第11話 ハンターギルド


思わぬ大金を手にしたワタシたち3人は、その足でハンターギルドを目指します。


「ハンターギルドの登録料にいくら必要なのか分からないけど、これだけあれば、足りるよね?」


ねぇね「そうよね」


おにぃ「たぶんな」


ハンターギルドの場所は、おにぃがよく知っているみたいで、


おにぃ「ハンターギルドはこっち、早く行こうぜ」


おにぃに手をとられ、小走り気味に移動するワタシ。


そんな感じで、ワタシが町の様子を楽しむ時間は、あまりありませんでした。



しばらく歩くと、明らかに周りの建物とは様子が違う、立派な建物が目に入ってきました。


おにぃ「あそこ、あの一番デカい建物がハンターギルドなんだ」


石造りのその建物は、日本の昔の銀行とか、明治時代の政府関係の庁舎を彷彿とさせます。


(なんだかお役所みたいなところなのかな?)


大きな木製の扉を開いて中に入ると、向かって正面に受付カウンターのようなところが5つ。


その手前は円形の机と椅子が十数セット整然と並べられています。


右手奥にはバーのようなカウンター席があり、その近くの机では、食事をしている人たちが数人見えます。


(思ってたよりキレイで整然としてますね)

(これなら、酔っ払いに絡まれるなんてイベントは、ないかな?)


そんなことを考えていると、


ねぇね「どこに行けばいいのかな」


おにぃ「とりあえず、奥に行ってみようぜ」


女性「あらあなたたち、ハンターギルドは初めて?」


紺色の制服を身にまとった、キャリアウーマン的な美人さんが話しかけてくれました。


(この人は受付嬢さんかな? 案内係さんかな?)


おにぃ「オレたち、ハンターギルドに登録したいんですけど」


ねぇね「よくわからないので、詳しく教えてください」


女性「新規登録ということでいいのかしら?」


「はいです」


女性「それなら、一番左の受付窓口で聞いてみてね?」


ねぇね「わかりました」


おにぃ「ありがとうございます」


ということで、早速一番左の受付へ。


おにぃ「すいません、新規登録について、聞きたいんですけど」


受付嬢「は~い。新規登録ですね?」


ねぇね「はい。お願いします」


受付嬢「ハンターギルドは、12歳以上ならだれでも登録できます。」

受付嬢「登録すると最初は1級からはじまって、貢献度が上がると2級3級と上がって、ハンターの上限、最高峰は5級になります」


「え? 12歳?」

「12歳じゃないと、ダメなんですか?」


受付嬢「ん? あら、おチビちゃんもいたのね?」

受付嬢「12歳未満は、仮登録という形での登録は可能よ?」


「仮登録?」


受付嬢「そう。まあ、見習いみたいな扱いになるわね」

受付嬢「だから、単独で依頼は受けられなかったり、12歳まで1級のままだったり、ちょっと制限がかかるわね」


「なるほど」


(12歳になっていないと、一人前の扱いはされないけれど、一応、登録はできる、そんな感じですかね)


おにぃ「登録には、お金がかかりますか?」


受付嬢「ええ。市民証があれば、100リル。そうでない場合は、500リルかかります」


ねぇね「500リルか~」


ワタシたちは、市民証を持っていません。


なので、登録料はひとり500リル、3人で1500リルということになります。


(けっこうお高いですね~)

(手っ取り早く身分証だけ欲しい、なんて考えてる人にはハードル高いですね~)

(逆に、そういうのを防ぐために、お高くしてるのかな?)


そんなことを考えながらも、お返事はひとつです。


「ワタシたち3人の登録、お願いします」


おにぃ「お願いします」


ねぇね「します」


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