第9話 いざ!ダンジョンへ!
温泉で身体を休めて、ふかふかのベットで眠った次の日。村の長から話があると呼び出された。
「疲れは取れたかのう?見たところお主たちは冒険者のようじゃな。違うかの?」
ずばり言い当てられたロッサは村の長にこう言い返した。
「良く分かりましたね。僕達は旅をしながら冒険者をしているんですよ。」
「そうかそうか、旅をしながらか。それは大変じゃのう。それはそうと、ちと頼みがあるのじゃが聞いてくれるか ?」
そう言われるとロッサ達は療養させてくれたお礼に一肌脱ごうというのだ。村の長によると村の奥にあるダンジョンである鉱石を取ってきて欲しいとのことである。その場所には強力な魔物が住み着いていてとてもじゃないが太刀打ちできないというではないか。ロッサのオーラを感じた村の長はロッサ達なら取りに行けるのではないかと思ったようで頼んできた。
ちなみに、オーラを感じ取れるのはある一定の強さになると人のオーラというのが感じ取れるので村の長は王都ステイルにいたエリカと同等またはそれ以上の強さであることが分かる。
長に頼まれたロッサ達は早速村の奥にあるダンジョンの入り口へと向かっていた。森の中へ入り奥へ進んでいくとそこには大きな木の扉があり、入り口を固く閉じられていた。グローリは木の扉の前に立って押すと全くと言っていいほど動かなかった。
「でっけえな!こんな木の扉どうやって開けるんだ?ビクともしねぇぞ?」
するとロッサが前に出てきて力を込め木の扉を開いて見せた。目の前にいたグローリは呆気にとられていた
「あ、あぁ。開くよねぇ・・・」
続けてロウガもロッサの力の強さに驚く。
「力強すぎですよ!」
ロッサはキョトンとしながら先に進むぞとダンジョンの中へ入っていった。ダンジョンの中は薄暗く魔法の松明が壁に刺さっているが先に進むと魔法の松明が途中で切れていた。多分この先から魔物が出るのだろう。それを察知したロッサ達は身を引き締め直しダンジョンの奥へと進むのであった。松明の灯っていない道は流石に暗くロッサは一人呟く。
「暗いな。」
ロッサは現在三属性の魔法を使えるが全ての魔法の適正があるという事を知ったロッサは、たった今新しく光属性の魔法を作り上げて見せた。
「明かりを灯せ!ライトアップ!」
即席にしては完成度の高いその照明魔法を使うとかなり周りが明るくなった。そしてマロンにツッコまれた。
「ライトアップってそのままじゃん!」
それに言い返すロッサ。
「いいんだよ!今作ったばかりだから!」
その魔法のおかげで辺りが見やすくなったのでまあいいかとマロンは納得した。
「さあ!先に進むよ!」
ロッサはそう言うとダンジョンの奥へさらに進む。奥に進むと日本で言うダンゴムシの様な見た目をした魔物がうじゃうじゃいて気持ちが悪いほど群がっていた。大剣での物理攻撃か素手での攻撃方法しか持っていないグローリはその魔物の群れを見てたじろいでいた。
「ぬわ!なんじゃこりゃ!こんな数の魔物なんて魔法じゃなきゃ一掃できねぇって!」
それじゃあまた僕の出番だと言わんばかりにロッサが前に出る。すると範囲が大きい炎の魔法を唱えた。これも今即席で作ったロッサは今度は良いネーミングを考え出し言い放った。
「フレアバースト!!」
唱えた瞬間炎の円陣が魔物の周りを包み込み一気に炎が燃え上がり一瞬で跡形もなくなった。
「さぁ!先へ進もうか。」
そう言うロッサにグローリ・ロウガは驚いていた。何せ一瞬で大量の魔物を消滅させてしまったんだから無理もない。
しばらくダンジョンの中を進んでいるとコウモリの魔物だったりゴキブリの魔物だったり相手をしたが全てロッサが倒した。更にダンジョンの奥へと進むと開けた場所に一つ輝いている石を見つけたロッサ達。これが村の長が求めていた鉱石かと眺めていたロッサ達。すると、急にダンジョン全体が激しく揺れ動く。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
音が鳴り響く。
部屋の中心から黒い靄の様なものが現れその中からゴブリンの様な姿をした人間の様な生物が二足歩行で大型の斧を持ってこちらに殺気を向けて近づいてきている。グローリはロッサの前に立ちこう言った。
「ロッサ!ここは俺に任せてくれ!いつまでもお前に頼りっぱなしじゃ悪いからな。」
そう言うグローリの隣にロウガも立ち体を大きくさせロッサにしか分からないがグローリにこう言った。
「よし!それでは私も戦うぞ!いいな!」
何を言っているのか分からないが一緒に戦うことを察したグローリは共に頷き大剣を抜きゴブリンと戦い始めた。中々いい戦いをしている。グローリが特攻していき、グローリが後退したらロウガが攻めると言ったなかなか良いコンビネーションでゴブリンとやりあっている。
「これで終わりだぁぁぁ!!」
そう言うとゴブリンの首を刎ねるグローリ。戦った時間は二十分ぐらいだったろうか、やっと倒したグローリは確実に腕を上げていた。グローリはここまで鍛錬してきた甲斐があったと満足していた。
「さぁ、帰ろうか。」
ロッサはそう言うと来た道を折り返しダンジョンを後にした一行は村へと戻っていった。
村の長に取ってきた鉱石を渡すとすごく喜んでくれた。
「これで村に結界が張れるでな。感謝するぞ。ロッサ・グローリ・ロウガ・マロン!」
長によるとここ数百年結界を維持していたが最近になって効力が弱くなってきているとの事。昔は容易に取りに行けたが月日が経つにつれて強力な魔物が住み着いてしまい中々鉱石の入手が困難になってしまったらしい。早速鉱石を結界づくりに使うと言うので村の中心にある祠の中へ入らせてくれた。そこで鉱石を取り換え何やら念仏を唱え始めた長。数分待つと村の中心から四方に向かって白い膜が広がっていき結界が無事に張られたのだ。これで一件落着と村の長は満足気に言うとまた村で休んで行くと良いと言いその言葉に甘えて休んで行くロッサ達であった。
「次はどんな冒険が待ってるかな。」
次回へ続く・・・
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