【第一部】第四章 挑まれた決闘
――訓練場――
それは
カールも
◆
「エリス。そんなところで遊んでないで、僕と一緒に訓練しないかい? 僕が手取り足取り教えてあげるよ」
学年首席で金髪イケメン。さらには貴族の長男であり家柄も確か。そんな
「……遊んでないし、
エリスの反応はそっけない。
「ああ! それは申し訳なかったね。僕には君達が遊んでるようにしか見えなかったからさ」
ちらりとアレンを見ながらミハエルはさらに
「ちょっと! ミハエルがわざわざ誘ってくれてるのにその態度ナニ!? マジありえないんだけど!!」
取り巻きの女の一人がエリスにからみだす。
「いい加減にしろよ。こんなのまともな誘い方じゃねぇよ。ただの挑発だろうが。毎度毎度しつけぇんだよ!」
カールがキレかけている。度重なる挑発に普段
「ああ! すまないね。君もいたんだ? 気が付かなかったよ」
ミハエルのさらなる挑発にカールが表情を消す。アレンにはわかった。これは既にキレている。
アレンは急いでカールとミハエルの間に入った。
◆
「悪いんだけどさ。エリスは俺らと訓練してるから他を当たってくれないか? エリスも困ってる」
ミハエルは待ってましたとばかりにカールからアレンに
「アレン、だったっけ? 君らごときのは訓練とは言えないんだ。ただのお遊びだ、
想定通りの皮肉が返ってくる。アレンが何か反論しようと口を開きかけるが――
「ああ、そうか。“拾われ子”の君じゃ、
ミハエルがそう言うと、取り巻き達が示し合わせたように
いつの間に自分の個人情報を調べたのか。
――そんな時だった。
◆
「……っ、あんまり調子にのってんじゃないわよ! 今の言葉! 取り消しなさい!!」
それは、それまで不気味なまでに沈黙を守っていたエリスだった。今までにない
これには
「本当のことだろう? 能力的にも内面的にも彼は君に
そして
「あんたなんかより! アレンの方がずっと強いし、内面だって
エリスがそう言うと、『待ってました!』とばかりに、ミハエルが
「――っはは! 僕より強いし優れてるだって? なら見せてもらおうじゃないか!」
そして唐突に、腰に
「この私、ミハエル・E・テイラーは、今ここにアレンに“決闘”を申し込む!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます