が出てきた。するとグローリがやる気を見せながらこう言った。


「よし!これは試練だな!やるぞ!」


 丁度相手は四人。こちらは四人と・・・二匹。二匹は待機する。四人はそれぞれ散らばり戦い始めた。魔王ロックハートの手下達は強かったのだがロッサ達の方が断然強いので呆気なく戦いが終わった。倒されたリーダーの男が何か言っていた。


「うぐっ。流石に強いな。」


 ロッサは自分達がくつろいでいる所にやって来た事に不満があるらしく男に聞いていた。


「なんでこんな時間に襲いに来たんだ?!」


 すると男は意外な事を口にした。


「ヴァンパイアのイメージって夜って感じだろと魔王様が言っていたので夜に来たんだ。」


 その言葉を聞いた時ロッサは肩を落とし呆れていた。


「は、はぁ・・・。」


 マナは意外と好印象を持っていた。


「魔王ロックハートって意外と面白い奴?」


 男達は立ち上がると捨て台詞を吐いていた。 


「ふっ。そろそろ私達は退散させてもらう。お前たち行くぞ!」

 

 そう言うと魔王ロックハートの手下達は去って行った。


「噂の冒険者はどうだった?」


 魔王ロックハートの手下が謎の声と会話している。男は答えた。


「はい。中々手強そうでした。我々は呆気なくやられてしまいました。」


「そうか!この私に挑もうとする奴がどのくらい強いか確かめてみたが呆気なくやられたか!楽しみだ!待っているぞ!」


 ロッサ達は魔王ロックハートに楽しみにされている事を知らずにまた先へ進むのであった。


 そして一週間が過ぎた頃ようやく村に着いたロッサ達だったのだ。


「はぁはぁ!や、やっと着いた・・・。」


 マナが村の中にいる数人の村人を見ると赤い瞳をした人間達が住んでいることを確認するとこう言った。


「ここは私と同じヴァンパイアの村だわ!」


 すると一人の女の村人がこちらに気付いてくれた様で近づいてきた。


「やぁ!いらっしゃい!そこの娘さんはヴァンパイアね?見た所百歳くらいかしら。魔王様に挑もうとしている冒険者ってあなた達かしら?」


 ロッサ達は身構える。すると村女はこう言った。


「そんなに身構えなくてもいいわよ。魔王様は意外と楽しみにしているらしいから私達の所に来たらもてなすように言われているのよ。」


 その言葉を聞いたマナが息を深く吐くとこう言った。


「良かった。私だって同種の人間と争いたくなかったからね!」


 するとロッサ達は警戒を解くとロッサが言った。


「それじゃあお言葉に甘えさせてもらって休ませてもらおうかな。」


 村で休憩をさせてもらうロッサ達は魔王との戦いに備えて休むのであった。


「魔王もやる気だなぁ。」


次回へ続く・・・。

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