第21話 修行の終わり

 眠りから覚めたロッサは夢の中で聞き覚えのある声に何か言われた事を覚えていなかった。ロッサはうろ覚えであった。


「なんかあったような・・・。」


 そんな事は気にもせず修行を開始するロッサ達。白鬼(はっき)に連れられ滝行を一時間行った。水はとても冷たく流れてくる水の勢いも凄く耐えられるか心配していたが一時間何とか滝行を耐えて見せたロッサとグローリであった。すると白鬼が次の修行を催促してきた。


「ほっほっほ。それじゃあ次は狩りをしてから剣を振るう修行じゃ!」


 山にいる動物を狩りに行くと慣れない場所での狩りはおぼつかず上手く狩りが出来なかったが何とか鹿らしき動物を狩る事が出来た。


 解体する前ロッサは動物に「いただきます。」と手を合わせると解体をして肉を剝ぎ取った。


 肉を焼く時間は剣を振るい続ける。肉が焼けたら食う。そしてまた剣を振るうというのを夕方まで過ごし夜になったら余った肉を食らい眠る。そんな修行を半年間続けた。すると半年間の過酷な修行のおかげか集中力も体力も大幅に向上されていて見違えるほどだったのだ。


「さぁ。もういいじゃろう。帰るかの・・・。」


 修行をしすぎたせいかおかしな様子の二人は白鬼の号令に応えた。


「はい。師匠。」


 まるでケン〇ロウみたいな出で立ちで白鬼に付いていくロッサとグローリ。 


 そして鬼の里へ帰ってきた二人はマナの元へ向かった。マナの元へ着いた二人は違う世界の住人のような出で立ちだった。目の前にいるマナに低い声で話しかけていた。


「やぁ。マナ。調子はどうだい?。」


 続けてグローリが話しかける。


「元気そうだな。」


 二人のあまりの変わりようにマナが叫ぶ。


「な!なんなのよその姿はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 同時に二人の頭を強く叩くと二人の姿が元に戻った。


「は!僕は一体何を!」


「なんか拳を鍛え上げた戦士になったような気が・・・。」


 自分達が変わり果てた姿になったのを忘れていたらしくマナはそんな事はどうでもいいと二人の前に立って言った。


「そんな事はどうでもいいのよ!それより私の魔力に何か感じないわけぇ?」


 そう言うマナの魔力量をロッサは確認してみたら物凄い魔力量になっていた。この一年でマナの魔力値は二千程度だったのが五千程になっていた。ロッサは素直にマナの頑張りを褒め称えた。


「すごいじゃないか!よくここまで魔力を高められたね!」


 するとマナは自信満々にとてつもない魔力の魔法を放って見せた。


「見てなさい!炎の魔法も習得したんだから!ファイアイグニスト!」


 大きな炎の球がマナの頭上に現れ遠くの荒れ地に勢いよく落として見せた。すると凄まじい範囲の穴ができてしまった。それを見たロッサとグローリの二人は呟いた。


「こ、これはすごい・・。」


「マナを怒らせるのはやめた方がいいな・・・。」


 すると何やら里の方が騒がしくなっていた。何事かと思ったロッサ達はすぐさま里に戻るのであった。


「修行が終わったんだから休ませてあげてよぉ。」


次回へ続く・・・




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