第31話 王女との遊び

 刺激的な朝を迎えたロッサは少し惚けたあとぶるぶるち頭を横に震わせ正気に戻った。


「そろそろ朝食を食べに行こうかな。」


 すると丁度いいタイミングで城のメイドがロッサを朝食の準備が出来たと呼びに来てくれていた。ロッサはメイドに連れられ朝食がある大広間にやってきた。ロッサ以外の皆はとっくに集められておりロッサは最後にやって来たのだった。マナはというと何事も無かった感じでロッサに言った。


「ロッサ!早くこっちに来なさいよ!」


 先程のマナとは全然違う態度にロッサは拍子抜けした。その後デニス王とアリスがやって来て朝食を一緒に食べた後アリスが一つ提案をして来た。


「なぁなぁ!これから私と遊びに行かないか?」


 そう言うと町に繰り出してアリスが町を案内すると言い出したのだった。


「おぉ!それはいい考えだ!アリスよ!ロッサ達にこの国を案内して回ると良い!」


 アリスとデニス王がそう言うとロッサはアリスにデリオールを案内してもらうことにした。


 城を出ると色々な場所を案内してくれた。町へ出ると皆アリスに笑って話しかけてきていた。大分人気者のようだ。


 何か所か回った後に冒険者ギルドにもやって来たロッサ達は驚いたことがあった。なんとアリスは冒険者でもあったのだった。ランクはAマイナス。かなりの実力者で魔法と短剣を使うバトルスタイルらしい。思わ趣味?を知ったロッサ達はそんなに強いアリスに何故護衛が必要だったのか聞いた。


「いやぁあ。あの時は他所から帰って来ていた所で装備なんか持っていなくてなぁ!なんにもできなかったのだぁ!」


「そりゃあ!しょうがなかったな!」


 グローリは笑っていたがマナは呆れていた。


「いついかなる時も何があるか分からないんだから装備食らい隠し持っていなさいよ!」


「あはははは!てへっなのだ!」


 そんな事を言いながらアリスはまた町の中を案内してくれた。一通り案内してくれた後アリスはまた提案をして来た。


「今度は私とパーティを組んでクエストに行かないか?」


 アリスが言った時ロッサは国王の目もある事を思いアリスに言った。


「いいの?そんなに勝手なことしても。」


「大丈夫なのだ!私は強いのだ!」


 まるで会話が成立していないアリスにアリッサが呟く。


「そういう事じゃないと思うのだが・・・。」


 そう言うと軽い依頼をこなそうとAランクの大型フロッグの討伐をやりに行った。大型フロッグの出現場所に着いたロッサ達は早速討伐しようとするとアリスが一目散に大型フロッグの元へ走っていき大型フロッグを倒しにかかるアリス。なんという速さと動きであるか、さすがはAランク冒険者である。そんなこんなで大型フロッグの討伐は容易に終わった。


「いやぁ!楽しかったのだ!」


 ロッサは意外に強かったアリスを見直していた。


「まさかあんなに強かったなんてなぁ・・・。」


 マナはロッサの隣で小さく呟いた。


「や、やるわね。」


 クエストから帰ってきたところで町の中で城の兵士から連絡がきた。


「アリス様!国王様が倒れました!急いで城へお戻りを!」


 国王に何があったのかロッサ達は急いで城へ戻るのであった。


「こりゃあ大変だぁ!」


次回へ続く・・・。

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