第3話 冒険者登録
ついに人間の町エルサドールに着いたロッサ達はここまで送ってくれた冒険者達に別れを告げるとまず最初に向かったのは冒険者ギルド。ギルドに登録して一文無しのロッサ達はお金を稼ぐ事を計画していたのだった。
ギルドに入るとロッサ達に視線が向けられる。先程も言ったようにロッサの魔力量は人間の数十倍あるのだ。普通の人間からしたら化け物級なのである。そんな視線をかいくぐり受付に向かおうとしたその時一人の男がロッサ達の前に立った。
「おう!なんだぁ?また一人死にたがりが増えるのか?」
大柄な男は笑いながらまるでロッサ達を歓迎するかのように背中を叩きながら大きな声でそれを言った。ロッサは半笑いで軽く会釈をし受付へと向かった。
受付には受付嬢がおり、暇そうに本を眺めていた。ロッサは冒険者登録をしたいが申し訳なさそうに聞いた。
「あの~、冒険者登録したいんですが・・・」
するとロッサ達に驚いたのか受付嬢はすかさず服装を正しロッサ達に応答した。
「はい!冒険者登録ですね!それでは準備をしますのでそこの椅子に座ってお待ちください!」
受付嬢はそう言うと奥の部屋に行き何かを準備し始めた。そんな受付嬢を横目にマロンが言う。
「何か慌ただしい人だね。」
無理もない、ギルドにいるのは少数の冒険者達だ。あまり人がいないのだから仕事をする機会が無いのだろう。ロッサはマロンに答える。
「まぁ、ちゃんと登録出来ればそれでいいよ」
そんな話をしてると奥の部屋から水晶玉を持ってきた受付嬢から声がかかった。
「それではこちらに来て下さい!この水晶玉に手をかざしてくださいそしたらこちらで登録手続きをしますのでぇ」
そう言われるとロッサは水晶玉に手をかざす。すると水晶玉が白く輝きだし目の前に文字やら数字やらが浮かび上がりなんとそこには筋力・敏捷・運・魔力の項目がありその全てが普通の冒険者達の数十倍の値だったのだ。
それを見た受付嬢は顎が外れるくらい大きな口を開けて驚愕していた。
「こ、こんなステータスの人間見たことないですよ!A級!いや、S級並みの実力ですよ!!」
非常に驚いた様子でこちらを見ていた。それを聞いた他の冒険者がそわそわしだしていた時大柄の男がまたやってきてこう言った。
「おう!そんなに高ぇステータスなのに無名とはな!隠居でもしてたのか!がーはっはっはっ!!」
そんな風に言い放ち大柄の男は去っていった。なんとまぁぶっきらぼうな男だったなとロッサは思ったがそんなことは気にせず受付嬢に聞いた。
「そ、そんなに高いんですか?僕のステータス」
受付嬢は興奮しながらロッサに説明した。
「高いですよ。全て人間の能力の平均を大幅に超えていますよ!魔力量なんて高位の魔法使いで1000前後なんですよ!それを普通に超えるなんて何者なんです?」
ロッサは事を荒立てたくなかったのだがここまで騒がれると少し困ってしまった。ロッサは受付嬢を落ち着かせるように言った。
「あ、あんまり大きな声で騒がないでほしいです。」
受付嬢はロッサの指摘にすぐさま答える。
「あ!すいません・・・でも本当にすごいことなんですよ!」
ロッサは自分がいかに規格外か改めて知ったのである。
「それで登録したらすぐに依頼はできるんですか?」
すぐにでもお金を稼ぎたいロッサは受付嬢に聞いた。
「はい!登録して頂けたらすぐにでも依頼は受けられますが最低ランクのGランクからになります。ランクはGからSまであって、ある一定の依頼数をこなすとランクが上がるという仕組みになっております!ロッサ様のステータスでしたらA級、いやS級のクエストも挑戦できると思いますがギルドのルールですのでGランクからになってしまいます。すいません」
そう言うと受付嬢は冒険者プレートをロッサに手渡した。するとロッサは言った。
「いいんですよ。依頼をこなせばランクが上がるって言うのは分かりました。これから頑張ってランクを上げていきますよ!」
続けてロッサは受付嬢に聞いた。
「ちなみに聞きたいんですけど、この冒険者プレートってどこの町でもつかえるんですか?」
受付嬢に尋ねると、冒険者プレートを持っていればどの町でも使えランクを上げることも場所関係なく上げることができるらしい。それを聞き安心したロッサは安堵の笑みを浮かべながら早速依頼を受けようと張り紙が貼られている掲示板に向かった。
「う~ん。どの依頼にしようかなぁ?」
マロンがロッサに言う。
「ランクGだからね簡単な依頼しかないよ。ほら!これなんてどう?猫探しだって!僕がいたら楽勝だよ!!」
そんなことを話していたら後ろの方から声がした。
「おうよ!Gランクからのクエストじゃあお前の実力にあったやつなんかねえだろ!俺とパーティを組まねぇか?そうしたら早くランクも上がるぜ!」
さっき去っていったはずの大柄な男がまたやって来てロッサに問いかけた。大柄の男によると高ランクのクエストにはパーティーメンバーとして同行すれば報酬も貰えるし、ランクも早く上がるらしい。ロッサはこれは都合がいいと思い大柄の男とパーティを組むことにした。すると大柄の男が自己紹介をしてきた。
「そういえば名乗り遅れちまったなあ!俺の名前はグローリだ!こう見えてAランクの冒険者だ!がーはっはっは!ちなみに俺は大剣使いの冒険者だぜぃ!」
グローリは自慢げに話し始めた。そして勢いよく張り紙をはがしAランクのクエストの巨大トロール討伐のクエストを受けた。こんな初めてのクエストでグローリという男のいいなりで良いのかと思いつつも初めてなので経験者といた方が勝手が分かるのでよくわからない気持ちのまま初クエストへ向かうのだった。
「この先大丈夫かなあ?」
次回へ続く・・・
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