第2章 恋と命の数式を
第11話 ア、ア、アイちゃん!?
翌日。
「アイちゃーん!」
第二研究室のドアを勢いよく開け入ってきた、白衣を着て、腰まであるウェーブな紫ヘアーのボンキュッボン美人さん。
どなたですか? とか、聞きたいこと、色々あるけど、ア、ア、アイちゃん!?
「どうしてMPたくさん送ってるのに、返事をくれないのー!?」
MPとは、
「MPは自動削除するように設定してある」
「えー、じゃあせめてー、私のだけ受信するようにしてー」
美人さんは、ビッグボインで先生の頭を擦り擦りしつつバックハグー。
先生は何も感じてないようだけど、私はプンプンだぞー! そんな受信設定は私が妨害してやるー!
「あなた誰ですか! そのけしからん二つの山を先生から離してください!」
私がビッグボインを指すと、美人さんはこちらをちらりと見た。
「アイちゃーん、チビっ子が迷子になってこの部屋に入ってきたみたいよー? アナウンスしてあげたらー?」
「なっ、だっ」
誰が迷子のチビっ子ですか!
「そいつは俺の助手だ」
「助手ぅ?」
「そうです! アイファ先生の助手です! 迷子のチビっ子じゃありません! さぁ! わかったら先生から離れてください!」
「はーん?」
美人さんは私の体を舐めるように見て。
「はんっ」
「勝った」というように、鼻で笑った。
く、悔しすぎるー!
私は、バン! と、研究室のドアを開け部屋を出た。
「うわーん! イアリちゃーん!」
すぐ隣の第三研究室のドアをバーンと開け、イアリちゃんの大きなお山二つに顔を埋めた。
「おーおー、どーしたのミッチー」
「ビッグなボインが先生の頭すりすりーって! 鼻ではんってー!」
「うん、何もわからんわ」
「はははっ! それはきっと、ミスヴィのことだね」
椅子に座り顕微鏡を覗いていたオネット教授が顔を上げた。
「ミスヴィ、さん?」
「ミスヴィ・ノーブル。僕、アイファ、ミスヴァは、幼馴染なんだ」
「……先生は幼い頃からアハンウフンビッグボインさんと過ごしてきたから、ペチャパイの私には
「はははっ、素っ気ないか。気にすることないと思うけどね」
「気にしますよー! だって、オネット教授には優しい——」
「おいジェン、この論文なんだが」
論文を持った先生がやってきた。
「ほらー! 私と全然違うー!」
「アイちゃーん、デートしようよー」
「なんかついてきたしー!」
「ミスヴィ、僕らはもうすぐ論文発表があるんだ。デートはもう少し後にしてくれないか」
「そうだぞー! 後にしろー! 永遠に後にしろー!」
イアリちゃんの二つのお山から顔を離し、ノーブルさんとやらを指した。
「——……」
ノーブルさんは先生の後ろから顔を出し、私の体を上から下に見ると。
「はんっ」
また鼻で笑った。
「うわーん! イアリちゃーん!」
悲しくて、何だか悔しくて、私はまたイアリちゃんの二つのお山に顔を埋めた。
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