5、文章作法ってなに?

 文章を書く上で、常識とされる文章作法というものが存在します。

 とはいえ、色々なルールや縛りを知らなくても楽しく書くことはできます。

 多少、文章作法が間違っていても物語は伝わりますし、この項はもっと後でもいいかなぁと思っていたのですが『作法を後から指摘を受けると辛い』とか『こだわりがあって・・・を使っているのに』という話を目にしましたので取り上げてみました。

 

 常識とは言いましたが、私は書き始めたころは文章作法を全く知りませんでした。

 本をたくさん読んでいれば自然に身に付くとも言われますが、それなりに読んでいましたけれど気付きませんでした……。

 やはり書く側に立ってはじめて気づくことだと私は思います。

 私が書き始めたころ読んでいたのは少女向けライトノベルで、すべてが改行されているものが多く、字下げ(改行後一文字空ける)やセリフの”「”は字下げしなくていいなど気付きもしませんでした。

 自分のホームページではじめて小説を公開し、通りすがりの親切な方に感想と共にご指摘を受けてから小説の書き方の本やWEBを調べて学びました。

 なので、その時のお礼と言うわけではないですが、小説を書き始めたばかりの人や公募に出す予定がある人には文章作法と言うものがあるということをお伝えすることがあります。

 ただ、先に言ってたように間違っていても問題はないので、直す直さないは受け取った方の判断でいいと思います。


   *


 では、小説にはどういうルールがあるのか少しだけ説明しますね。

(もう既に色々な本やWEBで紹介されているので、詳しくは文章作法などで検索してみて下さい)

 


・地の文の行頭は一文字空ける。(字下げ)

 セリフのカッコは例外。字下げしなくていい。

・! ? の記号の後は一文字空ける。

・三点リーダーは(…)は、2個セット(……)で使用する。

・閉じカッコ”」”の前に、読点(、)句点(。)を置かない。(昔は置いていたので間違いではないのですが、今は置かない方が主流のようです)


 他にももう少しあるのですが、これだけ抑えておけば大きな指摘は受けずにすむと思います。


   *


 なぜ文章作法があるのか?

 以前はその方が読者が読みやすかったからだと思います。

 けれど、現在は、小説は紙媒体だけでなく、WEBで多く読むことができるためか、読者も書く側もそれほど文章作法を気にしてないように感じます。

 WEB小説でランキング上位やPVが多い作品でも、三点リーダが……ではなく、・・・だったり。? や! の後に” ”空白がないものも多く見受けられるからです。

 もしかしたら、スマホなどで文章を書いたり見たりするときは、……より・・・や。。。の方が打ちやすい、あるいは見やすいのかもしれませんね。

 コミカライズもされていて、多く書かれている作家さんが、・・・を利用されていたので、こだわりがあるのかなぁと思っていたところ、ルールは知っているけれど三点リーダーより中黒(・)の方が見やすいからとおっしゃっていました。

 


  *



 では、字下げや”・・・” ”。」”をなどの文章作法が間違っていると指摘を受け、特別にこだわりはないので直したい。また、公募に出すために間違った文章作法を直したい方はどうすればいいのでしょう?


 実は、前回お話したワードなどにある『置換機能』で、文字の置き換えが簡単にできるんです。

 大体、Ctrl+Hのショートカットで出てくるかと思います。

 そうすると小説丸ごと、”・・・”を”……。”に一発変換できます。

 ”。」”も”」”と置換すればすぐでしょう。

 ?や!の記号の後にスペースを入れるのも”? ””! ”とすれば、できます。

 ただこの場合、セリフの最後だとすると! 」となり、文章作法的には誤りになってしまうので”! 」”を”!」”と再置換する必要が出てくるかもしれません。

 スペース” ”も文字と認識するので、必要のないセリフの字下げもしていたときは” 「”を”「”にすると、スペースを消すこともできます。登場人物の名前を急きょ変更したくなった場合にも使えますし。ぜひご活用ください。


 だだ、置換機能では行頭の字下はできないようです。

(私は機能が見つけられませんでした)

 けれどこれは、カクヨムや他の小説投稿サイトの投稿時の編集画面に「字下げ」ボタンが存在しますので、その機能を利用するといいと思います。

(カクヨム、小説家になろう、ノベルアッププラスには字下げ機能があることを確認しました)

 

   *


 こだわりがあって・・・を使うならいいのでは? と言いながら、なぜ公募をするなら直した方がいいと勧めるのかというと、一生懸命書いた小説がもしかしたら記号一つで落とされたかもと後悔するのは嫌ですよね……。 

 私は、そういった選考に携わったことはないので、実際に文章作法ができてないから落とすということがあるかどうかは分かりませんが、もし同等レベルの作品が2作あってどちらかを選ばなければいけないとしたら、多くの人が文章作法の守られている方を選ぶのではないかと思います。


 手書き原稿とは違い、パソコンの原稿は置換機能や字下げ機能で直したいときにいつでも簡単に直せますので、指摘されても気にせずどんどん執筆して欲しいです。

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