第9話 町に住むには


帰りがけにスラムの屋台のお店に寄って、3人の靴(サンダルに近い)と野ネズミの干し肉と黒パンを買ったワタシたち。


見た目はほぼ町の子供に見えるようになりました。


(それにしても、靴もけっこうなお値段でしたね~)


サンダル3足で120リル、干し肉と黒パンを合わせて126リルの出費です。


これで残金は118リル、小銀貨1枚と大銅貨1枚と銅貨8枚です。


(これでとりあえず、最低限の身嗜みは整ったよね)

(あとは・・・)


ワタシとしては、一刻も早くスラムから抜け出したいと思っています。


なので、町に住みたい、と、ねぇねとおにぃに主張してみます。


「ねぇね、おにぃ、ワタシたち、キレイになったでしょ?」


ねぇね「ん? そうね」


「それに、お金も稼げたでしょ?」


おにぃ「そうだな」


「このお金で、町のお宿にお泊りできないかな?」


おにぃ「あ~、それは無理だな」


「え? なんで?」


ねぇね「私たち、身分証がないから、お宿にお泊りできないの」


おにぃ「市民証かどこかのギルドの会員証がないと、相手にされないんだ」


ねぇね「市民証は、市民権が必要だし・・・」


どうやら、お金があってもスラムからは簡単に抜け出せないみたいです。


「そうなんだ・・・」

「ギルドの会員証は?」


おにぃ「商業ギルドは、偉い人の推薦が必要だって聞いたことがある」


ねぇね「ハンターギルドなら制限なく入れるって、聞いたことがあるかも」


おにぃ「でも、登録費が必要だったんじゃなかった?」


ねぇね「そういえば、そんなこと聞いたことがあるかも・・・」


「それじゃ、明日、はちみつを売りに行くついでに、ハンターギルドに行ってみようよ」


おにぃ「そうだな」


ねぇね「聞いてみるだけ、聞いてみましょう」



ということで、明日の行動予定が決まりました。


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