第15話 ゲージ問題とお散歩デビュー①
ひなのゲージ問題は、ひなが部屋に設置為ているトレイでは7割りがた成功を収めている現実と、後これが一番の理由だが、ゲージ内のトイレでは全くしないのだ。そのことを認め、明は渋々ゲージを畳むことにした。
「でもね、ひなには昼寝を出来る場所が必要なんだよ。何処に作らなきゃ……」
「あの本棚の横のデットスペースに一カ所でしょう? それからリビングのお父さんの横に一カ所あれば良いんじゃない?」
「確かに。本棚の横は暗いし、ひのと出入りもそれほどじゃないから良いね。そこに移動用のキャリーバッグ置こう」
「お父さんの横は?」
「そうだなぁ……段ボールで工作しようかぁ。ねえ美佐?」
「いや……まあ頑張るけど……期待しないで」
工作は結局明が見るに見かねて
制作した。何故なら美佐は……秒でカッターナイフで軽症ではあるが負傷為たのだった。
リビングの寝床も本棚横も、最初は当然入ってはくれない。
おやつで釣ったり為たが、全く乗り気ではないひな。
「ねぇ、美佐? そんなに神経質為らなくても入るから大丈夫だよ」
そう言われても……やきもき為ている美佐をよそに、ひなは気がつけば、ちゃっかり本棚横のキャリーバッグに入り、気持ち良さそうに眠っていた。
美佐はその様子を見て、ふと健の赤ん坊の頃を思い出していた。
「可愛い……ひな……良い子だね……ねんねんころころねんこりん」
健を寝かしつけるのに、適当に歌った子守唄を自然と口ずさんでいた。
さて! 七月中旬に三種混合注射も終えて、いよいよお散歩デビューが目前に迫ってきたひな。
明は首輪よりハーネスにしたいと言い出した。理由は首を絞めているようで厭だと言うことで、
家族全員の意見の一致を見て、可愛いいピンクのハーネスを買い、
リードは、手元で伸ばしたり止めたりする細いワイヤーの物で、下手すると摩擦で怪我しそうなもので明は美佐も気は進まなかったが、躾もできると言われて迷ったが、結局買うことにした。明は念のためロープのリードも購入する事にした。
明日から~散歩! 散歩! 美佐は本を見ながらひとつひとつ揃えて行くと、用意していたいバッグでは入りきらない。
「おかん! 山登るの?」
健がお腹を抱えて笑っている。
判っているが増えていくのだ。
あれもこれもあれもこれも、必要なんだ。本にも書いてあるんだから! 持ち物は、水、シャベル、ビニール袋、新聞紙、おやつ、トレイ、タオル、ピーピーボール、カメラ。おっとトイレシートもだ。結局美佐は、リュックサックを背負って行くことにした。
明はなにも言わない。
書いてあることを、ちゃんとやらないと納得為ない美佐だ。
そう……ちゃんとちゃんと為たいんだ。だから一週間もすれば荷物は減って行く事は、ちゃんと判ってっいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます