◇閑話◇ 仲間が増えました&使う辞書の大まかな基準を決めました。

【『仲間が増えました』の話】

 お気づきの方がいらっしゃいましたら流石です。実は3月に新しい辞書が仲間入りしました。(「引用ならびに参考資料」更新済)


 その辞書とは『学研 現代新国語辞典 改訂 第六版』です。


 他の辞書とはまた一味違った良さがあるので、この辞書の良さを生かしつつ、皆さんに興味を持ってもらえるように使っていけたらいいなと思っています。




【『使う辞書の大まかな基準』を作りました】

 先日「筆を擱く」にて誤った情報を提示したことをお伝えしましたが、誤りが発生した原因の一つに、「調べる項目によって使用する辞書のバラつきが大きい」ことがあると考え、大まかな基準を作ることにいたしました。(語釈が分かりやすく、比較するために「中間的な語釈」と「どちらかに偏った語釈」のものを拾おうとすると、このようになりがちです……。言い訳ですね(´・ω・`))


 とはいっても、これまで読んできてくださった方ならお分かりかと思いますが、辞書一つひとつ特徴が違っており、基準を設けること自体難しいことです。

 そのため、本来は全ての項目において所有している辞書を全部引き、それぞれ比べることが望ましいとは思います。


 しかし『ことば』を執筆することを本業にしているなら別として、片手間でするには、流石の私もそこまで時間を割けないのが現状です。

 また校正者として働いている人たちの話を聞いても、辞書は色々持っていても、実際に引くのは五冊程度とのことでしたので、どこかで割り切る必要があるのだと思います。

 よって『ことば』でも引く辞書を場面に応じて使い分けることとし、その際の基準を設けましたので下記に提示いたします。



<基本の辞書>

 一つの項目につき、必ず引く辞書は次の三冊です。(語釈を引用するかどうかは別として、必ず引くことにします)


・明鏡国語辞典 第三版  (大修館書店)

・新明解国語辞典 第八版  (三省堂)

・三省堂国語辞典 第八版  (三省堂)



<応用の辞書1>

 <基本の辞書>のうち、『明鏡国語辞典』と『三省堂国語辞典』はどちらかというと、新しい表現に敏感で俗語の容認も早い傾向があるので、保守派(新しい言葉や意味に対して慎重)の意見を必要とする場合は次の四冊を主に使用します。

 また、<基本の辞書>にない見出しもあるので、比較対象が足りない場合にも用います。(*下記の辞書のうち、どれを使うかはそのときの状況によって使い分けます)


・岩波国語辞典 第八版 (岩波書店)

・新選国語辞典 第十版(小学館)

・三省堂 現代新国語辞典 第六版 (三省堂)

・旺文社 標準国語辞典 第八版 (旺文社)



<応用の辞書2>

 <応用の辞書1>でも説明が不足する場合もしくは、言葉の核の部分を捉える必要がある場合は次の二冊を用いることがあります。(*下記の辞書のうち、どれを使うかはそのときの状況によって使い分けます)


・角川必携国語辞典(角川書店)

・現代新国語辞典 改訂 第六版(学研)



<応用の辞書3>

 上記の辞書のなかで説明が不足する場合、説明ができない場合、用例が足りない場合、古い情報が必要な場合、より専門的な説明が必要な場合は次の四冊を用いることがあります。(*下記の辞書のうち、どれを使うかはそのときの状況によって使い分けます)


・広辞苑 第六版 (岩波書店)

・ 精選版 日本国語大辞典 (小学館)

・大辞林 4.0 (三省堂)

・大辞泉(デジタル大辞泉) (小学館)



<過去の辞書>

 新しい版の辞書と古い版の辞書の語釈が、どのように変わったのか比較する場合は、次の三冊を用いることがあります。(*下記の辞書のうち、どれを使うかはそのときの状況によって使い分けます)


・ 明鏡国語辞典 第二版 (大修館書店)

・新明解国語辞典 第六版  (三省堂)

・三省堂国語辞典 第七版  (三省堂)


 以上です。


 一応、「校正者が言葉の判断に迷った際に、どの辞書を使用しているのか」や、「辞書の特徴などを記した書籍」なども参考にしてはいますが、最終的には私がこれまで辞書を引いて来た勘と使いやすさなどから分けています。

 また、特に使った回数がまだ少ない辞書はまだ性格が分からないので、今後の状況次第では改めて基準を見直す場合もあると思います。その点はご了承下さい。


 自分なりの辞書の基準を作っていても思いましたが、「言葉と向き合う」というのは、そう簡単なことではないですね。

 それでもより多くの方が「言葉」を使うときに、どう考え使ったらいいのかというヒントになればと思い、これからも『ことば』を書いていくつもりですので、今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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