第6話 MPを増やそう①

 筋トレを始めてはや1ヶ月。


 転生した体にある程度慣れてきた俺は、少しずつ回数を増やして順調に続けていた。

 転生して初日以来ステータスを開いてないので、どれくらい上がっているかは分からないが。

 そして今も絶賛筋トレ中である。


「……58……59……60! ふぅ……今日の筋トレ終わり! さて、この1ヶ月でどのくらいステータス伸びたかなぁ。伸びてなかったら絶望だな。——『ステータスオープン』」


 俺の声に反応して目の前に半透明の板が現れる。


________________

名前 シンヤ


種族:人間 5歳

職業:援助者

称号:転生者 努力する者


Level:1


HP:7/14 (4↑)

MP:20/20

体力:6 (2↑)

物理攻撃:3

魔法攻撃:4

物理防御:2

魔法防御:2

敏捷:6 (1↑)

命中:3

回避:5

運:93(固定)


【転生特典】

《ステータス自由閲覧》《言語理解:MAX》《記憶移行》


【職業専用スキル】

《鑑定:0》《付与:0》《強化術:0》《覚醒術:0》



【一般スキル】

《採取:1》《疲労軽減:2→3》

《苦痛耐性:1》



【通知】

《重要なお知らせ》


________________



「おおおおお!! よしっ! ちゃんと上がってる!」


 俺はステータスを見て、しっかりと結果が出ている事に喜びの雄叫びをあげる。

 やはりレベルアップに比べて成長率は圧倒的に少ないが、それでも上がっているとなればゲーマーとして嬉しくなるのは当然のことではないだろうか。

 もしかしたら違う人もいるかもしれないが、俺はそう思う。


 と言うか、たった1ヶ月でこれだけ増えるって相当だな。

 現実でも1ヶ月そこらじゃ殆ど筋力なんてつかないぞ。

 多分この『努力する者』って奴のお陰だろう。


 俺は称号をタッチする。


—————————————————

努力する者

取得条件:毎日欠かさず何かしら続ける。途切れるとまた消える。 

効果:努力することによって、ステータスの上昇率UP、スキルレベルの上昇率UP。

—————————————————


 うーん、めちゃくちゃ有能。

 要はずっと続ければ永続で上昇率アップってことだろ?

 取り敢えず10歳になるまでは途切れさせたくないな。


 何故10歳と言うと、その歳に主人公に起こる初めての出来事があるからだ。

 それまでに俺は強くならないといけない。


 正直足りないとも思ってしまうが、まぁ頑張れる所までは頑張るつもりだ。

 なのでこう言った有能な物は出来る限り無くしたくない。 

 例え大熱が出ても頑張って続ける所存である。

 まぁそれは流石にお母さんに止められそうだけど。


「シンヤ~ご飯よ~。筋トレやめて手を洗ってきなさ~い」

「はーい、今行くよー!」


 お母さんのお呼びだ。

 俺は一目散に階段を駆け下り、手を洗って椅子に座る。


「あら、今日も早かったわね。筋肉が付いてきたからかしら?」

「それもあるかもだけど違うよ! お母さんのご飯が美味しいからだよ!」


 俺は自信満々に答える。

 お母さんの料理は間違いなく美味い。

 店出したら絶対繁盛するレベルで。


 俺もこの1ヶ月で完全に胃袋を掴まれてしまった。

 もう結婚するとしたら料理人を選ぶかもしれない。

 まぁ俺に選べる女の人がいればだけど。

 そもそも女の人と関わりを持てたらだけど。


 よし、そのことは考えないでおこう。

 虚しくなるだけだから。


 今日はどうやらハンバーグの様で、王道のデミグラスソースだった。

 俺はステーキナイフでハンバーグを切る。

 すると切った側から肉汁が溢れ出てきた。


 う、うまそぉぉう……いただきます!


 俺は大きめに切ったハンバーグを頬張る。

 口の中で肉汁が更に溢れ、デミグラスソースと混ざってめちゃくちゃ美味い。

 これは無限に食べられる。


「美味しいよお母さん!」

「ほんと? よかったぁ……たくさん食べてね?」

「うん!」


 俺はそれからおかわりもしたが、ぺろりと食べられた。

 うーん美味しかったぁ……これがあるから筋トレも頑張れる。

 

 さて、美味しいご飯も食べたし、筋トレの成果も出ていた事だし、そろそろもう一つのことをしますかね。

 ただお腹が苦しいからあと少しだけこのままでいよう。


 俺はそれから1時間くらいソファーでグダぁとしていた。

 

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