第13話 登録完了とお引っ越し
受付嬢「それじゃ、登録料、3人で1500リル、お願いしますね」
おにぃ「は、はい。これでお願いします。」
そう言っておにぃは大銀貨を2枚取り出します。
受付嬢「2000リルですね。お釣りが500リル、小銀貨5枚になります」
受付嬢「それとこれが、みなさんの登録証になります。」
米軍のドッグタグみたいなモノが付いたネックレスっぽいモノを3つ、ねぇねがうけとります。
ねぇね「これは、おにぃの、これは私ので、はい、おチビちゃんはこれね」
文字が読めるねぇねにどれが誰用の登録証なのか分けてもらい、全員首にその登録証を装着します。
これで、身分証をゲットできたことになります。
(やったー! これで町で生活できるぞ~!)
そして、おにぃがお釣りを受け取ったところで、ワタシは受付嬢さんに質問してみます。
「受付さん、すいません。質問、いいですか?」
受付嬢「はい、かまいませんよ」
「ワタシたち、お宿をとりたいんですけど、お勧めとかありませんか?」
受付嬢「宿? それなら、ハンターギルドの裏に、1級ハンター向けの宿舎があるけど、どうかしら?」
ねぇね「ハンターギルドの裏?」
「宿舎ですか?」
受付嬢「ええ。この建物の裏庭に、大きな宿舎と広場があるの」
受付嬢「あまり稼げない1級ハンターの救済措置として、そこを低額で貸し出しているのよ?」
「お値段は、おいくらですか?」
受付嬢「宿舎は大部屋で、1日ひとり2リル。広場は自分でテントを用意する必要があるけど、1日1リルよ?」
「広場はひとり当たりの広さとか、決まっているんですか?」
受付嬢「広場に行けば分かると思うけど、ひとり分のスペースが線引きされているわよ」
「ねぇね、おにぃ、いいよね?」
おにぃ「あぁ」
ねぇね「もちろん」
「それじゃあ、ワタシたちに広場を貸してください」
その場で銅貨3枚払って、広場を借りたワタシたちでした。
そして早速、ハンターギルドの裏庭の広場へやってきたワタシたち3人。
おにぃ「広いな~」
400メートルリレーができそうな学校の校庭ぐらいの広さがある裏庭の広場。
これだけ広ければ、スラムのねぐらから、ガラクタという名のワタシたちの財産を持ってきても大丈夫そうです。
ねぇね「この白線がひとり分なのかな?」
裏庭の広場には、縦横2メートルぐらいの正方形が多数、白線で引かれていました。
「でも、誰もいませんね~」
たぶんみんな、宿舎にお泊りしているのでしょう。
裏庭の広場の利用者は誰もいないみたいです。
(この裏庭の広場、小石もゴロゴロしているし、いくらテントを張っても、寝心地とか悪そうだしね~)
(やっぱりみんな、宿舎を選ぶよね~)
時間はまだお昼前。
夜までには余裕でお引っ越しを終えることができるでしょう。
「ねぇね、おにぃ、スラムのねぐらから、お引っ越ししちゃいましょう」
おにぃ「おう!」
ねぇね「そうね!」
ということで、スラムのねぐらに戻ってきたワタシたち3人。
ボロボロだけどワタシたちにとっては貴重なお鍋やらお皿やらを、ハンターギルドの裏庭の広場まで運び出さなければなりません。
しかも、最近ワタシが【想像創造】で創り出した【無洗米 コシヒカリ 愛知県産 5kg】や【湯船 FRP製 120×70×80】といった、重たいモノ、大きなものも運び出さなければなりません。
(う~ん、輸送に使えそうなモノ・・・)
(そうだ、アレを創り出そう!)
(【想像創造】!)
そうして創り出したモノは、
【アルミ製折り畳みリアカー ノーパンクタイヤ仕様 全長240×全幅116×全高81 質量40kg 耐荷重350kg 89,800円】
これなら、大きな湯船も運べます。
おにぃ「お~、すげぇ~」
ねぇね「この銀色はなあに?」
「これはですね、こうして組み立てるとですね、じゃじゃーん、荷車になるので~す!」
おにぃ「すげぇ~、ホントすげぇ~!」
ねぇね「この荷車になら、お荷物全部載せられそうだね」
そんな会話をしている時でした。
目の前に突如、ワタシのステータス画面が出てきました。
名前:アミ
種族:人族
性別:女
年齢:5歳
状態:栄養失調
魔法:【なし】
スキル:【想像創造】レベル2(2回/日)
どうやら、スキルのレベルアップをお知らせしてくれたみたいです。
(やった! 【想像創造】がレベル2になって、1日2回使えるようになった!)
今日は先程リアカーを出したので、あと1回、なにかを創り出せることになります。
(ていうか、何気に、お名前も【アミ】に変わってるし・・・)
どうやらワタシのお名前は【アミ】で決定したみたいです。
(ま、まあ、とにかく今は、お引っ越ししちゃわないとね)
気持ちを切り替えて、3人でスラムのねぐらから完全撤退を開始するワタシたちなのでした。
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