第7話 三人と一匹の生活の始まり~

 美佐たちの朝は一変した。忙しい朝に一手間いや、二手間かかる事に今やっと美佐は気づいたのだ。

「うひょーえっと、健! 起きて!」

「あっ! ひなちゃんのオシッコシート取り替えないと!」

「やったから。美佐はご飯のしたくね。それからお湯沸かして。ひなのご飯僕がするから。健! 起きなさい!」

ボッ~とした顔の健がのそのそと部屋から出て来た。

「おは~よ~ 飯は?」

「もう少し! お父さんの時間は?」

「今日はゆっくりだから」

「お~お~ひなぁ、おはよう~お兄様だぞ」

「ワン!」

「よしよし~」

「さあで来た! 健運んで! せい~の頂きます!」

「ワン!」

 バタバタとお弁当を詰め込み、息子に渡す。

「バスパンは?」

「机の上! よく見て!」

チンタラしている息子を追い出し洗濯物を干す。その間に明が食器を洗っていた。

「有難う! 助かる。感謝!」

「あ~時間あるときはするよ」

それより明は洗い物をしながらあることを考えいた。

「なぁ、美佐? リビングと廊下に洗えるマット敷こうと思うんだ」

「マット? カーペットじゃ無くて?」

「うん。トイレトレーニングするだろう。一枚敷いちゃうと洗えないし。でも一番はひなの足の負担だよ。こんなに滑っては早晩痛めると思う」

「へえ~なんで知ってるの? それにマット何処で買う?」

「ホームセンター。後はネットだな。そりゃ一応買ったペットショップで注意事項は聞いたよ。

そしたら、滑るのが一番足腰に悪いって」

「じゃ、早く買わないとね」

「僕明日休みだから、見に行こう。それから、今日は部屋に出さないようにね。オシッコされるぞ! あちこちに、判った?」

「はい! 抱っこはいい?」

明はひなをだきあげると、美佐に渡した。

「余り長く抱いてるのも負担らしいからね」

「ラジャー」

ひなの頭を撫で、明は着替えを済ませると仕事に出かけて行った。

 落ち着かない! チラチラ携帯を見る。今日はまだ美佐からラインは無い。大丈夫そうたが、念のため明は早めに仕事を切り上げた。駅前の本屋に寄りペットに関しての本二冊を選ぶと急いで帰宅した。

「お帰り! 言いつけ守りました!」

「そっか……偉い! はいこれ」

美佐に買って来た本を渡した。

「良かった! これネットで見て欲しかったの。あらら二冊も?」

その反応に、明は呆気に取られてしまった。






 

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